太行山脈を伝令鳥が飛ぶ

見張りが気付く

見張り(珍しいな・・・山脈を越えて王都へ?)

「ん?」


何羽もの伝令鳥が飛んでいる

「!?」
「なっ」
「何ィっ!?」

見張り「バッ バカな 全部が伝令鳥!?」
「い 一度にこんな数初めてだぞ」
「しかし何で・・・」
「・・・」
「数羽の伝令じゃ足りないことが起きたと・・・!?」
「・・・ぜ・・・全部邯鄲に向かっているのか・・・!?」
「いっ・・・」
「一体・・・何が起きたというんだ・・・・」
趙王都 邯鄲
多数の伝令鳥の飛来に慌てる臣下たち
「す すごい数の鳥が」
「もっと人を呼んでこい」
「この印ぜっ全部李牧様からだ」
「胡周様・・・李牧様は何と!?」

胡周「・・・・」
「い・・・いかん・・・これは・・・」
「いかん!!」
「すっすぐに馬をっ・・・」
「王宮へっ大王様へお伝えをっ」
「公孫龍将軍もお呼びしろっ」

臣下たち「えっ!?」「はっ ハハ!」
風呂に入っている趙王悼襄王

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趙王悼襄王「秦が・・・攻めてくるゥ?」
「この風呂めがけてか!それは許せぬ」
「皆の者戦うぞ 全土が灰と化そうとこの楽園だけ死守せねばならぬ」

少年たち「アハハハ」「クスクスクス」
胡周「だっ大王様!」
「じっ冗談をおっしゃってる場合ではありません」
「太行山脈を越え李牧様から次々と火急を知らせる鳥がっ・・・」

趙王悼襄王「燕関」

燕関「はい」

燕関という少年が悼襄王の足を持ち足先を吸う
「じゅばばるる じゅやるるる」

趙王悼襄王「おふ」

胡周「大王様!!」


趙大臣郭開「大王様は日頃のお疲れを癒されている最中だ」
「それこそそんな冗談のような話で妨げてはならぬぞ胡周殿」
「秦軍はその山脈の向こうでまだ趙軍とぶつかってもいないはず」
「どういう術を使えばこの邯鄲に来るというのだ」

胡周「・・・・」
「山脈越えではありません」
「奴らは西部攻略と見せかけて南に回り込み黄河沿いからこの王都突入を狙っているのです」
「秦軍はおよそ二十万」
「李牧様は邯鄲が大至急対処に動かねばそれを許すと伝えてきております」

公孫龍「・・・・」

趙大臣郭開「何じゃとォ?」

趙王悼襄王「・・・・」
「続けてみよ」

胡周「! ハ!」
「李牧様は今すぐ邯鄲の軍を興して〝列尾〟に送り秦軍の進入を防ぐよう献策されています」


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