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弱虫ペダル RIDE.445 『闘う6人!!』

◎6人全員を揃える箱根学園に対し、総北は…!?

観客

「来たぞ先頭!!」

「総北とハコガクだ」

「揃ってる!6人!! ガンバレ―――」

「いけ――っ」

「ガンバレー」

「いや よく見たら総北は4人だ 2人 足りない どうしたんだ」
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「4番と5番の3年がいないぞ」

 

今泉「………ヤバイな鳴子」

鳴子「何がいな」

今泉「このピリピリした空気だ――― 感じるだろう」

鳴子「残念ながら………メッチャ感じるわ!!」

ザワ ザワ

鳴子「箱根学園が今にもとびだして先攻しそうな空気だ!!」


今泉「この状況――オレたちは数的に不利

先頭に合流した時点で本来ならば箱根学園は とうの昔にオレたちを引き離しにかかってるはずだ

だが おそらく手嶋さんの犠牲で集団を止めたってのは向こうも認識してるんだ

それで泉田さんがチームに待ったをかけてる」

鏑木「! そういうことだったんすね!!

オレ内心”何で今いかないんだ ハコガク アホだなー”って思ってました!!」


今泉「フェアに……あくまでフェアに勝つつもりだ箱根学園は!!

しかし温情で待ったをかけられる時間はそれほど長くない」

鳴子「そろそろ来る思うたけど 手嶋さんたちどうやら何かで足止めくらっとる……!!

さすがにそれが来るまでのんびり待ってくれるなんてコトは」

今泉「ああ!! 絶対にない!!」

小野田「“足止め”…!!」

鏑木「……!!」

今泉「備えろ ヤツらの動きに合わせてオレたちは加速する」

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がしっと強くハンドルを握る今泉と鳴子

苦渋の決断を迫られて鳴子はギリっと歯を噛む


鏑木「あ――くっそ!!」

ガンっとハンドルを叩く鏑木

今泉・鳴子「!」


鏑木「くっそ!! やっぱり最後だったのかアレが!!」

小野田「鏑木くん…」

鏑木「て ことですよね?加速するってことは

先輩たちが何かに足止めくらって追いつかないってことは」
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「さっきのあれが 青八木さんと走る最後だったってことになるんですよね」

暗い雰囲気になる総北

今泉「そうだ 勝つためには仕方ない」

鏑木「オレやっぱバカです!!

オレ昨日 山で動けなくなって 青八木さんが助けに来てくれて

でもオレは青八木さんも千切れて落ちてきたと思ってて

ワケわかんない命令するし 妙ちくりんな歌 歌わせるし

何も仕事しないムチャクチャな先輩だって思ってました けど」


「昨日 寝ながら考えたんです わかったんです

もし自分が青八木さんの立場だったらどうだっただろうって考えてたら

オレなら助けにいかないですよ!確立低いし 地味だし 体力使うし」

鳴子(きっぱり言ったな)

 

鏑木「でもあの人は 何も言わず 誇らず 偉そうにもせず

しゃべらずやるんです 誰にも感謝されず それでもやるんです

有言実行ってコトバあるじゃないですか 言ったことを必ず実行するってヤツ ――あの人は

“無言実行”なんすよ…!!」


「だから最後に 最後に精一杯走って オレ ちゃんと」
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「すげー尊敬してますって 伝えたかった…す」



鏑木「さっき車のサインボードで広島と京伏が集団から抜け出てるってありました

それがもし追いつくことになれば 戦況は厳しくなるんすよね わかってます」

今泉「そうだ」

鏑木「いきましょう 前だけを見て!!」


がしっ
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鏑木の肩を掴む小野田

鏑木(小野田さん)

今泉(小野田)

鳴子(小野田くん)


小野田「あ…今の…今のは 伝えた方がいいと思う」

鏑木「え いや…そうすけど わかってますよ

けど今この状況でさすがにどう考えてもムリでしょう!!」


小野田「伝えよう 鏑木くん

ダメかもしれないけど 可能性は少ないかもしれないけど

“伝えたい”って思って――――」

鏑木(え 「思う」!?)


小野田「最後まで それが」

「信じるということだと思う」
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鳴子(カッカッカ 小野田くん

このギリギリの局面でも捨てるな言うんか “小さい思い”を!! 小野田くんらしいわ!!

確かに去年もそういう小さいの積み重ねて つないで ゴールまでもってったんやったな!!)

今泉(思い――か 思い出したよ 去年おまえを見てオレは確信したんだ)
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《想いは 届く!!》

 

今泉「は!! イキリ“思え” 小野田“先輩”からの ありがたいことばだ」

鏑木「あ はい」

鳴子「そうや めいっぱい“思え”」

小野田「いえ そんな大げさなものでは…」

 

ゴォッ
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ハコガク視点

新開「よくわかんないすけど ハネ上がりましたよ 総北のプレッシャーが」

泉田「…ああ!! そうだな」


小野田「信じましょう 来ます きっと お2人は!!」

鏑木「わっ かりましたァ!! 小野田さん!!

オレ“伝えたい”て思います

ギリギリの状況でも 全開で“伝えたい”と思います!! 青八木さんに必ず!!」

小野田「うん!! お2人が――足止めを 足止めをくらっていると いうことは

きっと全力で闘ってるってことだから!!」

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東村「しまった のこり800mで総北にいかれた ヤツらしかけてきましたァ!!」


続いて庭妻と浦久保も飛び出していく

東村「え 浦久保さんと庭妻さんも即反応!! もう前に!!

速い 読んでいたんだ!! 総北の動きを!!」
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青八木たちの追いつき横に並ぶ

手嶋「く!! うそだろ並ばれた」

青八木「………!!」

手嶋「く……!!橋に入る!!」


東村「のこり600m!!この時点で並んどるということは

広島が完全に有利な状況です!!」


手嶋(この橋の直線が終わったら勝負がきまる あのラインで!!

その手前までに100mの差をつけたいんだ

オレがスプリントを開始する手前までに!!

100m手前でスプリントを開始するとして―――――

残り500mで100mの差をつける…そんなこと―――)
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浦久保「できんぞ手嶋くぅん!!」

手嶋「ぐ!!」


浦久保「いろいろ策をめぐらせとる目じゃ 考えとったか勝つ方法を

どれもムリじゃ!! 差をつけることはできん!!

おとなしくワシとスプリントやろうや手嶋くぅん!!

キミに万が一にも勝ち目がないスプリントを!!」

庭妻(総北―― 残念じゃが優策は”天才”じゃ

優策に狙いつけられたら逃げられんのじゃ ワシらの勝ちじゃ!!)


「のこり500m」


手嶋「青八木ィ!!」

青八木「……純太」

手嶋「どうやら全力で……この勝負

最後はどうやら全力でただスプリントするしかなさそうだ すまねェ

オレがもし負けたら おまえだけでも全開で走って この先のチームに合流してくれ…

絶対にふり向くなよ 青――――」

青八木「………!!」
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脚をおさえる青八木

手嶋「え (青八木――――) ………うそだろ…!!」

 

「のこり400m!!」


◎痛み出す青八木の脚。総北、絶体絶命……!!