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キングダム 第517話 『削り合い』
ナレーション~
この国の命運は・・・、誰は担う・・・。
悼襄王
「相変わらず」
「お前は」
「言い訳だけは達者だな」
「李牧よ」
李牧
「処罰はいかようにも」
「しかし事態は今 急を要します」
「精強を誇る邯鄲軍のうち十万を出陣させる許可を頂きたく・・・。」
悼襄王
「ならん」
「胡周らにも申したはずだ 邯鄲軍がこの王都から出る事はありえぬ 一兵たりともな」
李牧
「しかしもし鄴は落ちれば 数年のうちにこの邯鄲にも秦軍の刃が届く事に・・・」
悼襄王
「構わん」
「秦の刃が届いたところで邯鄲は落ちはせぬ」
「あの鄴とて、本来は不落の城だ」
「伯父である城主 趙季伯が愚かにも難民など受け入れるからこんな事態へとなった」
「俺はそんな〝ヘマ〟はせぬ」
「もし邯鄲が包囲されたとて十年でも二十年でもこの城は籠城できる」
李牧
「・・・それでもいつかは落ちます」
悼襄王
「だろうな」 「だが」
「病がちな俺は その頃にはとっくに寿命で〝いって〟おるわ」
「クククク」
「国がどうとか 民がどうとか」
「〝後のこと〟など知ったことか」
李牧
「暗い・・・あまりにも・・・」
悼襄王
「・・・・・・」
「何か言ったか?李牧」
李牧
「いえ・・・」
悼襄王
「だったら さっさと失せて職務を果たせ 栄えある三大天よ!」
「鄴を失えば貴様を切り刻むぞ李牧」
「貴様だけでなく貴様に従う一党もろとも皆殺しだ 分かったな」
「ッハハハハ」
カイネ「・・・・・」
「くっ!」
李牧「行きましょうカイネ」
カイネ「・・・」
カイネ「李牧様・・・我々の王は・・・」
李牧「・・・王国を滅ぼすのは敵に非ず・・・と言います」
カイネ「!?」
李牧
「商の紂王然り 周の麗王然り」
「現趙王がその類に入らぬことを願うばかりです」
カイネ「!」「・・・・・」
「国を亡ぼす暗君・・・」
李牧「!」
カイネ「あっ、太子様っ・・・」
【趙国太子 嘉】
嘉「・・・・・・」
「
李牧、よくぞこれ程早く西より戻ってくれた 」
李牧、よくぞこれ程早く西より戻ってくれた 」
「この早さで数千の趙の民の命が救われたと信じるぞ」
李牧
「いえ・・・王都圏なで秦軍の侵攻を許したのはこの李牧の落ち度です」
「これより全力で秦軍殲滅に向かいます!」
嘉
「この戦局にも関わらず この邯鄲の軍が動かぬ事は存じている」
「難儀させること父に代わりて詫びさせてくれ李牧」
李牧
「太子そのような・・・」
嘉
「思わぬ窮地だが」
「秦も失敗すれば 国の根幹が揺らぐ程の損害を出す諸刃の侵攻のはずだ」
李牧
「・・・・・・」
「おっしゃる通りです」
嘉
李牧
嘉
李牧
カイネ
嘉
李牧「ハ!」
場面が変わり、【鄴】
将軍一同「ハ!」
王翦「これから展開するこの王都圏の戦いの〝全容〟を説明する」
王翦
壁「!!」
蒙恬「・・・・・」
信「!!」
壁「〝燎陽〟・・・!」
信「!」
王翦「・・・・・」
信「なっ!」
「以外すべてを」
桓騎「だってよ摩論」
信「え!?」
王翦
壁「!?」
嘉
「必要とあらば兵の士気を上げに 私も前線に出て矛をふるう心構えだ」
「蕞の秦王程の効力は期待できぬが その時は遠慮なく声をかけよ」
李牧
「・・・フフ、心得ました しかしその必要がないように努めます」
嘉
「今が・・・正念場だ」
李牧
「・・・分かっております・・・」
カイネ
「・・・」
嘉
「李牧、鄴を頼んだぞ!」
李牧「ハ!」
(しのいでみせる この暗闇をしのげば・・・嘉太子の時代が来た時 趙に真の光がさす・・・)
場面が変わり、【鄴】
王翦「そろっているか」
将軍一同「ハ!」
王翦「これから展開するこの王都圏の戦いの〝全容〟を説明する」
信 蒙恬「この戦の・・・」
王賁 壁 「全容!!」
王翦
「趙は・・・」
「鄴の食糧が尽きて城が陥落する前に」
「王都圏の各軍が四方八方より鄴を解放せんと群がってくるであろう」
「だが」
「防ぎようのない敵に思えるが実際のところ」
「鄴を一撃で解放する力を有する軍は二つだけだ」
壁「!!」
蒙恬「・・・・・」
信「二つ・・・!?」
王翦
「王都圏北西に鍵をかける大都市〝閼与〟と」
「太行山脈一帯の勢力を一手にまとめる〝燎陽〟の軍だ
信「!!」
「・・・・・〝閼与〟と・・・」
壁「〝燎陽〟・・・!」
王翦
「この軍が鄴まで届かば鄴包囲は間違いなく崩壊する」
蒙恬
「・・・軍を分けて燎陽と閼与の軍の迎撃に出る必要があると・・・」
信「!」
王翦「・・・・・」
「その通りだ」
「目の前の鄴は そのまま桓騎軍六万で包囲を続けてもらう」
「燎陽・閼与の二軍以外の趙軍襲来に関しては全てこの六万で対処してもらうことになる」
信「なっ!」
「以外すべてを」
桓騎「だってよ摩論」
摩論「私にどうしろと」
王翦
「二大強軍の一つ燎陽軍とは楊端和軍が今相対している相手がそれだ」
信「え!?」
王翦
「にらみ合いとなっていたが、燎陽軍もすぐに動き出すであろう」
「軍容も燎陽城から増援を得れば ゆうに十万超えとなる」
壁
「お お待ちを それに対して楊端和軍は五万しかいないはずではっ」
王翦
「故にこちらも増援を送る」
壁「えっ」
王翦
「壁将軍 貴公の八千に桓騎軍から二千加え1万の軍とし楊端和軍の援軍に向かえ」
壁「!?」
「・・・・・・・・・」
「い・・・一万の将となって・・・私が・・・端和殿を援けに・・・・!!!」
「ハハア!!」
王翦
「燎陽向けに六万で 閼与向けに八万八千って」
信
王翦「ああ」
場面が変わり、【邯鄲】
李牧
舜水樹
金毛
李牧
金毛
カイネ「!」
「・・・・ちょっと」
李牧
「・・・・・ここからは」
「鄴の〝陥落〟か」
「〝どちらが〟」
「〝相対す敵を〟」
王翦
「そしてもう一方の閼与へは」
「王翦軍七万と」
「独立遊軍 玉鳳隊五千」
「楽華隊五千」
「飛信隊の八千三隊を加え」
王翦
「計八万八千で北上して迎撃する!」
貂「・・・・でも・・・」
「燎陽向けに六万で 閼与向けに八万八千って」
「こっちに偏りすぎなんじゃ・・・」
信
「た たしかに」
王翦
「閼与が〝本命〟だからだ」
信
「本命・・・!?」
王翦「ああ」
「李牧は必ず閼与軍に入って攻めて来る!」
場面が変わり、【邯鄲】
趙軍
「秦軍が二つに分かれて燎陽と閼与の軍の迎撃に出てくる!?」
「・・・秦軍はこちらの動きを読んでくると・・・」
李牧
「舜水樹」
舜水樹
「ハッ」
李牧
「燎陽軍に入り、〝大将〟となって指揮を執りなさい」
舜水樹
「ハッ」
李牧
「公孫龍は有能です副将として
クセのある燎陽城主ともうまく連携をとり軍を動かしなさい」
舜水樹
「ハッ」
金毛
「じ・・・十万規模の大将に副官を・・・!?」
「ほぼ無名だが この男にそれ程 李牧様は厚い信を・・・」
李牧
「残りは全て私と共に南下中の〝閼与〟軍に入り 将校として戦ってもらいます!」
金毛
「!!」
カイネ「!」
「・・・・ちょっと」
「こっちに面子固めすぎじゃないスか?」
李牧
「王翦も必ず閼与に向けて戦力を厚くして来ます」
カイネ
「えっ!?」
李牧
「・・・・・ここからは」
「いよいよ力と力の勝負です」
「鄴の〝陥落〟か」
「〝解放〟かは」
「〝どちらが〟」
「〝相対す敵を〟」
「〝討ち取るかどうか〟にかかることになりました!」