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■大吾が落ち込む中、久しぶりに日本へ帰って来たこの男は…


乗務員「お客様 お客様。お休みのところ申しわけありません。」

吾郎「ん…」

乗務員「目的地の羽田に到着しましたよ。」

吾郎「あーそ。ありがと。」
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おかえりなさいっ!!

吾郎「半年ぶりの日本か――― ガキども、またでかくなったかな。」



体育の授業で走り幅跳びの計測をしている
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ピッ

ズザッ

「茂野いずみさーん、4m62cm。」

 

友達「うわっさすがいずみ!高校は陸上部入ったら?」

いずみ「やめてよ。あたし女子の硬式野球部がある横浜星輪受験することにしたから―――やっぱり野球はまだやめらんないや。」

友達「えーっほんとに!? せっかく中高一貫の風林入ったのにやめちゃうんだ!」

いずみ「うん。」


クラスメイト「先生!」

先生「ん?」

クラスメイト「なんか不審者がいるんですけど……」

先生「え?」

クラスメイト「ホラあれ。さっきからずっとあたし達を見てるんですよ!

変質者ですよ変質者。もしかすると最近この辺で出没するって噂の変態ですよ。」

クラスメイト「えーこわーい。」

いずみ「………」

先生「何ィ!よし、ちょっと待ってろ!」

 

いずみ(あ~~~~~っあれは!!)

吾郎「おーい いずみィ。」
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変質者に間違われる吾郎

クラスメイト「うわっ、手 振ってるあの変態!」

先生「おい、ちょっとおまえ!」

慌てて逃げる吾郎

先生「あっ おいまてーっ!」

クラスメイト「きもーい。」

いずみ(なぜ逃げる………)

 

佐倉「茂野くーん!ねえ、さっき先生から聞いたんだけど…

茂野君も風林学園受験するんだって!?」

大吾「え…あ、ああ一応ね…受かるかどうかわかんないけど。」

佐倉「もーじゃあ言ってよ!あたしも風林受けるって、前に言ったでしょ。」

大吾「ああ…そうだっけ。」

佐倉「………」

佐倉「あ、そっか茂野君とこお姉さんも風林行ってるしね。」

大吾「んーまあ…」

佐倉「そーいやお姉さん、野球部のキャプテンやってるんだっけ!?」

大吾「3年だからもう引退したよ。俺達入っても もういねーし。」

佐倉「え~~~っ!なんだァ、女子の先輩いると心強かったんだけどなァ

他にも女子の野球部員いるといいなぁ。」

 

足を止める大吾

大吾「野球部入るんだ。」

佐倉「え…う、うんもちろん。野球やって楽しかったし。」

遠い目をする大吾

大吾「そう………」

佐倉は大吾の腕を掴み言った

佐倉「ねえ…元気出してよ!そろそろ元の茂野君に戻ってよ…!!

またいっしょに野球やろうよ!!」
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必死な顔で大吾に思いを告げた

佐倉「あれは茂野君のせいじゃないし……そんな姿の茂野君を光君だって喜ぶわけ…」

大吾「無理だよ!」

佐倉の手を払いのける大吾

大吾「言うなよ……!俺の前で二度と野球のことも光のことも言うな!!

俺はもう野球なんか誰がなんと言おうがやらねーんだよ!!」

逃げるように走り出す大吾

佐倉「茂野君!」

大吾(光は一生不自由になったってのに…なんで俺だけがそんなことできんだよ!!」

大吾の目の先に見覚えのある人物が立っている

大吾(え…………)

吾郎「よう、どしたい大吾―――」
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大吾(お……おとさん!!)

佐倉(し…茂野君のパパ!!)

 

大吾「な、なんでおとさんが………」

吾郎「なんでって、昨日シーズン終わったから帰ってきたんだよ。なんだおまえ、聞いてないのか。

家着いたらママも出かけてるし、誰もいねーから…

とりあえずいずみの顔見に授業参観行ってきて、おまえ迎えに来たんだよ。」

大吾「……」

吾郎「元気してたか大吾?」

大吾「う、うん。」

大吾(あれ……なんだ!? なんで涙が…?」

目に涙を浮かべ走って逃げる大吾

吾郎「お、おい大吾!!」

大吾(なんで涙があふれてきたのかわからない―――

ただ涙をおとさんには見られたくなかった。)

ダダダ(大吾の後ろから走ってくる足音)

吾郎「うはははーっ!」
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本気で走って追い抜いていく吾郎

吾郎「家まで競争か!望むところよ!

なめんな、まだまだおまえらには負けね―――っ!!」

大吾(え~~~っ?)
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茂野宅ベッドルーム 横に寝ているのは薫

プルルルルル(電話のコール音)

カチャ

寿也《はい 佐藤です》

吾郎「おう寿か。ちょっと大事な話があるんだ。近いうちに会えるか。」
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■傷ついた息子たちのために動きだしたビッグダディたちだが…?