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ゴールデンカムイ 第118話 『尻拭い』
養豚場での門倉部長と新入り
門倉「おう新入り・・・」
「そっちの奥に木箱があるから外に運び出しておいてくれ」
「刀はそこに置いていけ 足に絡まって転んだらブタのクソまみれだぞ」
新入り「はい」
刀を外し、立てかける新入り
新入り「木箱はこの奥ですか? 門倉部長」
門倉「行けばわかるよ」
新入り「どれのことですか?」
「もっと奥にあるんですか?」
新入りが奥に進むとハンマーを手にもつ囚人が。
新入り「・・・・・か」
「門倉部長!!」
「門倉部長どこですか?」
(あれ? 僕の刀が・・・)
陰に身を隠す門倉
囚人
「『苦しませるな』と言われてる・・・大人しくすりゃ一発で仕留める」
囚人に肘鉄を見舞い、ハンマーに手をかける新入り
そして、もう一人の囚人をハンマーで殴る
最初の囚人の後頭部もハンマーで殴り、血しぶきが飛ぶ
門倉「うえぇ!?」
新入り「ふう・・・」
「門倉部長~?」
門倉(おいおいマジかよ)
(アイツめちゃくちゃ強いじゃねえかッ)
(勝てない喧嘩はしない主義だぜ俺は)
その場を足早に去る門倉
新入り「まいったなぁ」
「みんなにバレちゃってるのかな?」
庁舎に戻る新入り
庁舎見張り「どうした?新入り」
新入り「養豚場で転んじゃいまして 着替えてこないと・・・」
見張り「ドジだなぁ」
「あと少しで俺は交代だから戻ってくる時は自分でそいつに説明しろよ?」
新入り「はい わかりました」
見張りの持つ銃に目をやる新入り
(ロシア製のモシン・ナガン)
(奥にマキシム機関銃も見えたぞ)
(こんな重装備の看守は網走監獄だけだ)
(監獄の経費で揃えてるはずはない)
(武器の購入資金は一体どこから?)
新入り「門番はまだ僕の正体を知らなかったみたいだ」
「ヨカッター」
「でもここでもっと調べる事があったのになぁ・・・ 門倉部長を見くびっていた・・・」
「鶴見中尉殿に叱られてしまう」
(ハァ~)
犬堂に報告をする門倉
門倉「言われたとおりあの新入りはブタに食わせました」
「意外と抵抗激しく新入りも囚人たちもそれぞれが瀕死のところを
わたしが間に入ってきっちりカタをつけました」
「新入りは『行方不明』 囚人ふたりは『喧嘩の末の同士討ち』で処理しました」
犬堂「・・・門倉部長 ここに来て7年だったか?」
「私はずっと門倉が金玉の伸びきった腑抜けタヌキと思っていた
『役立たず』を辞書で調べたら『門倉』が出て来ると・・・・・」
「だが今日は ほんの少しきさまに対する評価を改めよう」
犬堂「チンポだかデベソだかわからん短小男だと7年間思っていたが・・・
門倉「うちに帰って赤飯炊きます」
場面が変わり、郵便局の鍵を開ける職員
兵士「もし 郵便局員の方でしょうか?」
郵便局員「はあ・・・何か?」
兵士が人影に気付く
人影は夏太郎だった 兵士を銃撃する夏太郎
夏太郎「あの反応・・・間違いなく俺を小樽からつけていた兵士の残りのひとりだ」
場面が変わり、【釧路新聞社】
石川啄木「それで・・・私にどのようなご用向きでしょうか?」
永倉「活きの良い遊軍記者を探していてね」
ナレーション~
土方「日露戦争を境に・・・日本の新聞は大きく変わった」
ナレーション~
場面が変わり~
アシリパ「この湖は昔からペカンペが沢山採れることで有名だ」
「秋になって実が熟したらどっさり採って冬の保存食にする」
杉元「すげえトゲ」
アシリパ「にんじゃ?」
杉元「へえ美味しそうだね」
アイヌ男「もうすぐペカンペの収穫時期だが 採っても『奴ら』に全部奪われるかもしれない」
門倉「そりゃどうも では記念日ですね」
犬堂「チンポだかデベソだかわからん短小男だと7年間思っていたが・・・
きさまはそうでもなさそうだ」
門倉「うちに帰って赤飯炊きます」
場面が変わり、郵便局の鍵を開ける職員
ひとりの兵士が話かける
兵士「もし 郵便局員の方でしょうか?」
郵便局員「はあ・・・何か?」
兵士「急ぎで電報を送りたい 昨日の夜から開くを待っていた」
郵便局員「はいはいただいま・・・」
兵士が人影に気付く
(・・・どうしておまえがここに)
人影は夏太郎だった 兵士を銃撃する夏太郎
そして馬でその場を去る
夏太郎「あの反応・・・間違いなく俺を小樽からつけていた兵士の残りのひとりだ」
「『報告のために一番近くの郵便局へ駆け込むはず』という予想が大当たりだ」
「自分の尻拭いはしっかりやったぜ」
「土方さん褒めてくれるかな」
場面が変わり、【釧路新聞社】
土方と永倉が石川啄木と向き合う
石川啄木「それで・・・私にどのようなご用向きでしょうか?」
永倉「活きの良い遊軍記者を探していてね」
「小樽の新聞社であなたの噂を聞いた」
「良い文章を書く若者がいま釧路の新聞社にいると聞いて寄ってみたんだ」
ナレーション~
遊軍記者とは状況に応じて臨機応変に動き回る何でも屋の記者のこと
土方「日露戦争を境に・・・日本の新聞は大きく変わった」
「今の時代刀で脅しても国民は動かん そうだろう?」
「石川啄木さん」
ナレーション~
『一握の砂』で有名な歌人・詩人の石川啄木は明治末期に
函館・札幌・小樽・釧路などの道内の新聞社を転々と勤務していた
場面が変わり~
釧路から北へ約三十キロ 【塘路湖】
アシリパ「この湖は昔からペカンペが沢山採れることで有名だ」
「ペカンペ」
「『水の上にあるもの』という意味で菱の実のことだ」
「ペカンペがあるから湖の周りにはアイヌの村がいくつも出来た
村同士で争いが起きたほど貴重な食べ物なんだ」
「秋になって実が熟したらどっさり採って冬の保存食にする」
杉元「すげえトゲ」
「乾かしてカチカチになったのを昔の忍者はマキビシに使ったんだよな」
アシリパ「にんじゃ?」
アシリパ「乾かして保存しているペカンペは皮を剥ぎ 中の白い実をひいて団子や餅にする
採れたてのものは塩ゆでにしてご飯に混ぜて食べる」
「栗みたいでホクホクして美味しいんだ」
杉元「へえ美味しそうだね」
アイヌ男「もうすぐペカンペの収穫時期だが 採っても『奴ら』に全部奪われるかもしれない」
「みんな不安に思っている」
ナレーション~ 彼はフチの二番目の姉の息子である
杉元「『奴ら』って他のコタンの人たち?」
白石「なにもんだ?そいつら忍者か?」
アイヌ男「奴らは全員目が見えない 盲目の盗賊たちなのだ」
銃を構えた奇妙な入れ墨の男が入ってくる
杉元(来た・・・!!)
アイヌ男「違う・・・最近このあたりに現れる盗賊だ」
「真っ暗闇の中を松明も灯さず森を抜けて襲ってくる」
白石「なにもんだ?そいつら忍者か?」
アイヌ男「奴らは全員目が見えない 盲目の盗賊たちなのだ」
「襲われた時にラッチャコの灯りで姿を見た者がいる」
「そいつら盗賊をまとめている頭目の身体には奇妙な入れ墨がある」
銃を構えた奇妙な入れ墨の男が入ってくる
杉元(来た・・・!!)
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