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ゴールデンカムイ 第136話 『最後の侍


「止まれッ 誰か来る」
白石が複数の人影を発見し、建物の陰に隠れながらアシリパを制する。
1


見えてきたのは谷垣、インカラマッ、牛山、夏太郎の姿だった。


みんな揃って正門に行き、待機している白石達の元へさらにキロランケが合流する。


アシリパが開口一番キロランケに、杉元は? と問い質す。

キロランケは杉元を舎房から出したが、その後はのっぺら坊を連れてきて必ずアシリパに会わせるべく、ひとりで教誨堂へと向かったと報告する。
2


教誨堂には土方と犬童もいると言うキロランケの言葉に夏太郎が助太刀しなくては、と牛山に呼びかけながら走り出す。


待てといいながら夏太郎を追う牛山。


さらにその後を追おうとするアシリパの頭をキロランケが掴む。
「お前は言ったらダメだ」


アシリパはキロランケを見上げながら、でも、ともどかしそうな表情で訴える。


谷垣がふと傍らを見ると、インカラマッが外壁に備え付けてある梯子を上り始めている。
「インカラマッ!?」
3


インカラマッは、梯子は屋根の雪を下ろすために登るための梯子で、高所から見下ろせば確認できるかもしれないと説明し、梯子をどんどん登っていく。


屋根に登ったインカラマッが辺りを見回す。
4


介錯

教誨堂。

犬童が土方の前に跪いて握りこぶしを固めた両腕で土方の腹にもたれかかってうめき声を上げる。


犬童が土方の服をポケットに手を入れるようにして掴んだために、ポケットが破れ、そこからアシリパの写真が床に落ちる。
5


土方は崩れ落ちる犬童を静かに見下ろしている。

犬童が手を降ろし、土方と繋がっている鎖が音を立てる。
その腹からは床に向けて内臓が飛び出ている。


「やれ」
床に跪き俯いたまま、犬童は一切取り乱すことなく静かに土方に介錯を頼む。
「最後の侍…」
6


土方は無言で犬童の首に向けて刀を振り下ろす。
その切り口は見事に皮一枚を残し、犬童の首が床に落ちる。


杉元、本物ののっぺら坊との邂逅

二階堂を連れて行った第七師団兵から姿を隠していた杉元が床下から這い出る。
その目の前には杖をつき膝をついている囚人の姿。


照明弾が降り、のっぺら坊の顔が照らされると、杉元はその目が青い事を確認する。
7


膝歩きで杉元からゆっくりと離れていくのっぺら坊に、背後から杉元が声をかける。
「これが何かわかるか?」
杉元の右手にはアシリパから預かっていたメノコマキリ。


振り向いたのっぺら坊が答える。
「アシリパのマキリ…どうして…それを持っている?」


やっぱりか、と杉元は確信する。
「やっぱりのっぺら坊はアシリパさんの父親だったのか…」
8


のっぺら坊は杉元にアシリパがここに来ているのかと問いかける。


「来いッ」
杉元がのっぺら坊の囚人服の袖を掴む。
「全部話してもらうぜ」


のっぺら坊は袖にかかった杉元の手を払いのける。
「金塊……知りたければアシリパを連れて来い」


「金塊?」
杉元は、それも聞かせてもらうけどよ、と断り、あんたにはずっと言いたいことがあったと先を続ける。
「本当はなぁ…あんたをアシリパさんに会わせたくねえよ!!」



杉元は、アシリパが、もし本当にアイヌ殺しと金塊強奪をやってのけたのっぺら坊が自分の父親だったらどうしようと怯えていたと指摘する。
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そして、なぜ土方に直接金塊の在り処を伝えずに「胡蝶部明日子」という和名を土方に教えたのか、独立云々でどうしてアシリパを巻き込む必要があった、とのっぺら坊を指さし声を荒げる。
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「…未来を託すため」
のっぺら坊が口を開く。
「アシリパは山で潜伏し戦えるよう…………仕込んだ」
「私の娘は……アイヌを導く存在…」
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アイヌを導くだって? と杉元が呼吸を荒くしながらも反応する。



土方歳三が新聞記者(石川啄木)にアシリパの事について書かせるつもりであることを白石から聞いたという杉元は堰を切ったようにのっぺら坊に言い募る。


「新聞を使って世論を誘導しアイヌの独立運動にアシリパを利用する気か?」


「アメリカ南北戦争のように北海道と内地は下手すりゃ戦争だ」


「あの子をジャンヌ・ダルクにでもしようってのか?」


その頃、舎房では第七師団と囚人たちとの戦いの趨勢がほぼ決していた。
火事の煙が房内を満たしつつある。
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「どうしたこっちは遊び足りんぞ!!」
囚人の死体に囲まれながら鶴見中尉が逃げ始める囚人たちに向けて叫ぶ。
「有坂閣下の『坊や』に挨拶しろ!!」
膝をつきながら、囚人たちに向けて銃口の狙いを定めた機関銃を発射する。


ついにアシリパとのっぺら坊が……

「あの子を俺たちみたいな人殺しにしようってのか!!」
杉元がのっぺら坊の囚人服の襟を掴んで訴えかける。

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大義はご立派、誰かが戦わなくてはならないかもしれないが、それはアシリパではなくてもいいだろう、と言う杉元。
「アシリパさんには…山で鹿を獲って脳みそを食べてチタタプしてヒンナヒンナしていて欲しいんだよ俺はッ!!」


「シサムよ…あの子に随分と仕込まれたようだな…」
のっぺら坊が静かに口を開く。


そして、杉元を見据えていた青い目が高所の何かを視界に捉える。
「あの着物は…」
のっぺら坊が見つけたのは屋根の上で辺りを見回しているインカラマッだった。
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同時に、インカラマッも赤い囚人服と一緒にいる杉元を見つける。
「アシリパちゃん上に来てくださいッ のっぺら坊と杉元ニシパがいますッ」
大声で地上のアシリパ達に知らせるインカラマッ。
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「どうだ見えるか?」
杉元はのっぺら坊の目に自身の双眼鏡を当てて屋根の上を確認させていた。


「…………インカラマッ」
一言だけ口を開くのっぺら坊。


土方は負傷した肩の血の止血の為に、二の腕に巻いた布を絞っていた。
駆けつけた夏太郎と牛山に向けて、のっぺら坊が近くにいるはずだ、探せと命じる。
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インカラマッと同様に屋根の上に登るアシリパとキロランケ。

アシリパは大きくなる自身の胸の拍動を感じながら双眼鏡を覗く
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