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趙の〝国門〟列尾に到着した秦の連合軍!!
対峙する趙の軍勢に熱気と闘志がこもるが・・・!!?

(バタ バタ バタ)
はためく趙軍の軍旗

気合いの入った趙軍の軍勢

趙軍
「この王都の〝蓋〟列尾を抜かんとする愚か者共が来たぞ!」
「皆の者準備はよいかァ!!」
「オォ」

「二日もすれば王都圏からの大軍が到着するだろうが
そんなものはあてにするな」
「この城に近付く犬共は皆殺しだ!!」

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「よいか皆の者ォ」

「奴ら血で列尾の大地を朱く染めてやれェ!!」

「オオオ」
秦軍側に、趙軍の気合いの入った声が届く

陸仙
「・・・・まいったね 秦軍(こっち)のこの数に対して逆に士気を上げてきた・・・
ここまで地が揺れてる」

じぃ
「く・・・趙の国門列尾 これは一筋縄では行きませぬぞ」

陸仙
「しかし王翦将軍は本気でしょうか」
「この城を飛信隊と山民族の軍だけで落とさせるなどと」

「こういってはなんですが正直・・・」

「山民族に攻城戦のような高度な戦いができるとは思えませんが」

山の民たち
「腹へったなー」

「小便してー」

「その辺りでしろよ」

「オレうんこ」

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「その辺りでしろよ」

じぃ
「それもよりによってこの列尾を落とせるのかと・・・」

「いや落とさねば大変なことになるのですが・・・」

蒙括
「・・・・」

「あの山の民軍はたしか二年前に魏の大都市衍氏城を落としたはずだけど」
陸仙「どうやって落としたかは誰も見ていないです」
「あの時は攻める秦軍がいないと思わせて奇襲が成功しただけだろうと専ら言われています」

蒙括
「・・・・・ってことはいよいよ」

「飛信隊の動きが重要になってきそうだな・・・・」
城壁で趙軍の声が響きわたる

「オオオオオオ」「趙軍万歳」「趙軍万歳」

蒙括
(城の作りはともかく まずは何より厄介なのはあの士気の高さだ)

(合従軍の蕞でもそうだったように守る人間の士気しだいで城は何倍にも強くなる・・・・)

(これはいきなり正念場だぞ 信)

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じっと前を見つめる信と楊端和
「・・・・王翦将軍の意図はともかく・・・」

「やるからにはオレ達だけで列尾を落とすつもりでやるよ!」

信と楊端和
「当然だ!」

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「しかも最低でも二日以内に!」

楊端和
「半日で落とす」

貂と信
「!」「えっ」

「・・・ってことは・・・な何かいい策があると・・・?」

楊端和「城攻めは・・・単純だ」

「城壁を登って・・・裏に回って門を開け」
「部隊を突入させて中を制圧する」

「それ以外に何か手があるのか? (奴らうるさいな)」

あっけにとられる信と貂
信「楊端和・・・」

「そっそうなんだけどそれが難しいわけで」

楊端和
「城壁を落とすのは山の民がやる」

「飛信隊は門が開いたら中に突入できるよう準備しておけ」

「えっ」

「いやっ だからっ」

「その城壁落とすのが大変なんだって・・・」

(だ・・・大丈夫かテン
ひょっとして山の民の連中城攻めを甘く見てねェか!?」

(は 白兵戦が強いのは十分分かってるけど
城は軍としてちゃんと攻めないと苦戦するよ・・・」

タジフ
「・・・・」

タジフが趙軍の方を指さし何かを言う

バジオウ
「敵デ城ノ外ニ出テイル奴ラガイルト タジフガ言ッテイル」

「え・・・あ」

「ああ・・・あれは・・・」
「秦軍が近づけばすぐに城内に入るよ」

「背を打とうと焦って突っ込めば」

「城壁の上から矢の雨を受けるって典型的な戦術だよ」
「でも それとは別に敵前に騎馬隊を出すという勇敢さを見せて自軍を奮わせるという狙いもある」


「チッ つまり単純な敵じゃねェってことか」

「その通り でも一番厄介なのはやっぱりあの士気の高さだ」
「敵の指揮官は守城戦で何が一番大事かきちんと分かっている」
「だからこっちも考えて戦わないとあの城は絶対に落ちない・・・」

楊端和
「心配無用だ」
「山の民には山の民の戦い方がある」

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信と貂
「ちょっと 楊端和!」

「山の民の戦い方!?」

バジオウ
「・・・・・山の民ノ ト言ウヨリ端和様ノ戦イ方ダ」

「え!?」

バジオウ
「今コノ地ニハ」
「百ヲ超エル山ノ族ガ集結シテイル」
「フィゴ族 メラ族など 何百年ト争ッテキタ大族マデモ参戦シテイル」

信が驚き
「百っ・・・」

バジオウ
「ドノ族ノ長老モ皆 同ジコトヲ言ウ」
「コンナコトハ決シテ起コリエナカッタト」
「全テハ 楊端和トイウ一人ノ女王ノ存在ダ」
「山界ノ〝死王〟ト畏レラレ」
「愛サレル女王一人ノ存在デ山界ノ統一ガ成サレタ」

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あっけにとられる信と貂

バジオウ
「見テイロ」
「端和様ハイツモ敵ヲ真正面カラネジ伏セル」

信と貂
「・・・・・」

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「真正面から・・・ねじ伏せる!?」

馬の歩を進める楊端和

王翦の兵隊
「ん?」

王翦将軍も戦況を見つめる

蒙括
「!?」

じぃ
「えっ」

蒙括
(山の女王!?)
「見ろ一騎出たぞ」

楊端和の方に目を向ける山の民たち

(端和様だ)

(死王だっ)(死王だー)(死王だー)

(死王)(死王)

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地鳴りのような叫び声があがる

驚く信たち

「なっ・・・」

「何っ・・・すっ姿を見せただけでっ」

楊端和が手をあげると雄叫びがピタッと静まりかえる
楊端和 城を指さし

「見よ」

「敵が何かさえずっているぞ」
「あんなものが雄叫びとは肩腹痛い」
「本物の雄叫びとは何だ」
「本物の戦士の雄叫びとはどんなものか」
さらに大きな雄叫びが響きわたる

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「いッ」

「さっさらに大きく・・・」

飛信隊
「ぐあッ」

「じっ地面がはねてるぞオイ」

王翦将軍
「・・・・」

王翦将軍部下
「な何じゃこれは・・・」

趙軍
「な・・・」

「何だ」
「あの軍勢は・・・」

蒙括
「凌駕しようとしてるんだ」

じぃ
「!?」「凌駕!?」

蒙括
「言葉は何を言ってるか分からないが」
「楊端和は敵の最大の武器である〝士気〟を正面から叩きつぶそうとしている!」

趙軍
「エエィ ひるむな 声をあげろォ」

「オオオ」

楊端和
(この戦いは)(平地の者共の戦いだ)

(だが)(我らの世界を広げる戦いにも重なっている)

(ならばいつも通り)

(この楊端和の強靭なる刃達を振り下ろし)
(抗う敵全てを肉片にして先へ進む!)

さらに雄叫びを上げる山の民たち
「死王!」「死王!」

趙軍
「ひるむな列尾兵声をっ」

楊端和
「あんな小城が」
「この山界の王の刃を受け止めきれると思うか」
「あんなものでっ」

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「・・・・」

(こ これが・・・)

-山の王・・・楊端和の檄-

「山の刃をふせげると思うかっ」

ひるむ趙軍兵

楊端和
「平地に見せつけてやれ 百の山界の戦士達よ」

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「山の民の力を!」
「恐ろしさを!!」

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「者共」
じっと緊迫した状態で戦況を見つめる信と貂

見つめる王翦将軍

(ガチガチガチガチ)震える趙軍

楊端和
「血祭りだァァッ」

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山の民の攻撃開始!



→→続く