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キングダム 第512話 『鄴の正体

ナレーション~
列尾城から突如消えた王翦の足取り・・・。
秦連合軍総大将自ら駆けた先に広がるものとは・・・!!?

秦連合軍が列尾を落として二日・・・・・・
つまり王翦が列尾城から姿を消して二日後・・・
王翦「・・・・・・」
ようやく王翦は“目的”とするものをその肉眼でとらえた
2 (1)
 
王翦「止まれ」
王翦「・・・」 

ナレーション~
秦連合軍攻略標的。巨大に、堅牢に鎮座する趙王都圏最重要拠点
 
【趙国第二都市『鄴』】
1 (7)

王翦部下「・・・・・・」

「な・・・なんだあの巨大な望楼は・・・」

「こ・・・これが・・・鄴っ」


王翦「・・・・・・」

「・・・・・・」

亜光「聞いていたものと大分様子が違う」

「近年、李牧が大改修を行なったという噂は本当だったようだ」

王翦部下「!」

亜光「・・・・・・」

「愚将には尋常ならざる城に見えまするが・・・」

「あの鄴城、王翦様の目にはどのように・・・・・・」
2 (5)

王翦部下たち「・・・・・・」

「・・・・・・」

王翦「・・・・・・」

「・・・・・・」

王翦「完璧だ」(ボソッ)

王翦部下「!?」

王翦の言った言葉が聞こえなかったのか怪訝な表情の部下たち

もう一度はっきり王翦が言う

王翦「完璧な城だ」

「あの城は“攻め落とせぬ”」
1 (1)


王翦部下たち「!?」

「!?」
動揺する部下たち「!?」 「!?」

王翦部下たち「っ・・・」
「でっでは 今回の連合軍の遠征は・・・」

「王翦様っ!」

「王翦様!」

王翦「亜光」

亜光「ハ!」

王翦「王都圏全域の地図を出せ」

亜光「ハ!」

 
王翦部下たち「!?」

大きな地図を広げ、その場に座り込む


王翦「鄴までの間に存在する城は八つで正確か?」

亜光「いえ、斥候の話では紀音の北西にもう一つ小都市があると」

王翦「北西に何里だ?」
亜門「二十里程です」

 
王翦部下たち「・・・ぬっ!?」
「・・・・・・」
「ま、まさか!」
「こっ この場で軍略を練られるおつもりか・・・!?」
(バカな ここは趙王都圏の深部だぞ)
(ただでさえ敵の目につかぬよう小隊で来ている!)
(こんな所で敵に見つかりでもすれば一溜まりもなく・・・)


趙兵が現れる
趙兵「ん? 何だ貴様ら」

「そこで何をしている」

 
王翦軍「!!」

「あっ」

 
趙兵「ん?」

「貴様ら鄴の兵ではないな」

「どこの所属だ」

亜光が趙兵を斬り捨てる

しかしその騒ぎで趙兵の別隊がやってきてしまった


趙兵「どうした」

「何の騒ぎだ」

王翦部下たち「!」
(くっ 部隊がいるぞっ!!)
2 (4)

「・・・・」
(王翦様お早く!)



王翦「亜光」
 
亜光「・・・」
「こちらの倍程度かと」

 
王翦「・・・」
「よいか?」

亜光「心ゆくまで」

王翦部下たちは戦闘の覚悟を決めた表情になる

「・・・」

「・・・くっ」

 
王翦軍は戦闘を開始する
王翦は血しぶきが飛ぶ中で、広げた地図の前に座り軍略を練る
1 (2)


ナレーション~
そしてそこから二日後
秦の見張り「ん!?」


王翦将軍と部下たちが

傷ついた鎧を身に着けて戻ってきた
1 (3)


~ナレーション~

列尾に戻った王翦は
連合軍の将校達に号令を下した
2 (2)

王翦「すでに気づいた者もいるかも知れぬが」

「昌平君の授けた鄴攻略の策はこの列尾で潰えた」


壁「!?」
秦軍兵たち「!?」「!?」「!?」


信「・・・」
蒙恬「・・・」
貂「・・・」
1 (4)

 
王翦「よって」

「この連合軍は“私の策をもって列尾を越える”」


信「!!」
貂 信 (王翦将軍の策で)
王賁(列尾を・・・)

蒙恬(越える・・・!)

王翦「つまり」

「ここからは」
3 (1)

「この王翦と李牧の知略の戦いだ」

1 (5)
緊迫した表情の信、貂、王賁、蒙恬

 

「全ての兵糧を持ち」

「全軍で出陣だ」

「・・・」

「鄴を奪うぞ」


ナレーション~
秦国連合軍 国門 列尾を越えて趙王都圏へ

全軍進撃開始!!


【趙 切城】
太行山脈山道にある小城
北西からの王都圏入口
閼与まで二日の場所

「鳥からの急報です」

「・・・何じゃとォ!?」


李牧(入ってきた・・・!?)
李牧は驚きを隠せず
1 (6)


(なぜ入ってきた王翦・・・・・・)
(脱出口のない包囲戦の先に勝機を見ィ出したとでも言うのか・・・・・・)

(もしそうだとするならば・・・・・・)
(それは完全なる読み間違いだぞ)
(王翦)

 
李牧(静かに!」


文官「!!」
李牧「聞いての通り 秦軍が列尾を越えたことでいよいよこれから本当に」

「趙秦両国の命運を占う戦いへと突入します」
カイネ「!」
傅抵「!」
カイネ「国の命運を占う戦い・・・」
李牧「前にも伝えたように秦軍の狙いは“鄴”です」

「もしあの鄴を落とされるようなことがあれば 王都邯鄲の喉元まで秦の刃が迫ることになり」

「大国 晋より分裂しておよそ百七十年続いた趙王国が滅亡する危機へと瀕することになります」

カイネ「!」
「趙(くに)が・・・」
「滅ぶ・・・!」


李牧「しかし」
「この秦連合軍を王都圏内で殲滅すれば秦は二十万という大軍と」

「今や大将軍級の王翦・桓騎・楊端和」

「さらにその下に連なる有能な武将達 全員を一気に失うことになります」
「それはつまり」
2 (3)

「あの秦王の“中華統一”という野望が潰えることに直結します!」
1 (8)

カイネ「!」
「秦は武力を以て趙を含む六国全てを攻め滅ぼし中華を統一する!!」という政の言葉を思い出す


カイネ「・・・」

李牧「そして結末は」

「間違いなく後者です」


「すぐに山脈西を南下中の扈輒将軍に列尾攻めの鳥を」

「王都圏の各軍にも同じく伝令を 包囲戦に入ります!!」
李牧部下たち「ハハァ!!」

 
ナレーション~

秦の野望も、理想すらも殲滅せんとする趙総大将・李牧。いよいよ両陣総大将同士の衝突が始まる!!?