人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
    今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
    2週間71円で全て読み放題!!

    ハイキュー!! 第282話 『メシ

    宮治のトス ちょっと低い
    スパイカーアラン 余裕無い 助走・ジャンプ
    澤村 ストレートにブロック
    1

    今まで対峙してきた強烈スパイカーたちが浮かぶ。

    ゴパァッ

    見事なレシーブを見せた日向!
    2

    うおおあああああ
    「ナイスレシーブ!」
    大声で叫ぶスガたち!

    【リベロ不在ながら強烈な攻撃を完璧に上げてみせたMB日向翔陽ーッ!】
    実況も興奮!
    そして
    【うわっはは!ナイスレシーブ!】
    3

    「うお」
    「わぁ!」
    「エエーッ!?」
    と口々に驚きの声を上げる音駒の面々。


    マグレ

    と言えばとも言えるかもしれない

    でも全部がマグレなんかではなく
    マグレと言えど

    ちょっと待て
    マグレって何だっけ

    穴原は改めて考える。

    本能とは似て異なる
    直感というカタチに化ける
    4

    今 確かに
    凝縮された思考による動きがあった

    驚き、画面を見入る穴原。

    ボールを見上げる影山は、眉間にシワを寄せる。

    …ボールに触れる瞬間
    威力をいなし
    身体全部でボールを殺す
    このゆるい回転

    (完べき)と思いかけて
    (いや言わねえ)と切り替える。

    (まだ言わねえ!)と。

    「カウンタアアア」
    ベンチ組が力の限り叫ぶ!
    地元で観戦中のヤジ親父も叫ぶ!
    「行け ブレイクだアアア!!!」

    同時多発位置差攻撃オール!!!

    稲荷崎の監督も叫ぶ!
    たった1点 けど
    獲られたらあかんやつや
    嫌な風を吹かす1本や
    5

    「死守や!!」

    フワッ

    影山が上げたのは旭。

    ドボォッ

    強烈スパイクを
    「ア"ア"ッ」と気合いで宮侑がレシーブ!!

    6
    「フォロー!!」
    宮治が「銀!」とボールを高く上げる!

    銀島のスパイクに烏野ブロック3枚!
    ボールは後ろに大きく弾かれる!!
    7

    「ナイスブロックアウト!」と声が飛ぶが、
    パアンッ
    「ハッ」とテレビカメラブースの直前で日向がボールを返す!

    そしてすぐに走り出し
    「か」
    「げ」
    「や」
    「まあああ!!!」とトスを呼ぶ!
    8

    実況も驚きの日向の突撃!
    【日向翔陽が繋いで…!!?あんな後方から攻撃に入ろうとしているー!?】
    待ち構える稲荷崎もベンチの北たちも唖然とする。
    しかし、研磨だけは「ふふ」と笑う。

    フワッ

    飛び込んできた日向だが、ボールが上がったのは田中!

    ドドオッ

    田中のスパイクをアランがレシーブするも後ろに弾く!

    「ー!!ナイスキー…!!」
    やっちゃんがそう口にした時、


    リベロ赤木が足でボールを上げる!
    9

    【!これはっ!上がっているっ!!リベロ赤木足先で繋いだー!!!】

    ぱあん

    赤木の上げたボールを宮侑が繋ぐ!

    【稲荷崎返せるか 返したー!!】

    ネット際に戻ってきたボールに、後方に構えていた澤村たち。
    ボールはポロっと白帯に当たって烏野側に落ちる!
    10

    うそだろ

    澤村と旭が飛び付くが、
    ダンッ
    無情にもボールはコートに落ちる…!!

    稲荷崎応援団から歓声が湧き、
    「うわあああーっ」と稲荷崎ベンチからも声が上がる!

    稲荷崎の監督は確信する。

    ブレイクでもなければ
    マッチポイントを握る1点でもない
    それでも

    相手の心を折るのに
    十分な1点や
    11

    稲荷崎応援団の大歓声の中、落胆する烏野。

    心が折れれば
    途端
    蓄積した疲労を思い出す

    烏野は2回目のTOを取る。

    【互いに素晴らしい粘りのラリーでしたが】
    【勝利の女神は未だ稲荷崎を向いているのか…!!】

    (辛うじてとは言え渾身の2撃を返されたのはキッツイな…)と思う大将は、
    ミカちゃんの
    「惜しかったねー」の言葉に
    「ね」と短く答える。

    決められなかったスパイクを悔やむ田中と旭。

    「ミスなら悔やめ!」
    「でも今のは相手の粘りに称賛でいい!」
    烏養の檄に、顔を上げる二人。
    心の中では、みんなが
    (…負けたくない)と強く思う。

    負けてたまるか
    終わってたまるか
    負けて…
    12

    みんなが気負った時、
    「見たかよ!さっきのおれのレシーブ!!」と
    興奮気味に日向が影山に言い放つ!

    影山は素直に答えたくない苦悶の顔で、
    「…」
    「… …」
    「………………見てない」
    と答える。

    「ウッッッソつけ!!!??」とショックを受ける日向。
    「ナイスレシーブって言ったの聞いてっからな!?」
    少し自信のない日向。

    その様子を見ている宮兄弟。

    日向は笑顔で影山に宣言する。
    「じゃあ」

    「次とるやつ見てろ!」
    13

    スガは痛感する。

    ー苦しい
    もう止まってしまいたい

    思い起こすのは、影山が始めてトスを上げた時の日向。

    そう思った瞬間からの

    一歩


    日向の前向きな言葉に、笑う田中と旭。
    他のみんなも笑顔に。
    そして武田も潔子さんと顔を見合わせる。
    澤村も笑顔になり、気負いが抜ける。


    「飯 食うとるみたい」
    日向の後ろ姿を見つめながら宮治は呟く。
    14

    「?何やねんお前さっきから試合中に飯の事考えよって」と注意する宮侑。
    だが宮治は続ける。

    「焼き肉とか腹一杯食うて気持ち悪なって「もう当分ええわ」と思てても」
    「次の日にはもう食いたなっとるやん」

    自分は焼き肉の次はカレーか寿司がいい、と返す宮侑。

    「毎回何回も飯食うのにすぐ腹は減って」
    「飯にありつく度幸せやって思うし」
    「何回繰り返したってその幸せの度合いが下がる事って無いやんか」

    これに対して宮侑は、
    「ああ お前飯が何でも」
    「「いきててよかった」みたいな顔して食うとるもんな」と納得。
    「あったかくないおにぎりでも伸びたラーメンでも」

    「…あいつそれやねん」
    宮治の言葉に
    「!」
    表情の変わる宮侑。

    「飯食うみたいにバレーしよる」

    ピーッ

    TOが終わり、コートに戻りながら宮治は続ける。

    「…ツム知っとるか?」
    「腹が減ってる時に何かひと口食うとな」

    「もっと腹減ってくんねん」
    15

    ベンチスタートの日向は嬉々とした表情で、今もじんじんとした腕の感触を感じていた。

    宮侑も思う。

    ああ

    そんなんわかるわ

    銀島のサーブを田中がレシーブ。
    旭のスパイクは宮治のブロックアウト。

    うまそうに食う奴見とると

    全く心の折れていない烏野のみんなの表情。

    周りも皆
    腹減ってくんねん

    【ここはあっと言う間に切ってきました烏野!】
    【稲荷崎の背中は目の前です】

    「おーしおし!死んでねえぞオ!!」
    ヤジ親父の檄が飛ぶ!

    18vs17。
    烏野1点のビハインド。
    16






    人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
    今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
    2週間71円で全て読み放題!!
    キングダム 第540話 『消耗戦

    敵将・舜水樹の放った火矢は、秦軍の生命線を無常に焼き尽くす。

    ロゾ:地下道?
    1


    舜水樹:とぼけるな。趙国内にあるが、この遼陽城は趙にとっては治外法権のいわば「異物」。抜け目のないお前達なら対趙国有事のために地下に脱出経路を張り巡らしているはずだ。

    ロゾ:仮にあるとしてなぜそれを今聞く?よもや貴様にそれを教えよと?

    舜水樹:一つだけでいい。

    ロゾ:どの一つだ?

    舜水樹:楊端和軍ではない方の秦軍の「食糧庫」は地形と軍配備から読んでこのあたりの森林の中にある。
    2

    ロゾ:フッお前の読みによるとか・・・そこはラゴの森という。

    舜水樹:森は広く包囲守備をされている。でいればその近く欲を言えばその内側に出る地下道はないかロゾ。

    ロゾ:呼び捨てか。大将は私だ。だが李牧でさえ儂をロゾ王と呼んで喜ばすぞ。

    舜水樹:ではロゾ王あるか?

    ロゾ:フッ一帯で最も大きいラゴの森は脱出路の出口としては最適な場所の一つ。故にあるわ森のど真ん中に抜け出る地下道が。

    ロゾ様あの銀髪の男・・・

    ロゾ:ああ。うまくやりおったようだな。フン舜水樹め。ますます戦りやすくなったではないか。すぐに夜明けだが少し寝るぞ。起きてからの秦軍の顔が見物だブハハ。



    楊端和:壁・・・どれだけ失った?
    3

    壁:兵糧庫は二か所に分けていたので・・・ちょうど半分です・・・。

    メラ族 族長カタリの妹キタリ:何だって兄者

    メラ族 族長カタリ:半分だと

    妹キタリ:はァ!?

    楊端和:戦の最中だ。将軍なら下を向くな壁。今回はたまたま敵の地下道出口がそこにあっただけだ。お前に落ち度はない。兵糧は山の民のを分けるから心配するな。この辺は山も多い。自給できる分も少しはあるはずだ。

    壁:めっ滅相もありません。援軍に来ておいて逆に兵糧を取ってしまうなど・・・失った分は我々で何とかします。すでに鄴を包囲中の桓騎将軍の元へ伝者を飛ばしています。向こうも大変でしょうがとにかくわずかでも兵糧を送ってもらうように・・・。

    キタリ:何だって?兄者

    カタリ:桓騎軍から兵糧を送ってもらうと

    キタリ:は?桓騎ってクソヤローなんだろ?来るわけないだろそんなの。

    楊端和:とにかく甲冑を着てこい壁。すぐに三日目が始まるぞ。

    壁:はい・・・

    楊端和、あいつの軍に我々の兵糧もけっこうな量預けてたはずだ。それがその半分を失ったとなると正直笑えぬぞ。

    楊端和、遼陽の戦い方、根本から考えなおさねば間違いなく我らは大敗全滅するぞ。

    楊端和:分かってる
    4



    ナレーション:三日目、壁は未明の失態を挽回せんと先陣に立ち、大いに攻撃に出た。

    壁:第一隊突撃だっ。第三隊は右から入れ。今日は我らの力で勝利に導くぞ。
    5

    オオ

    ナレーション:だが、この勇猛は大いに空回りし、壁軍は犬戎軍の受けの戦術にはまり、大打撃を喰らうことになる。

    ブハハ。バカがガキのように突っ込んで来たぞ。

    四方から切り刻むぞっ。

    ナレーション:一方、兵糧を送ってもらうべく桓騎軍に向けて放たれた伝者達は
    6
    遼陽・鄴間にはられた趙軍の網にかかり、全て絶命した。

    秦三軍の通った道はすでに分断され、それぞれが点の存在になっていたのである。つまり壁からの伝者が桓騎の元に届くことはなかった。
    7



    朱海平原
    8

    松琢:どうしてずっとにらみ合いを?

    宮康:昨日の勢いのままさっさと始めた方がいいのになー。

    松琢:オイラもそう思うな。向こう三万こっち二万五千で始まった右の戦場も昨日ので戦力はひっくり返ってるはず。そして何より戦力の差以上に士気の差が広がっている。たたみかけるなら今なのに。

    関常:夜明けと共に李牧が手を打ったんでうかつに動けんのさ。

    宮康:李牧が・・・手を・・・

    松琢:どんな手を?

    関常:別に驚くような手ではない。物見の報告ではそろそろ着くはずだ。

    宮康:ん?

    松琢:あっ


    関常:中央軍から新手の援軍 一万だ。
    9

    松琢:たしかに下手に始めてなくてよかった・・・。

    関常:しかし三日目で早くも一万も援軍を送るかよ・・・・・・。おかげでせっかく上がっていたこっちの士気が一気に下げられたぞ。またふり出しに戻しやがって。


    王賁:いやこれでいいのだ関常。聞けィ玉鳳の兵達よ!!
    10


    この戦いの勝者は相手の中央軍を叩きつぶした側だ。
    今 大将 王翦と敵将 李牧は両翼の戦いを優勢にし相手が中央より援軍を送ることでその中央軍を瘦せ細らせる戦略をぶつけ合っている。
    つまり、今 敵の中央から一万の援軍がこの地に届いたということは中央軍の一万を削ったということだ!!
    11

    この形で削り続け、中央軍同士の戦力さが開いた時、王翦中央軍が出陣して勝負を決める。その時まで右翼は勝ち続ける。
    何千何万と援軍が来ようが望むところだ。それが俺達の「役割」だ。
    中央軍の・・・大将 王翦の最終決戦のためにひたすら血を流し、敵を屠り続けるぞ。よいな玉鳳ォ!!
    12


    あんな大声で檄を飛ばすこともあるのですな若君は。


    亜光:フン。全てつつ抜けで俺が言うことが無くなったわ・・・出るぞ亜光軍。今日も右翼を我々の狩り場と威す!!
    13



    趙 中央軍 本陣

    左が始まったのか。秦側か。すごい喚声だぞ。

    李牧:すぐに静まり返りますよ。廉頗と双肩をなした偉大なる三大天 藺相如は「智」と「勇」を兼ね備えた大将軍・大戦略家でした。

    そして持ち合わせなかった「武」を担っていたのが直下の優秀な将軍達。それを束ねていたのがあの尭雲です。かつての三大天 藺相如軍の「武」とはあの尭雲そのもです。
    14

    人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
    今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
    2週間71円で全て読み放題!!

    ハイキュー!! 第281話 『ハーケン

    表紙の1枚
    1


    【ーな なんと】
    【“スパイカー“宮治から“セッター”宮侑へのセットアップで】
    【マイナス・テンポの速攻を繰り出してきました】

    【宮ツインズ恐るべしコンビネーション!!!】
    2

    実況も興奮の攻撃が決まる!

    「けど低くて短かったな!」と宮侑。
    「何ゼイタク言うとんねん!」
    「俺セッターちゃいますけど!」と小競り合いが始まる宮兄弟。

    「なんなんだよ…」
    「クソ…!」
    悔しさを隠せないスガ。

    「イレギュラーだ!あんま気にしすぎんな!」と声を飛ばす烏養。

    稲荷崎ベンチでは、北が
    「今のがマグレだろうと烏野(むこう)の動揺は必至やろな」と口にする。
    「っスね」と角名。

    宮侑は思う。

    嫌なきもちやろな?
    逆転されたうえ
    想定外の攻撃されて焦るやろな?

    早くこの空気切りたいやろな??

    こういう時
    豪快な1本決めれたら
    スカッとするし味方の士気も上がるやろなあ?

    お前らが意地でも決めたいスパイク

    俺らは意地でも止めんねん
    3

    旭のスパイクはブロックに阻まれる。

    「!あぁ~~っ!」
    思わず声が出る観戦カップル。
    「…なんか」とひろみちゃん。
    「崩れる時ってあっと言う間だよねえ」

    「お?」と元太が声を出す。
    旭をブロックで止めたものの、宮侑がタッチネット。
    「力入ってもーたー!スンマセンッ」と宮侑。
    「ダサ」と宮治。

    「あ ネッチか」
    「ラッキーだけど…」
    4

    「精神的ダメージを食らったのは烏野の方だな」

    「ラッキーラッキー」
    「すぐ追い付くぞ!」
    気持ちを切り替える為に、みんなに声を掛ける澤村。

    だが、響く稲荷崎の応援の音。

    (くそ…)
    (気にならなくなってた稲荷崎の応援がやたらでかく感じる…)

    ここで月島がサーブに下がり、西谷が出て、日向が戻ってくる。
    5

    テレビ観戦しながら、金田一は
    (…日向…なんか…)
    (…なんかやれ!!)と念じる。

    田中のインナースパイクはまたしても大耳に阻まれ、
    フェイントも赤木に拾われる。
    アランのスパイクはブロックするもコートの外に。

    「ーー影山」
    田中が何かを影山に話す。
    6

    影山のサーブを宮治がレシーブ。
    ボールはそのまま烏野に返る。

    防御に備える稲荷崎。

    9番の強烈なサーブ。
    前衛には10番を含む攻撃3枚

    最も厄介なローテや
    …だからこそ

    ブレイクさせへん!!

    澤村のスパイクを赤木が拾う!
    でも、長い…
    だからこそ!

    ネット際のボールに宮侑が右手で飛び付く!

    (ツー!!)
    月島と影山、そして日向も旭もそう読んでブロックに飛ぶ!

    止める!!
    7

    が、瞬時に両手でのセットに変える宮侑。

    ビッ

    日向がボールを押し込む!

    「い良しっっ」と冴子が言いかけた時、
    ピッと審判の笛。

    得点は稲荷崎に!

    オーバーネットを取られた烏野。

    何故か。

    日向と旭は
    「攻撃(ツー)」をブロックしたつもりだけど
    実際には宮侑はトスをあげようとしてた
    まだ相手コート側にあるボールに手を出せば反則になる

    研磨も影山も苦い顔。

    (今 オーバーネットを誘ったな)

    宮侑の胸の内。

    “ネット際”が上手いんは
    デカい奴でもMBでもなく
    ネット際がなわばりのセッターやろ?
    8

    17vs15

    澤村は
    「フーーーー…」と大きく息を吐く。

    【ここでビッグサーバー宮侑にサーブが回ってきます】

    【烏野凌ぐことができるか!】

    強烈なサーブを澤村がレシーブ!

    9
    「くそっ…」
    その威力にボールはそのまま大きく稲荷崎コートに!

    「!」
    大きく弾かれたボールは、稲荷崎コートの角に入る!

    【おっーとっこれはダイレクトで稲荷崎コートへ返る!】
    【烏野命拾い!】

    烏野の得点だが、
    「すげー威力!」
    「ハハハ吹っ飛ばされすぎだろ」
    と笑う稲荷崎応援団。

    悔しい思いの澤村。

    「ナイスレシィーブ!!」
    スガが声を張る!!

    「烏野「ギリギリついてってる」感しんどい…」とひろみちゃん。
    「あー」と同調する元太。

    早くも日向がサーブで後衛に。
    西谷が出て月島が入る。

    稲荷崎は宮侑が後衛に下がり、「双子速攻」が可能に。

    (ブロック頼むぞ…)と祈る嶋田たち。

    追い付き追い抜き
    突き放せ

    梯子を外す
    一本を決めろ
    10

    アランのレシーブからセッター宮侑へ!
    誰を使う!

    既に宮治が助走に入っている!

    攻撃はレフトから銀島!
    だが月島のリードブロックが阻む。
    11

    ボールは稲荷崎へ弾き返され、
    赤木がボールを拾おうと構えるが、
    「治!!」
    宮侑がダイレクトでセットに入る!
    ス…と邪魔にならないように後退する赤木。
    12

    【ーこれは 宮侑】
    【またしてもファーストタッチを直接セットしたー!?】

    (ムチャツム)
    宮治はそう思いながらも

    【宮治も】

    【待っている!!】

    だが、キュキュッ
    ブロックに付く月島と旭。

    (ツッキーキレキレだな…!)とクロ。
    研磨も苦い顔。

    が、スパイクの体勢から、宮治はブワッとボールを上げる。

    「ーは?」
    思わず声を上げた月島。

    「ア゛!?」
    クロも怒りの表情で声を上げ、
    研磨もさらに嫌そうな顔に!

    【宮治自分にセットされたボールを再びセット!?】

    「いいねえ」と呟くユースの監督。

    【後ろから】

    【尾白アランーーッ!!】

    ドオッ

    月島と旭は完全に宮治に振られ、
    澤村もブロックに間に合わない!

    アランの強烈バックアタック!!

    だが、次の瞬間、ボールを迎える揃えられた腕が!!
    13

    そこに「居た」のは日向!
    低く構えて正面でボールを捕らえ、後ろに転んで勢いを殺す。
    14

    遠く地元で見ているライバル達、
    そして仲間達も驚きの表情で視線を集めている。

    ー稀に

    …練習・試合
    長く・そして多分苦しい事の方が多い時間の中で
    ごく稀にこういう1本がある

    思い出すだけで
    心が奮い立つような
    自信が蘇るような
    15

    大きく険しい山を登る途中に
    足掛かりとなってくれるような1本

    それは 奇蹟などではなく
    100本
    1000本に1本であれ
    掴みに行って掴む1本

    稀に掴む そういう1本を紡いで
    上へ上へと登って行く

    高く上がったボールを見つめながら影山は思う。
    (…お前に)
    (これを言う日が来るとは)

    「ナイスレシーブ」

    じんじんとした感覚が日向の腕に刻まれる。
    自ら殴り込んだ合宿で得たもの。
    16

    みんなが叫ぶ!

    「ーカ」
    「ウン」
    「タアアアァアア」
    17



    このページのトップヘ