グリシャナレ
当局の兵士が弾を撃ち尽くす頃、巨人となったフクロウは蒸気船を粉々に砕き海へバラ撒いた
程なくして当局の兵士は皆、果実を搾りかすのようになり海に投げ入れられた

最後に残ったマーレ兵はグリシャを拷問した眼鏡

巨人化クルーガーにより潰され海へと投げ入れられる

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グリシャナレ
【海】とは何かを説明しなければならない【海】とは地表の七割を占める広大な塩水である我々は搬送したマーレ治安当局の蒸気船・兵士の持ち物彼らがこの島に存在した全ての痕跡は海に飲み込まれ消滅した

海に立っている巨人化クルーガーを壁の上から呆然と見ているグリシャ

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形あるものはいつか消え形ないものだけが続いて行く

巨人化クルーガーが岸に上がり巨人化を解く

階段を上がって壁の上まで来るクルーガー

クルーガーがナイフを使ってグリシャの後手の縄を切る

クルーガーが鼻血を流す
ハンカチで拭き始める

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グリシャ
「・・・」

クルーガー
「・・・何か聞きたい事は無いのか?」

グリシャ
「…分からない何から聞けば…いいのか」

クルーガー
「悪いがそんなに時間は残されてない」

鼻血が付いたハンカチを見るクルーガー

グリシャ
「…フクロウ あんたは何者だ?」

クルーガー
「俺は【エレン・クルーガー】
今見せた通り【9つの巨人】の1つをこの身に宿している
つまりはお前と同じ【ユミルの民】だ」

グリシャ
「マーレ人に成りすまし当局に潜入したのか・・・?
すると血液検査はどうした!?」

クルーガー
「医者に協力者が1人いれば済む話だ
その医者も診療録を偽造しマーレ人に成りすましたユミルの民だ

医者は諜報員に向いている

それなりの教養と立場があり
【巨人化学】の応用に必要な知識がある

実際、お前はよくやってくれた若くして復権派を統率し
ダイナ・フリッツとの間に子宝を儲けた

そのジークをマーレの戦士に仕立てる目論見も

俺の後ろ盾を考慮すれば十分現実的な計画だった

結果こそは・・・グライスが嘆いた通りだったがな」

グリシャ
「その通りだ…俺は…ダメな父親で
ダメな夫で…ダメな男だった…

なのになぜ…俺だけが人の姿のまま
ここにつっ立っているんだ…

ダイナは…王家の血を引くユミルの民は特別だ
巨人の力の真価を引き出す

そんなのマーレの歴史教科書で習った
エルディア人の子供でも知ってる史実だぞ?

お前がそれを揉み消したりしなければ…
ダイナは少なくともここで我を失う化け物にされずに
済んだはずだ…」

クルーガー
「…その通りだ」

グリシャがクルーガーの襟首をガッと掴む

グリシャ
「答えろフクロウ!!なぜ俺だけ生かした!?」

グリシャの両手の指はマーレの拷問により失っている
ジュワッと血が滲む

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「よせ、指が痛むだろう」

グリシャ
「…!お気遣いに感謝するよ…!
人の指をちょん切るのは気にならないらしいがな…!」

クルーガー
「…」

グリシャ
「なぁ?…あの巨人でもっと早く暴れてくれれば
皆も巨人にされずに 済んだんじゃないのか?

なぁ!?あんたは何がしたかったんだ!?

俺達エルディア復権派は何のためにここで
巨人にされたんだ!?」

その時、クルーガーの足がガクガクと震え出し
地面に膝を付いてしまう

グリシャ
「!?」

息が上がっているクルーガー

グリシャ
「…どうした!?あんた…さっきから顔色が…」

クルーガー
「同胞…だけじゃない…
何千人ものユミルの民の…指を切り落とした

何千人もここで… 巨人にしてきた
女も子供もだ
全ては…エルディアの為だったと信じてる…」

口から血を流しながらそう話すクルーガー

グリシャ
「…」

グリシャが地面に膝をつきクルーガーを診ようとする

グリシャ
「とくかく…診せてくれ」

クルーガー
「いい…これは分かっている」

グリシャ
「…」

クルーガー
「時間が無い…グリシャ…
お前に最後の任務を託す
他の誰かではなくお前にだ」

口の血を拭いながらそう言うクルーガー

グリシャ
「…」

グリシャ、クルーガーが壁の上に座りながら話す

クルーガー
「あの日…初めてお前と会った日…
俺が呼び止めてなければお前は妹を助けられたかもしれない」

グリシャ
「…俺も殺されてた可能性の方が高かったと思うが…」

クルーガー
「そう言ってくれると助かるが…いずれにしろ、あんな事が無ければ
お前はここまでマーレに強い憎しみを抱く事は無かっただろう」

グリシャ
「…それが…俺を選んだ理由か?」

クルーガー
「それもある 敵国、父親、自分
お前の目に映る憎悪はこの世を焼き尽くさんとする
ばかりだった
かつては俺もそうだった」

グリシャ
「…」

クルーガー
「大陸に留まった王家の残党は革命軍となり、父はその一員だった
しかし革命軍は何も成し遂げることなく
皆その家族と共に生きたまま焼かれた」

背景にはマーレ兵達により、生きたまま焼き殺される

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「幼かった俺はその様子を戸棚の隙間から
見ている事しかできなかった
ただただ恐ろしくてな」

背景には戸棚の隙間からその様子を見ている幼いクルーガーの描写

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「家が焼け崩れる頃に父の仲間に救われ…
それ以来、マーレへの復讐とエルディアの復権を誓った

だが俺が実際にやった事は救うべき同胞の指をつめ…
時には皮を剥ぎ
ここから蹴落とし巨人に変える事だ」

背景には壁からエルディア人を蹴落としているクルーガーの描写

クルーガー
「それに徹した結果、今日まで正体を暴かれる事はなかった」

グリシャ
「…(汗」

クルーガー
「…俺は未だあの時のまま 戸棚の隙間から世界を
見ているだけなのかもしれない…」

グリシャ
「…教えてくれフクロウ…俺に残された任務とは何だ?」

クルーガー
「…これから壁内に潜入し【始祖の巨人】を奪還しろ」

クルーガー
「俺から巨人を継承しその力を使ってな」

進撃の巨人 ネタバレ 88話89話 最新画バレ画像-18.jpg

グリシャ
「・・・何だって?じゃあ・・・あんたは・・・」

クルーガー
「巨人化したお前に食われる
巨人の力無しに壁まで辿り着く事は出来ない
同じようにして【始祖の巨人】の持ち主から力を奪え」

グリシャ
「なぜあんたがやらない?」

鼻血出すのは割とヤバイフラグ
9つの巨人の寿命は13年

クルーガー
「【9つの巨人の力】を継承した者は13年で死ぬ
俺が継承したのも13年前になる」

レイス家も13年ごとに代替わる

回想終了