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弱虫ペダル RIDE.460静かなる侵撃

◎先頭を追うチームが一つ…!!

「先頭を追って追走来たぞ」

「おおお」 「いけぇ」

「3人!!」

「どこのチームだ」

「紫のジャージ」

「京都伏見だ!!」



■先頭へと忍び寄る強大な影!! チームを引くのは…!?

御堂筋はぐるう~ん ビシャアア じゅるるんっ と舌を出している…

御堂筋「ほぅら  もっとォ 全開で引きや!! 水田くぅん!!」
1

水田「(くっ プレッシャーでうしろの御堂筋くんが大きく感じる)

うおおおおおお(きつい 苦しい!!)もう精一杯やっとるよ!!」

御堂筋「もっとや!!」
2

水田「うあああああああ」

ギャラリー達

「けど先頭とはまだ差があるぞ」

「ここから追う気か」

「だから必死の形相なんだよ きっと」

「先頭走ってるのはキャプテンだ!! 追いつくために」

「きっと率先して献身的にチームを引いてるんだ!!」



水田(オカしいやろ!! 絶対!! このオレがなんでこんな平坦で引いとるんや!!)



京都伏見のミーティング――

御堂筋「明日 最後のステージ 水田クゥン キミはボクゥに はりついといてや」

水田「! え おう!!」



水田(昨日のミーティングではりついとけ言うたんは

昨日の山岳賞2位の実力を見込んでオレに この3日目の

山岳賞 もしくはゴールを

オレにまかせる意味やなかったんか!!)

「いけ!」

「ガンバレ京伏!」

水田(くそくそ こんなところでオレが力使うてどうするんや

3年やぞ キャプテンやぞ 小鞠やろォここは!!

1年の小鞠にやらせればいいんやこんな役!! 御堂筋クン!!)

御堂筋「もっとやよ?水田クゥン」

水田「ハッ ハッ ハァ ハァ ハッ ここは小鞠やないんか!!」

御堂筋「ないよ?」

水田「ゲフッ ゴフッ ハァ ハァ ないんか!!」



水田(こいつ… さては… わかったぞ そういうことか

やってもうとるな こいつ!! 戦略ミスったな!!
3

考えてみればおかしいところだらけなんや このレース

集団使うて 先頭近くまで追いついて

オレたちは広島と一緒に集団からとびだしたんや

けど広島は“大物を潰してから来る”いうて)


浦久保《4番が下がってくるのが見えたヤツらあがってくる いくぞ庭妻!!》



水田(一旦 下がっていった

広島が下がった時点で加速すれば まだ先頭に追いつけたんや

なのに順航――――

それどころか それどころかや!!

あとであがってきた

あの総北の2人までも 前にいかせたんや!!)



水田《追わんでええのかヤツら 御堂筋クン!?》

御堂筋《………》

水田《あいつらチームに合流してしまうで!?》



水田(それでこのザマや!!

必死で追わないかんくらい差つけて

ワケのわからん小鞠 擁護して

結局 オレがこんなところで消耗せんといかんくなったんや!!)



水田はギラッと御堂筋を睨みつける

水田「ボロが出たなおい 御堂筋」

ん?って顔をする御堂筋

水田「2日目優勝して満足したか?

オレらをうかれとる いうて全員ボーズにして

結局 一番うかれとったんは おまえやったんやな!!」

御堂筋「プア?」

水田「出たな 得意のオトボケ

プランあるのか思うて今まで黙っとったけど

もうガマンできんわ はっきり言うたる

小鞠 おまえもよう聞いとけ!!

オレが―― この京伏キャプテン水田信行が衝撃予告をしたる!!

これ以上どんなに走っても前のヤツらには

オレたち京伏は はっきり言って追いつかーん!!
4

この男 御堂筋は リーダー風ビュービュー吹かせて

戦略ミスをやってもうとるんや!!」

小鞠は白い目で水田を見つめる

水田「そうかそうか 小鞠も驚きのあまり声も出んようやな!!

くやしいか 悲しいか しかーし これが現実や!!

小鞠 おまえは昨日のスプリントで2位やった なのに

この平坦で温存させるて

わかるやろ 昨日のことでこの男はすっかり判断力にぶっとるんや!!」

御堂筋「言いたいこと だいたい言うた?」

水田「!? あ!? いいやまだや!!

総北の4番 5番の時!! オレは「追おう」と言うた!! オレは言うたんや

あの時が決定的瞬間や

あの2人を前にいかせて総北を合流させた時点で

おまえのミスは取り返しのつかんことになっとるんや!!
5

ここから先は小鞠!! オレがリーダーとなって2人で ぶっ」

御堂筋は水田の口を塞ぐように顔面を掴む

御堂筋「おしゃべりはもうええかな?順航速度下がっとるよ?」

水田「ぐ…ぶ」

御堂筋「キミの役目はボクゥを引くことやよ?それとザァンネンながら」

水田(え!?)

御堂筋「キミの浅い予想ォ…ププ

あの時ィ 総北の2人ィ…ヤツらをいかせたのは ププ

わざとやよ?」

水田(え!? ……!? ちがうんか!? ミス ちゃうんか!?
6

今 この先の先頭に―― 総北とハコガクがおるのは!!)



場面は先頭集団へ――
7

今泉「箱根学園四撃目!! 葦木場さん出ます!!

くっそ どこまでやる気だよ!! おおおお」

手嶋「小野田は一旦下がって休め!」

小野田「はい」

手嶋「鳴子出ろ」

鳴子「はいな!! 行かせへんわボケェ!!」

鳴子は葦木場の前をブロックする

鳴子「特におまえはなノッポォ!!」」

黒田「チィッ しつこない本当に!! 総北ゥ!!」


御堂筋「あの場であの2人を脚を使って止めることはカンタンなことやった

けれどォ やるべきことは勝つゥこと

ロードレースにおいて最も恐れる状況は

一強――――

ひとつの強いチームが先頭を走って

完全にレースを支配する状態!!

けれどボクゥら3人の力では分が悪い

だからボクゥはあの2人のチームとの合流を容認した

そうなればヤツらはカクジツゥにハコガクを追う

“一強”に誰かが追いつき他勢力が入ればァ ブプ

荒れる 乱れる チャンスが生まれる!! 必ず!!
8

心配せんでもォ…… この“航海”」

水田「う ひ」

御堂筋「順調やぁぁ!!

さぁ前向きや 二度とふり向かんでええ

おしゃべりもいらん 前だけ見てまっすぐに

全身全霊使って限界まで ボクゥらを引きやぁ!!」

水田「お…おう!!」


「京伏が山に入るぞ」

「第3のチーム!!」

「ガンバレー」


水田「え…ボク『ら』? て 小鞠…小鞠は!?」

御堂筋「キミィは この最初の登りの終わりまででええよ?」

青冷めた表情になる水田…

御堂筋「あとは2人でいくからぁ!!
9

もう少ししたらとびだすよ?小鞠クゥン」

小鞠「ええ わかりました 御堂筋さん」

御堂筋「この先の道の先にはキミの心から望むものがあるよ?」

小鞠「ボクの… 心から望むもの… …ああ 筋肉(にく)ですね!!」


◎攻撃の機会を窺い、静かに狂気をのぞかせる!!