キングダム

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    キングダム 第541話 『予言の地

    1

    新たに加勢した趙軍一万の大軍勢。かつての三大天・藺相如を支えた最強の刺客達!!
    2

    中央からの援軍だ。一万もだぞ。オオ。よォし今日で秦右翼を叩き潰すぞォ。

    塩殿、あの援軍は。

    ああ。

    三日目にして李牧様は早くも尭雲様を送られたのか・・・。

    よく見ておけ若造共。尭雲様の周りを囲う騎兵の姿を。


    他とまとう空気が違おうが。あれが正真正銘の尭雲様の直下兵団「雷雲」。数は二千程に減れど、噂では領地内の練兵で当時の精強さは保たれていると。つまり、あれこそ現存するあの廉頗と肩を並べた「幻」の三大天藺相如の「軍勢」だ。
    3

    幻!?

    ああ「幻」だ。


    三大天 藺相如は実力絶頂の時、突然 病に伏し、そのまま絶命した。
    4

    秦の六将、魏の火龍、そして趙三大天。天地を震わせた英傑達の乱舞の主役のお一人が何と病であっけなく姿を消した。その儚さ切なさに藺相如様はまるで「幻」のようなお方であったと・・・。


    そしてその時、誰より深く悲しみにくれたのが・・・尭雲様だ。その慟哭は邯鄲中の人間が聞いたという。
    5

    塩様、しかしたしか藺相如様の将は十人いたと・・・。

    ああ。いわゆる「藺家十傑」だ。

    藺相如様が病死した後、八将は殉死するが如く無理な戦場に身を投じ、壮絶に戦死した。

    相如様の死後、矛を置き、戦場から離れ生き残ったのが尭雲様と趙峩龍様・・・・・・。


    相如様が息を引き取る時、戦場から駆け戻られ左右の手を握っていたお二人だ。
    6

    えっ!?

    そのお二人だけが戦場から去り生き残ったと・・・・・・。

    それは何か相如様から伝えられたからでは?

    そう考えられておる。だがそれが何だったのかは当のご本人達にしか分からぬままだ。

    とにかくその尭雲様と趙峩龍様がこの大戦に参戦して下さったのは何より心強いことであるし、今 同じ戦場にお二人が並び立たれるとなると正にかつての・・・

    あっ


    尭雲:こうも早く呼ばれるとは予想外だ。

    趙峩龍:俺も予想外だった。
    7

    尭雲:お前に予想外があるのか峩龍。

    趙峩龍:王賁という若き将が。それだ。

    尭雲:敵は亜光と思って来たが、それだけではないと・・・。

    趙峩龍:「格」はまだはるかに亜光は上だ。だが、間違いなくいずれ王賁が追い越す。それが三年後か明日・今日の話かもしれぬ。王賁は・・・
    8

    尭雲:まァいい。相手のことよりまずは己だ。見えざる敵を相手に練兵はしてきたが実戦は久しぶりだ。それこそ本気の戦いとなると十数年ぶり。

    趙峩龍:まずは汗を流すと。

    尭雲:そういうことだ。

    趙峩龍:フッお前らしいわ。了承した。


    尭雲:気付いておるか峩龍。この地こそ偉大なる主が最後に我らに預言された朱海平原だ。
    9

    10


    趙峩龍:そうかあれは本当に・・・そういうことだったのか・・・


    どうなされました趙峩龍様

    なっ何だあの軍はっ
    11

    中央から来た新手のっ・・・

    バカな前列が粉々にっ・・・

    す・・・凄まじいな
    12

    フッどこが汗を流すだ。

    「雷雲」・・・め。全く衰えておらぬぞ。

    趙峩龍:あれは我々の殉死を止める・・・死の際の虚言とばかり・・・

    藺相如:二人共、俺を追って死ぬことは・・・許さぬぞ。
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    殿・・・意識が・・・

    藺相如:夢を・・・見た・・・お前達二人が・・・朱き地に勇ましく立ち、大いに敵を屠っておったわ。二人にはまだ・・・役割が残っている。故に絶対に俺を追ってはならんよいな。

    尭雲・趙峩龍:ハ!!

    藺相如:フッ尭雲。その時は・・・朱き平原を・・・・・・敵の地でさらに深き朱に染めてやれ・・・・・・
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    キングダム 第540話 『消耗戦

    敵将・舜水樹の放った火矢は、秦軍の生命線を無常に焼き尽くす。

    ロゾ:地下道?
    1


    舜水樹:とぼけるな。趙国内にあるが、この遼陽城は趙にとっては治外法権のいわば「異物」。抜け目のないお前達なら対趙国有事のために地下に脱出経路を張り巡らしているはずだ。

    ロゾ:仮にあるとしてなぜそれを今聞く?よもや貴様にそれを教えよと?

    舜水樹:一つだけでいい。

    ロゾ:どの一つだ?

    舜水樹:楊端和軍ではない方の秦軍の「食糧庫」は地形と軍配備から読んでこのあたりの森林の中にある。
    2

    ロゾ:フッお前の読みによるとか・・・そこはラゴの森という。

    舜水樹:森は広く包囲守備をされている。でいればその近く欲を言えばその内側に出る地下道はないかロゾ。

    ロゾ:呼び捨てか。大将は私だ。だが李牧でさえ儂をロゾ王と呼んで喜ばすぞ。

    舜水樹:ではロゾ王あるか?

    ロゾ:フッ一帯で最も大きいラゴの森は脱出路の出口としては最適な場所の一つ。故にあるわ森のど真ん中に抜け出る地下道が。

    ロゾ様あの銀髪の男・・・

    ロゾ:ああ。うまくやりおったようだな。フン舜水樹め。ますます戦りやすくなったではないか。すぐに夜明けだが少し寝るぞ。起きてからの秦軍の顔が見物だブハハ。



    楊端和:壁・・・どれだけ失った?
    3

    壁:兵糧庫は二か所に分けていたので・・・ちょうど半分です・・・。

    メラ族 族長カタリの妹キタリ:何だって兄者

    メラ族 族長カタリ:半分だと

    妹キタリ:はァ!?

    楊端和:戦の最中だ。将軍なら下を向くな壁。今回はたまたま敵の地下道出口がそこにあっただけだ。お前に落ち度はない。兵糧は山の民のを分けるから心配するな。この辺は山も多い。自給できる分も少しはあるはずだ。

    壁:めっ滅相もありません。援軍に来ておいて逆に兵糧を取ってしまうなど・・・失った分は我々で何とかします。すでに鄴を包囲中の桓騎将軍の元へ伝者を飛ばしています。向こうも大変でしょうがとにかくわずかでも兵糧を送ってもらうように・・・。

    キタリ:何だって?兄者

    カタリ:桓騎軍から兵糧を送ってもらうと

    キタリ:は?桓騎ってクソヤローなんだろ?来るわけないだろそんなの。

    楊端和:とにかく甲冑を着てこい壁。すぐに三日目が始まるぞ。

    壁:はい・・・

    楊端和、あいつの軍に我々の兵糧もけっこうな量預けてたはずだ。それがその半分を失ったとなると正直笑えぬぞ。

    楊端和、遼陽の戦い方、根本から考えなおさねば間違いなく我らは大敗全滅するぞ。

    楊端和:分かってる
    4



    ナレーション:三日目、壁は未明の失態を挽回せんと先陣に立ち、大いに攻撃に出た。

    壁:第一隊突撃だっ。第三隊は右から入れ。今日は我らの力で勝利に導くぞ。
    5

    オオ

    ナレーション:だが、この勇猛は大いに空回りし、壁軍は犬戎軍の受けの戦術にはまり、大打撃を喰らうことになる。

    ブハハ。バカがガキのように突っ込んで来たぞ。

    四方から切り刻むぞっ。

    ナレーション:一方、兵糧を送ってもらうべく桓騎軍に向けて放たれた伝者達は
    6
    遼陽・鄴間にはられた趙軍の網にかかり、全て絶命した。

    秦三軍の通った道はすでに分断され、それぞれが点の存在になっていたのである。つまり壁からの伝者が桓騎の元に届くことはなかった。
    7



    朱海平原
    8

    松琢:どうしてずっとにらみ合いを?

    宮康:昨日の勢いのままさっさと始めた方がいいのになー。

    松琢:オイラもそう思うな。向こう三万こっち二万五千で始まった右の戦場も昨日ので戦力はひっくり返ってるはず。そして何より戦力の差以上に士気の差が広がっている。たたみかけるなら今なのに。

    関常:夜明けと共に李牧が手を打ったんでうかつに動けんのさ。

    宮康:李牧が・・・手を・・・

    松琢:どんな手を?

    関常:別に驚くような手ではない。物見の報告ではそろそろ着くはずだ。

    宮康:ん?

    松琢:あっ


    関常:中央軍から新手の援軍 一万だ。
    9

    松琢:たしかに下手に始めてなくてよかった・・・。

    関常:しかし三日目で早くも一万も援軍を送るかよ・・・・・・。おかげでせっかく上がっていたこっちの士気が一気に下げられたぞ。またふり出しに戻しやがって。


    王賁:いやこれでいいのだ関常。聞けィ玉鳳の兵達よ!!
    10


    この戦いの勝者は相手の中央軍を叩きつぶした側だ。
    今 大将 王翦と敵将 李牧は両翼の戦いを優勢にし相手が中央より援軍を送ることでその中央軍を瘦せ細らせる戦略をぶつけ合っている。
    つまり、今 敵の中央から一万の援軍がこの地に届いたということは中央軍の一万を削ったということだ!!
    11

    この形で削り続け、中央軍同士の戦力さが開いた時、王翦中央軍が出陣して勝負を決める。その時まで右翼は勝ち続ける。
    何千何万と援軍が来ようが望むところだ。それが俺達の「役割」だ。
    中央軍の・・・大将 王翦の最終決戦のためにひたすら血を流し、敵を屠り続けるぞ。よいな玉鳳ォ!!
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    あんな大声で檄を飛ばすこともあるのですな若君は。


    亜光:フン。全てつつ抜けで俺が言うことが無くなったわ・・・出るぞ亜光軍。今日も右翼を我々の狩り場と威す!!
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    趙 中央軍 本陣

    左が始まったのか。秦側か。すごい喚声だぞ。

    李牧:すぐに静まり返りますよ。廉頗と双肩をなした偉大なる三大天 藺相如は「智」と「勇」を兼ね備えた大将軍・大戦略家でした。

    そして持ち合わせなかった「武」を担っていたのが直下の優秀な将軍達。それを束ねていたのがあの尭雲です。かつての三大天 藺相如軍の「武」とはあの尭雲そのもです。
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    キングダム 第539話 『戦の相手

    激しく戦火を交えた右翼はその後・・・!?

    朱海平原 二日目終了
    1

    李牧:尭雲の陣へ。

    カイネ:ギョウウン?

    カイネ:あ。わっ私もお供しますっ。

    馬呈:クソがァっ。何なんだあの敵は。一日中のらりくらりとかわしまくりやがって。
    2

    おっ墜ちついてください馬呈様。

    馬呈:るせェ。



    ナレーション:二日目。秦の左の戦場は初日とうってかわって完全なる膠着状態で幕を下ろした。それは戦力で勝る紀彗軍に対し、秦左翼の将 蒙恬が狙った通りの展開であった。馬呈を先頭にした「剛」の戦い方だった紀彗軍に対し、「柔」で対応した蒙恬に軍配が上がったのである。そして、一方秦 右翼側では、帰還した王賁が亜光軍に歓声と共に迎えられた。


    若君 万歳 玉鳳万歳 若君万歳
    3

    番陽:これは一体・・・

    関常:亜光兵は戦の目が肥えているからな。今日若がやったことの凄さを理解してるのさ。

    ナレーション:二日目 右翼の戦いは、王賁の奇策とそれに呼応した亜光軍の働きで趙将 馬南慈の首級こそあげなかったが、その軍を徹底的に叩いた。馬南慈軍はこの日再起不能なほどの打撃を受けたのである。

    関常:それにやっぱり皆嬉しいのさ。疎外されるが如く初陣時から王翦軍の外に出され、活躍の場を軍内に与えられなかった不遇の・・・・・・後継者である若君が・・・この大一番で本元 王翦様のお株を奪うような戦術を操り、戦果をあげたのだからな。

    亜光:お見事・・・・・・しかし浮かれている暇はありませぬぞ若君。

    王賁:誰が浮かれるか。凹ませた分、明日必ず李牧は手を打ってくる。

    亜光:おっしゃる通りです。キズの手当てをされたら我が本陣へ。すぐに軍略会議を始めます。

    王賁:分かった。
    4


    秦軍中央軍 飛信隊本陣

    尾平:ぐ・・・む~~~~~~~~~~

    尾平:何なんだこの置いてけぼり感は!右も左も玉鳳・楽華が善戦してるっつーのに。俺達は一度も出番がねェ。まだ何もしてねェぞクソッツタレェェ。

    お 落ちついて下さい尾平さん。

    昂:何で急にかっこつけてるの?尾平さん。このまま出番無しで勝ってくれねーかなーって二十回くらい言ってたのに。

    尾平:いつ俺がそんなこと言った昂てめェ。言ったとしても二十回も言うわけねェだろ。

    ゴッ

    昂:いたっ正確には二十三回・・・いたっ

    我呂:何もしてなくはねーよ。歩兵のお前らと違って精鋭騎兵は出陣して李牧をもうちょっとまで追いつめた。

    崇原:ん?ちょっと待て我呂。お前今歩兵を亀と言ったか?
    5

    我呂:ただの言葉の綾だ。気にすんな。

    崇原:気になるな。どういう意味だ?

    我呂:あ?

    崇原:言ってみろ。

    え ちょっと・・・

    尾平:まっまーまーまー。落ちつけよ崇原。我呂の口の悪さは今始まったわけはねーだろ。

    松左:俺も気になるなー。勇んで出て行って武功なく戻った精鋭騎兵様がどういう気持ちで俺らを亀呼ばわりしてんのか。

    田永:あ?コラ松左。昨日俺らがどんだけひでェ乱戦で戦果を出したと思ってんだ。なめてんのかてめェ。

    松左:あーあー一緒に亀やってた田永さんも今や騎馬してそっちの目線か。変わったなー。

    田永:あ!?ぶっ殺すぞてめェ。

    松左:できるか?馬連れてきてやろーか?

    田永:てめェっ。


    信:うるせェ。
    6

    出番無しで焦れてんのは分かるが、新人らの前でしょうもねェ姿見せてんじゃねェぞてめェらァァ。

    田永:な何で俺だけ。ずりーぞ松左。

    松左:ハハ。知ーらねーっと。


    信:どんだけ場数こなしてきてんだ。こういう戦いもあんだろーが。ぜってー俺らにもでっけェ見せ場がくる。だからそん時まで大人な感じで・・・待機しとくんだバカヤロォ。
    7

    松左:あいつはマジでキレてるな。

    田永:ああ・・・今日また王賁が活躍したって聞いてさらに荒れてやがる・・・・・・

    干斗:へ?あの・・・歩兵長達の今のは冗談なんスか?

    崇原:フッ半分はな。

    我呂:ヒマなんだよヒマー

    そーだったんだ・・・・・・

    松左:しっしかまあこんな大戦での生殺し感は新人のお前らにはナカナカだよなー。

    そうっスね。

    干斗:俺ら列尾での不格好な一戦しか経験してないんで次はぜってェやってやるって気合い入ってるんスけど、戦場すら見えねェとこに待機ってのはちょっと緊張の糸が切れねーようにしねェと・・・・・・。

    崇原:肩の力は抜いていいが士気だけは高く保っておけ。王翦将軍の一声で一気に大混戦に放り込まれるぞ。
    8

    ハイ!

    河了貂:おーい。晩飯だぞ。わっ。

    待ってましたー。腹へったー。
    9

    あれ?

    今日って何か・・・・・・いつもより量が少なくないか?

    河了貂:う。気付かれた・・・。

    信:ん?そうなのかテン。おかわり。

    河了貂:うん実は。さっき王翦将軍から三日分の兵糧が送られてきたんだけど・・・。あ おかわりはないよ。

    早くも王翦が兵糧を絞ってきただと!?

    河了貂:だから声大きいってば信。

    楚水:信殿、こういうことはまだ兵達に知られぬ方が賢明です。

    信:まだ二日終わっただけでもー無くなってきたなんてんじゃねーだろうなー。

    河了貂:そうじゃないけどやっぱり左で麻鉱が死んだことが関係してると思う。左翼は蒙恬がもたせてるけど、何だかんだで王翦将軍は出鼻をくじかれたことには違いない。

    楚水:勝にはこの戦い想定した以上に長引かざるをえないと。

    河了貂:その通り。だけど秦軍が持っている兵糧は減ることはあっても増えることはない。だから日数が伸びるんならその分食べる量を減らして調整するしかない。


    信:そういうことか・・・。
    10

    チッ。初日から李牧がど派手な動きすっからすっかり忘れてたぜ。この戦いは・・・兵糧との戦いでもあったってことをな。
    11


    遼陽
    壁様失礼します。起きて下さい壁様。
    12

    壁:バカなあの護りの陣が抜かれたとでもいうのか。
    だが、あの護りを破る程の敵軍ならその前に我々通常軍にひっかかるはずだ!ハ・・・そっそれが我が軍も護りの軍もどちらも交戦すらしておらぬと有り得ぬ!ならば誤報に決まっている。
    そんなことが・・・起こるわけがない。
    13

    そんなことが・・・わ・・・・・・我々の・・・壁軍の兵糧庫が焼かれるなどと・・・・・・
    14

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    キングダム 第538話 『亜花錦』

    趙峩龍:なぜだ。なぜ今私はあの方のことを思い出している・・・

    趙峩龍:宜しいのですか?昨夜練った作戦とは真逆のことを。これでは他の軍に迷惑が。

    藺相如:ハッハ。仕方なかろう。今よい案を思いついたのだ。敵味方全てを転がして勝つ。それが大将軍というものだ。と廉頗が言っていたことにしよーハッハハ。
    1

    趙峩龍:殿は困ったお方です。

    藺相如:構わん。俺は困っておらぬ。

    殿ォ隣の介子坊から怒りの伝者が来ておりますっ。

    藺相如:構わん!けど追い返せ!ハーッハハ。



    趙峩龍:王賁貴様は・・・

    王賁:ここが狩り場だ。蹂躙しろォ。
    オオオ
    2



    亜光軍千人将 亜花錦:端からだ!端から崩してじゃんじゃん殺せ!!
    3

    わがままな若が二日目の戦果を勝手にここに決めてしまった!だァが次代の統主だ。存分に武功をあげて今から若に名を売り込んでおけェェ。

    松豚:亜花錦だ!

    関常:不世出の天才か!

    宮康:うわー俺あいつ大嫌いっス。

    馬南慈:一度乱戦を解いて助けに行くか・・・

    馬南慈様後軍がっ・・・

    馬南慈様、敵がこちらに集まって来ます。

    馬南慈:あくまで乱戦を解かせぬ構えに・・・戦い方を変えてきよったな秦将め。面白い。ならばこちらは遠慮なく貴様の首をとる。者共、前方の敵を蹴散らすぞォ。
    4

    オオ

    どうされました賁様。戦局は明らかにこちらに傾いておりますが。

    王賁:あの男の挙動は注視しておかねばならぬ。

    あの男?

    王賁:ああ。

    ナレーション:この戦局の傾向に待ったをかけ得るあの第三の将だ。
    5

    将軍、各隊指示を仰いでいます。趙峩龍様、隣の岳嬰軍からも伝者が「どこを狙うのか」と。

    我々は今標的としていた王賁に逃げられ、戦う相手が定まっておりませぬ。

    将軍

    静かにしろ。

    趙峩龍:戦力さを活かし、各個撃破だ。岳嬰軍は玉鳳隊本隊を追撃だ。我らは近付いてきた亜光軍援軍八千を討つ!ただし!我が軍から騎馬一千を別動隊として出し、
    6
    王賁が作っている狩り場に突撃させよ。それが今一番王賁が嫌がる手だ。

    賁様、あの第三の軍から騎馬が来ます。我らの通った道をそのままこっちに。およそ五百から・・・一千!すごい速さです。

    いっ一千!?



    王賁:やはり向こうの優勢を保ったままこちらにも手を打ってきたか。この乱戦に横から一千もの騎馬に突入されれば今度は我らが討たれる側に回る。この場に届く前に迎撃に出るべきだが・・・。我らがここを離れれば今度は挟撃の形が失われ横陣攻略が終わってしまう。どうするこの七百をさらに割るか。しかし・・・・・・
    7



    関常:あっ亜花錦!

    関常:三百・・・いや二百しかいない・・・それで一千を止める気かっ。



    亜花錦:若君この狩り場はあんたの手柄だ。
    8
    邪魔しに来る千騎はこの亜花錦が相手をしておく故、存分に戦果を太らせなされィ。さすれば父君も仮面の下で喜びましょうぞ。ギャギャギャ。この貸しはお忘れなく。あなたの代で私が私の子に十倍にして返されよ。では。
    9

    王賁:あれが噂に聞く「悪童」・・・

    関常:亜花錦です。
    10

    王賁:死なすには?

    関常:性格難でずっと千人将ですが、はっきり言って亜光軍内で一番惜しい男です。


    黄甫、三十騎率いて亜花錦を追え、全滅する前に退かせて死なせるな。

    ハ!


    亜光:どうやら趙軍には・・・この流れは止められぬ!
    11

    12


    遼陽

    13

    壁:悪くない・・・悪くないぞこの二日目は。各所で明らかに昨日より攻勢に出ている二日目にして。山の民が犬戎の戦い方に慣れたのやもしれぬ。

    慣れた・・・。

    壁:だとしたら、ここからは山の民の力は増々と・・・。

    ロゾ:どうじゃ少しは見えてきたか。

    はい。少し力を落として戦ってるから敵の強弱がよく分かるね。やはり目につくのは、ゴバ兄ィが昨日戦り合ってたバジオウとかいう男の隊。次にアゴの出た大男の一族。あとメラ族という大族ね。

    あああそこも激しいな。



    でもやっぱり突出しているのは、山界の王と名乗るあの女王直属の隊ね。今日もすでにテゴとヌガとワンが殺られてる。本気で殺りがいあるなあの女ァ。



    ロゾ:横取りは許さぬぞ。あれは犬戎王ロゾの獲物だ。

    久々に血とあそこが騒ぐわ。

    ところであの銀髪の趙将がずっと見えませぬが。


    ロゾ:舜水樹か。あ奴なら朝から・・・合戦場の外に出ておるわ。
    14

    舜水樹:やはり思った通りか・・・・・・。戻るぞ。

    遼陽では三日目に秦軍全体にのしかかる大事件が起こる。狙われたのは壁の軍であった。
    15


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    キングダム 第537話 『大将軍の景色』

    朱海平原、二日目。趙峩龍軍の奇襲により包囲された王賁。その脳裏に浮かぶ言葉が・・・!?

    蒙恬:「大将軍の見てる景色」ってやつがだよ。
    1

    関常:まっ巻き返す!?何を言ってるちゃんと周りを見ろ!とにかくあんただけは脱出するんだ。俺達で何とかあんただけは・・・

    番陽:賁様、ごっご無事でしたか。

    関常:番陽副長・・・・・・だ大丈夫かその傷。

    番陽:だ大丈夫だ。それより今すぐこの場から脱出せねば・・・ん・・・賁様はどうなされたのだ関常。

    関常:分からん。さっきから戦いもせずにこんな感じだ。

    番陽:何っ!?

    <回想シーン>
    王賁:何だそれは。妄想の話に興味はないぞ。

    蒙恬:妄想話じゃないよ王賁。だから大将軍の見てる景色ってのは

    王賁:今すぐ隊を分ける!機を逸するぞ。いいからさっさと番陽を呼べ関常!

    番陽:賁様、私はすでにここに・・・
    2


    <趙軍>

    玉鳳に動きが!右奥へっ・・・我らと岳嬰軍のいない方向へ脱出を始めました。

    フッこちらの想定していた二択のうちの一択だ。逆に我らに向かってきて突破し、後ろから来ている亜光軍の援軍に逃げ込むという「剛」の選択はしなかったか。

    フッそこまで玉鳳 王賁も馬鹿ではあるまい。
    3

    どちらにしても奴らに生き残る術はない。

    逃げたら逃げたで徐肖・徐林の長槍は背を貫く。
    4

    副長、新手の隊がものすごい勢いでつめて来ます。



    なっ何だ先頭のあの二騎は・・・。

    番陽:ええィ。振り返る暇があったら一歩でも速く走れっ。何が何でも脱出だっ。

    ハハッ

    趙峩龍:王賁があの中にいるのか確認させよ。

    王賁:行くぞっ!

    オオ
    5

    急報。王賁は左です。左で少数を率いているのが王賁です。

    ぬう?何だあ奴ら。

    玉鳳の本体が逃げている方とは真逆の・・・我が軍と岳嬰軍の境目を抜いて左へ逃げようとしているぞ!!

    すすりつぶされるぅ・・・

    関常:いくら何でもこっちが少なすぎだっ。こっこれじゃ・・・

    王賁:速さ重視だ。とにかく一騎でも多く走り抜けろ。もうとっくに数十騎やられてる。

    王賁の小隊は千騎もいないぞ。何を狙っている!!

    まさか自分を囮にして本体を救うとでも?



    いや奴らの狙いはあくまで王賁の脱出だ。包囲を抜けきったら左へ大きく回り、亜光援軍に逃げ込む気だ。
    6

    趙峩龍:左へ回られぬよう壁を作る。

    ハ!

    趙峩龍:急げ。数が少ない分抜ければ脚は速いぞ。

    ハハッ

    抜けたっ。抜けたぞォ。
    7

    速い奴らもう抜け出たぞ。壁が間に合いませぬ趙峩龍様。

    趙峩龍:問題ない。左へ旋回してきたところで横から刺す。たかが六百前後だ。三突きで皆殺しだ。

    オオオ


    なっ何ィ!?奴ら旋回して来ない。そのまま直進して行くぞォ!?

    趙峩龍:馬鹿な・・・血迷ったか王賁・・・
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    そっちに行っても味方は一人もいない。趙軍の陣営内で孤立無援となってからめ取られるだけだ。
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    若っ岳嬰軍の騎兵がしつこく追って来ます。

    王賁:構うな脚で引き離す。

    関常:くそっ。奥にいた趙兵の奴らが集まってきやがった。

    当然っスよ。ここは敵陣のど真ン中・・・

    あっ矢が来るぞっ。

    王賁:左だ

    関常:左旋回だっ

    らっ落馬するなよ。ここで落ちたら終わりだっ。

    くそォ俺の馬 脚をやられてさっきからガクガク震えてるっ。

    騎馬隊だ。前から騎馬隊が来たぞ。

    くっくそォっ。

    敵陣をつき抜けて安全地帯へって感じだったんだろうけど完全に裏目に出てしまったな。

    ももう。本当に逃げ場がない。

    王賁:逃げ場など必要ない。俺達は攻めに行っているのだ。
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    関常:えっ!?

    また矢だっ。次は当たるぞ。

    くそ趙兵めっ。

    関常:攻めに行ってる!?若・・・一体我々はどこに向かっているのですか!?


    王賁:「横陣の弱点」だ!

    敵騎馬だ。左へかわすぞ。


    ナレーション:戦いの基本は横陣である。
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    互いに横陣をしくため戦いは横陣同士の正面のぶつかり合いとなる。
    ここで警戒しなくてはならないのは裏側である。
    横陣は裏を取られるとその場が前後から挟撃されるため予備隊を置いてこれを守る。
    そしてもう一つの弱点が「端」である。
    「端」に隊をつけられるとそこから挟撃となり、次々と粉砕されてしまう。
    今 王賁隊に群がっているのはこの裏を守る予備隊である。
    王賁はそれを懸命にかわし全力で走り続けた。ある「点」を目指していたからだ。
    遠目にその姿を見て王賁の習いに気付いた趙峩龍は驚嘆せずにおれなかった。
    そう王賁が目指したのは、
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    最初にいた場所から対角線上にある馬南慈軍横陣の弱点「左端」だったのである。
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    バカな・・・遠地のあんな場所を狙って走ったなどと・・・。

    ちょっと待て。確かにあそこは横陣の弱点だが、王賁が率いたのは五・六百騎・・・いくら弱点とはいえそんな数では攻略できるものか。

    趙峩龍:いや王賁は自分達だけで討つ気はない。秦将亜光が優秀ならば王賁の動きに呼応する!

    亜光:左にいる各隊!持ち場を離れ、若と共に挟撃し、馬南慈軍を左から食いつぶせ。
    馬南慈本隊は俺がここで足止めする。行けェ。
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    ハハっ!!

    馬南慈:チィ


    亜光:若め。練っていた対馬南慈軍の戦略が全て消し飛んだぞ。
    だが、うまくいけばこの二日目で馬南慈軍を復活できぬ程叩けるやもしれぬ。
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    王賁:亜光が応えた!行くぞっ。

    オオオ

    趙峩龍:信じられぬ。岳嬰と私に挟撃包囲され、絶体絶命の最中にこの絵図を描いたとでもいうのか・・・・・・王賁貴様は一体・・・


    蒙恬:王賁、六将とかの類の大将軍ってのはどんな戦局どんな戦況であっても常に主人公である自分が絶対に戦の中心にいて全部をぶん回すっていう自分勝手な景色を見てたんだと思うよ。
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