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MAJOR2nd メジャーセカンド 第96話 『ボイコット』

新入部員との練習試合から一夜が明け…

大吾「じゃあいってきまーす。」

薫「気をつけてね。」


大吾と泉が廊下で顔を合わせる

大吾「あ、おはよ姉ちゃん。」

泉「おはー。今日はまたいつもより一段と早いのね。朝練?」

大吾「うん。新一年生入ったからキャプテンは忙しいよ。」



泉「一年生、何人入ったの?」

大吾「とりあえず5人入ったよ。それもスポーツ推薦で

南陽ライオンズから来た、結構うまい連中でね。」

泉「へえマジで!?名門じゃん。」



大吾「なんでもその彼らの監督もいっしょに風林に来てくれるらしいよ。」

泉「監督も!? へえーよかったじゃん。

あたしもOGとして心配してたけど…ちゃんと学校側も野球部のこと考えてくれてたんだ~~」

大吾「うん」

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泉「そっか~~しっかりやるのよ大吾!!

風中野球部のこれからは、あんたにかかってんだからね!!」


大吾「姉ちゃんさあ……」

泉「?」


大吾「俺もう中2だし……ちょっとは控えてくれないかな。」
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泉「いやーん♡」

大吾「いってきまーす。」




夜9時就寝、朝5時30分起床

6時に家を出て、風林中学までの高低差のある

道のり約10kmを、自転車で30~40分――

初めこそきつかったけど、膝や腰に負担の少ない

有酸素運動は、ウォーミングアップがてらにちょうどいい。



平日は7時から8時15分まで毎日朝練。

放課後はもちろん、土日も練習。

中学に入って一年間、ほぼこの風林中野球部の

基本的なタイムスケジュールに従ってきた。

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部室から女子部員達が出て来る

大吾「うわっ!みんな早いね!」

睦子「おはよー。」

弥生「おそいぞ大吾!」

大吾「もう来てたんだ!」


弥生「今日から一年生も来るからね。」

睦子「先輩が遅れちゃマズいっしょ。」

大吾「丹波さんは?」

もうすでにグラウンド内に入り素振りをしている丹波さん



大吾「さすが。」

太鳳「情熱だけは人一倍なんだよね、情熱だけは。」

睦子「太鳳!」



関鳥「あのさあみんな、はりきってるとこ水差して悪いけどさ………

あいつらちゃんと朝練に来ると思う?」

大吾「え…」


関鳥の言葉に不安な雰囲気が漂う


ノック練習中~
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投球練をする睦子

キーン コーン(学校のチャイム音)

睦子「仁科君!!」
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階段の上から怒鳴りつける睦子

仁科「あー先輩、おざま――す。」

睦子「おざますじゃない!!

どういうこと!?朝練あるって昨日ちゃんと言ったよね!?

なんで来なかったのか説明して!!」


仁科「ああ……すみません寝坊しちゃって。」

睦子「そんなわけないでしょ!! 一年生全員来てなてないのに!!

昨日キャプテンとガッチリ握手したのはなんなの!?

なめるのもいい加減にしてよ!いつまでそんな反抗的な態度とるわけ!?」

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仁科「別になめてないですよ。ちゃんと敬語でしゃべってるじゃないスか。

ただ俺らはちゃんとした指導者の元で動きたいだけですよ。

信頼できない練習メニューでケガしたりしたくないんでね。

ちなみに俺ら午後練も出ませんから。もうすぐ監督が来たらちゃんと出ますよ。」



キーン コーン(放課後)

大吾「え!? 午後練も来ない!?」

睦子「そうなのよ!監督の指導以外は受けたくないって!

ふざけてるでしょあいつら。」

弥生「こじらせてんね――」

太鳳「どこまでもかわいげのない一年生だこと。」


大吾「監督か…彼らがそれほど信頼してるって、やっぱり相当優秀な人かな。

まあいいよ、そう言うなら無理強いしてもしょうがない。

その新監督さんが来るまでは、俺らだけでやろう。」

睦子「ぬるいなあ大吾は。」



ガチャ(部室の扉が開く音)

丹波「おお、みんないるか!!」

睦子「丹波さん。」

丹波「顧問の山口先生が話があるそうだ!!

一年生の連中も集まってる!」

「え!?」

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顧問の山口先生


千葉「………」

顧問の山口先生を見て千葉はコソコソ話し出す

千葉「おいおい野球の経験も興味もなさげなこのおばはんが顧問だって?」

北大路「いいんじゃね。ちゃんと別の監督っていう専門職がいるから。」

大吾「先生!!」

グラウンドに慌てて集まってくる上級生組


大吾「なんですか一体…!?わざわざみんなを集めて…」

山口「野球部員はこれで全員なのかしら。

あなたがキャプテン?何君だっけ。」

大吾「し、茂野です!(覚えてくれてないのか…)」


山口「えーと…あたしは顧問になって日も浅いし、

ちょっと野球部のことはよくわからないんだけど――――

校長から緊急報告があったので、それを伝えにきました。」

睦子「緊急!?」


山口「近いうちに我が校の野球部監督に就任する予定だった国友監督は―――――

諸事情によりうちには来られなくなりました。」

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山口「代わりの外部指導者については、なるべく早く手配したいと思っていますが―――

当面は選手のみんなでがんばってください。」

仁科(はあああ――――っ!?)


■まさかの展開に、仁科たち一年生は――?