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ハイキュー!! 第282話 『メシ』
宮治のトス ちょっと低い
スパイカーアラン 余裕無い 助走・ジャンプ
澤村 ストレートにブロック
今まで対峙してきた強烈スパイカーたちが浮かぶ。
ゴパァッ
見事なレシーブを見せた日向!
うおおあああああ
「ナイスレシーブ!」
大声で叫ぶスガたち!
【リベロ不在ながら強烈な攻撃を完璧に上げてみせたMB日向翔陽ーッ!】
実況も興奮!
そして
【うわっはは!ナイスレシーブ!】
「うお」
「わぁ!」
「エエーッ!?」
と口々に驚きの声を上げる音駒の面々。
マグレ
と言えばとも言えるかもしれない
でも全部がマグレなんかではなく
マグレと言えど
ちょっと待て
マグレって何だっけ
穴原は改めて考える。
本能とは似て異なる
直感というカタチに化ける
今 確かに
凝縮された思考による動きがあった
驚き、画面を見入る穴原。
ボールを見上げる影山は、眉間にシワを寄せる。
…ボールに触れる瞬間
威力をいなし
身体全部でボールを殺す
このゆるい回転
(完べき)と思いかけて
(いや言わねえ)と切り替える。
(まだ言わねえ!)と。
「カウンタアアア」
ベンチ組が力の限り叫ぶ!
地元で観戦中のヤジ親父も叫ぶ!
「行け ブレイクだアアア!!!」
同時多発位置差攻撃オール!!!
稲荷崎の監督も叫ぶ!
たった1点 けど
獲られたらあかんやつや
嫌な風を吹かす1本や
「死守や!!」
フワッ
影山が上げたのは旭。
ドボォッ
強烈スパイクを
「フォロー!!」
宮治が「銀!」とボールを高く上げる!
銀島のスパイクに烏野ブロック3枚!
ボールは後ろに大きく弾かれる!!
「ナイスブロックアウト!」と声が飛ぶが、
パアンッ
「ハッ」とテレビカメラブースの直前で日向がボールを返す!
そしてすぐに走り出し
「か」
「げ」
「や」
「まあああ!!!」とトスを呼ぶ!
実況も驚きの日向の突撃!
【日向翔陽が繋いで…!!?あんな後方から攻撃に入ろうとしているー!?】
待ち構える稲荷崎もベンチの北たちも唖然とする。
しかし、研磨だけは「ふふ」と笑う。
フワッ
飛び込んできた日向だが、ボールが上がったのは田中!
ドドオッ
田中のスパイクをアランがレシーブするも後ろに弾く!
「ー!!ナイスキー…!!」
やっちゃんがそう口にした時、
ド
リベロ赤木が足でボールを上げる!
【!これはっ!上がっているっ!!リベロ赤木足先で繋いだー!!!】
ぱあん
赤木の上げたボールを宮侑が繋ぐ!
【稲荷崎返せるか 返したー!!】
ネット際に戻ってきたボールに、後方に構えていた澤村たち。
ボールはポロっと白帯に当たって烏野側に落ちる!
うそだろ
澤村と旭が飛び付くが、
ダンッ
無情にもボールはコートに落ちる…!!
稲荷崎応援団から歓声が湧き、
「うわあああーっ」と稲荷崎ベンチからも声が上がる!
稲荷崎の監督は確信する。
ブレイクでもなければ
マッチポイントを握る1点でもない
それでも
相手の心を折るのに
十分な1点や
稲荷崎応援団の大歓声の中、落胆する烏野。
心が折れれば
途端
蓄積した疲労を思い出す
烏野は2回目のTOを取る。
【互いに素晴らしい粘りのラリーでしたが】
【勝利の女神は未だ稲荷崎を向いているのか…!!】
(辛うじてとは言え渾身の2撃を返されたのはキッツイな…)と思う大将は、
ミカちゃんの
「惜しかったねー」の言葉に
「ね」と短く答える。
決められなかったスパイクを悔やむ田中と旭。
「ミスなら悔やめ!」
「でも今のは相手の粘りに称賛でいい!」
烏養の檄に、顔を上げる二人。
心の中では、みんなが
(…負けたくない)と強く思う。
負けてたまるか
終わってたまるか
負けて…
みんなが気負った時、
「見たかよ!さっきのおれのレシーブ!!」と
興奮気味に日向が影山に言い放つ!
影山は素直に答えたくない苦悶の顔で、
「…」
「… …」
「………………見てない」
と答える。
「ウッッッソつけ!!!??」とショックを受ける日向。
「ナイスレシーブって言ったの聞いてっからな!?」
少し自信のない日向。
その様子を見ている宮兄弟。
日向は笑顔で影山に宣言する。
「じゃあ」
「次とるやつ見てろ!」
スガは痛感する。
ー苦しい
もう止まってしまいたい
思い起こすのは、影山が始めてトスを上げた時の日向。
そう思った瞬間からの
一歩
日向の前向きな言葉に、笑う田中と旭。
他のみんなも笑顔に。
そして武田も潔子さんと顔を見合わせる。
澤村も笑顔になり、気負いが抜ける。
「飯 食うとるみたい」
日向の後ろ姿を見つめながら宮治は呟く。
「?何やねんお前さっきから試合中に飯の事考えよって」と注意する宮侑。
だが宮治は続ける。
「焼き肉とか腹一杯食うて気持ち悪なって「もう当分ええわ」と思てても」
「次の日にはもう食いたなっとるやん」
自分は焼き肉の次はカレーか寿司がいい、と返す宮侑。
「毎回何回も飯食うのにすぐ腹は減って」
「飯にありつく度幸せやって思うし」
「何回繰り返したってその幸せの度合いが下がる事って無いやんか」
これに対して宮侑は、
「ああ お前飯が何でも」
「「いきててよかった」みたいな顔して食うとるもんな」と納得。
「あったかくないおにぎりでも伸びたラーメンでも」
「…あいつそれやねん」
宮治の言葉に
「!」
表情の変わる宮侑。
「飯食うみたいにバレーしよる」
ピーッ
TOが終わり、コートに戻りながら宮治は続ける。
「…ツム知っとるか?」
「腹が減ってる時に何かひと口食うとな」
「もっと腹減ってくんねん」
ベンチスタートの日向は嬉々とした表情で、今もじんじんとした腕の感触を感じていた。
宮侑も思う。
ああ
そんなんわかるわ
銀島のサーブを田中がレシーブ。
旭のスパイクは宮治のブロックアウト。
うまそうに食う奴見とると
全く心の折れていない烏野のみんなの表情。
周りも皆
腹減ってくんねん
【ここはあっと言う間に切ってきました烏野!】
【稲荷崎の背中は目の前です】
「おーしおし!死んでねえぞオ!!」
ヤジ親父の檄が飛ぶ!
18vs17。
烏野1点のビハインド。