弱虫ペダル

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    弱虫ペダル RIDE.454 『支えあうチーム!!』

    ◎成長してゆく鏑木!!その姿に坂道は…!?

    小野田「手嶋さん!! 鏑木くん 成長してます」

    手嶋「ああ!! あいつは 期待の1年だ

    “まっすぐに伸びる” “一番伸びしろがある”

    青八木も古賀もそう言ってたァ!!」

    小野田「はい!! (なんだろう この思い
    1 (1)

    胸のあたりが ドクン

    くすぐったくて熱くなる ドクン

    去年は“この感じ”はなかった)」


    「(2年生だ 2年生になって

    新しい1年生が入ってきて
    1 (2)

    一生懸命がんばる1年生を見て)」



    鏑木《この夏のインターハイであなたを越えます!!》

    鏑木《今泉俊介!!オレはアンタを絶対超える!!》

    鏑木《鳴子章吉 あんたも超える!!》 鳴子《カッカッカ》



    「(1年生たちも少しずつ成長して

    勝つことだけに一生懸命だった鏑木くんが

    先輩たちが おっしゃってた

    “支えあって―― 託した者の思いを背負って走る”

    っていう総北の走りを 鏑木くんが 今)」

    青八木の想いを背負いチームを引く鏑木…!!

    「(全身でやってるんだ!!)」
    1 (3)

    鏑木「絶対に逃がすかよ 箱根学園!!

    オレは青八木さんに託されてチーム引いてんだ!! ブタァ!!」

    銅橋「ブハ!! その思い千切ってやるよ オレンジ!!」

    鏑木「ほうるあああ!」

    銅橋「ブハァ!!」



    小野田「(成長してる どんどん強くなっていく

    それを肌で感じることができる すごい…やっぱり 自転車ってすごい!!

    想いを受け継いで 走りで語って)」


    小野田「(ボクも もっともっと先に 進みます!!)」
    1 (4)


    鳴子「(鏑木!!)」

    今泉「(イキリ!!)」

    手嶋「(鏑木ィ!!)」
    1 (5)


    総北チームからオーラが溢れ出ている…

    黒田「塔一郎 ヤツらのプレッシャーがはねあがってる

    ありゃあヤバイやつじゃねぇのか」

    泉田「…… 1年鏑木くんのがんばりに皆の士気が高まったというところかな?

    いいだろう… そろそろだ いけ銅橋―― ヤツらのそれを」

    銅橋「ブハ!!」



    泉田「絶望にかえてやれ!!」
    1 (6)
    1 (6)


    銅橋「ブハァ!!」

    銅橋「ブオオオオオオ」
    1 (7)


    観客

    「箱根学園銅橋の雄叫びだ」

    「すげっ ヤバイ本気出す気だ」

    「ハコガク全開加速!!」



    銅橋「悪りィなオレンジ お遊びは終わりだァ

    相補空を一気に置き去りにする!!

    このジャージは狭ェんだよ!!」

    ブチブチと上着を引きちぎるように脱いでいく銅橋



    銅橋「オレははみだす男 銅橋正清だ!!
    1 (8)

    ブハァ!! オレは正しい!!」

    鏑木「くっそ 銅橋 加速!!

    くそ 絶対追いつく!!絶対追いつく!!

    オレは離されねェ ほぅお るああああああ」
    1 (9)

    ハコガクと総北の距離が離れていく…

    鏑木「(くそ 今の一撃で100~200m離された

    けど負けねぇ 追いついてやる 絶対に!!)」


    ビクン
    1 (10)

    鏑木「(うそだろ くそ くそ こんな時に脚攣りやがった)

    痛って くそ治れ治れ今すぐ治れ!!」



    後ろをチラッと見る泉田…

    泉田「追いつてこれないようだね 総北は

    1年生の彼には荷が重すぎたかな?残念ながら

    この勝負 箱根学園(うち)の勝ちだ」


    手嶋「知らねぇのかよ泉田!! 総北(うち)は」

    鏑木「え」 泉田が鏑木の前に出る

    鏑木「う」 鳴子も鏑木の前に出る

    鏑木「は」 小野田が後ろから鏑木の背中を叩き前に出ていく

    鳴子「代わる 鏑木」

    今泉「代わる イキリ!!」

    小野田「代わる 鏑木くん」

    手嶋「支え合うチームなんだよ!!」
    1 (11)


    鏑木「鳴子さん 小野田さん 今泉さん!!」

    鳴子「脚がつったかカブ 治るまで一瞬下がれ!!

    今泉「脚がつったかイキリ 治るまで一瞬下がれ!!』

    声がかぶりお互い顔を見合わせる鳴子と今泉……



    鳴子「声を揃えるな!!ボケ」

    今泉「声を揃えんな!!鳴子」

    1 (12)


    今泉「いくぞ鳴子 遅れんなよ!!」

    鳴子「そっちがや!!」

    鏑木「(う!! すっげ!!)」

    小野田「肩を貸すよ その間に脚を止めて治して!!」

    鏑木「小野田亜さん!! さーせん!!」

    がしっと小野田の肩を掴む鏑木


    鏑木「痛っつ うっつ 痛っ」


    鏑木「(くそ 何なんだよ これ!!
    1 (13)

    小野田さん 鳴子さん 今泉さん!! 最高だよ!!

    すごいタイミングで助けに入ってくれて

    ダブルエースが前引いてくれて 山の“1番”が肩貸してくれて!!

    なんだよ これ!!) よし!!治りました あざす!!」

    小野田「よかった!!」


    鏑木「(最高に気持ちがアガる!!)」


    今泉「治ったか鏑木!! 追いつくんだろうな!! 銅橋には負けねェんだろ!?」

    鏑木「はい!!」

    鳴子「キバってこいや!! 目立ってこいや!! 男は目立ってナンボやで!!」

    鏑木「はい!!」

    鏑木「(今なら言える はっきりと 総北は最高のチームだ!!)」

    《マグレだ》
    1 (14)

    《全部聞こえてます…》



    鏑木「(迷った時もあった 信じられないと思ったこともあった

    だけど今なら言い切れる!!)」



    小野田「がんばって鏑木くん!!」

    鏑木「はい!!(だからオレは走る)」


    頭をぺこっと下げる鏑木… それを見て驚く2年生組…

    小野田(え)

    鳴子(へ!?)

    今泉(あ!?)



    鏑木「ありざした」
    1 (15)

    鏑木の覚悟を決めた顔をみた4人の反応……
    1 (16)

    鏑木「先言っとこうと思って

    このあと全開やるんで 酸欠で たぶん最後何ンも言えなくなるから ハハッ

    (チームのためにオレは走る!!)」


    ◎その目には強い意志が宿る――。



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    弱虫ペダル RIDE.453 『残り3kmの激突!!』

    ◎闘志を燃やし、高まる緊張!!


    鏑木「ほっるああああ」
    1 (1)


    銅橋「ブッ ハァアア」
    1 (2)


    ハンドルを強く握り、ペダルを踏む足にも力を入れ全力スプリントする銅橋と鏑木!

    鏑木「ほうるああああ」

    銅橋「ブッハァア!!」



    「箱根学園加速!! 総北も加速だ!!」

    「いっけー」

    「すげぇ」

    「山のふもとまでのこり少し 始まるんだ…」

    「えっ」

    「スプリンターたちの最後の勝負が!!」



    怪道・銅橋 vs 1年・鏑木!! 近づく最終勝負…!!
    1 (3)

    (最後だ)

    (最後や)

    (鏑木!!)

    (鏑木くん!!)

    1 (4)
    (いけよ)

    (引きちぎれ)

    (銅橋)

    (銅橋くん)

    (銅橋さん!!)



    観客の会話――

    「え 最後って…ああ そうか あれか

    3日目のスプリントラインがのこり1km すぐそこだもんな」

    「いや 今日は3日目―― 最終日だ

    今日は山の上までスプリンターを連れていく必要はないって意味だ この先に」

    「えっ」

    「スプリンターたちに活躍の場はもうない

    最後なんだ この山のはじまる手前の この平坦区間が

    スプリンターにとって最後の仕事場なんだ!!

    だから全力で引くのさ

    山までにチームを有利なポジションに送り届けるために」



    銅橋「(山のふもとまで のこり3km切ったァ!!)

    おいオレンジ てめェとこうして並んで走んのも1日目以来だな」

    鏑木「! ブタ…!!」

    銅橋「銅橋さんだろうが ブハ!! てめェよく ここまできた

    1日目オレとバトって2日目ヘトヘトになって あのまま帰ってこねぇと思ったからな

    よくここまで生き残った「!! 1年のくせして!!

    勢いだけのバカかと思ったが ためェ意外に―― マジメに練習タイプだろ!!」



    《1分21!! ため池ウラの直線 あ―――くそ 1分20を切れねぇ…

    あ――あと少し あと少しだったくそ――――っ!!》
    1 (5)



    鏑木「そ そんなことはない!! カゲで努力など

    オレ様はコソ練などしない!! 天才だから!!」

    銅橋「ブハ!! 言うぜ!! 練習やってねェヤツはここまで来れねェんだよ

    オレはマジメに練習するヤツは好きだぜ!! 正しい!!」

    鏑木「おまえ こんな時に愛の告白か!!」
    1 (6)

    銅橋「するかバカ文脈読みとれ!! 選手としてだよ!!

    あきれるぜ!! バカも才能のウチかァ!? ブハ!!

    (ブハ!! レース中に敵ほめたのおめェが初めてだよ!!)」

    鏑木「何なんだブタ」

    銅橋「さぁて見えたぜ ゲートだ 3日目 最後のスプリントラインだ!!
    1 (7)

    スプリンター最速の証 グリーンゼッケンを競う ラストラインだ!!」


    「総北と箱根学園チームで並んで来てる!」

    「どっちか獲るんだ!」

    「スプリント対決だ!」

    「しかも先頭引いているのは1日目のラインを争った

    総北6番とハコガク15番の銅橋 因縁の2人!!」

    「すげえ」

    「オオオ」



    銅橋「出ろよオレンジ!! ほらラインは見えてるぜ!!」

    鏑木「!」

    銅橋「泉田さんは言った スプリントも山もどうでもいい――“くれてやる”

    オレたちは十分にゼッケンを獲った あとはゴールだけだ!!

    とびだしゃいい ゼッケンはすぐそこだ 出ろよ」



    「うしろのチームメイトを切り捨てて!!」
    1 (8)



    小野田は銅橋の言葉に目を丸くして驚く…

    小野田「て…手嶋さん!!」



    「どっちがとびだすんだ!」

    「のこり200m!!」



    銅橋「名誉がほしいだろ 勲章が!! とびだせよオレンジ!!」



    「のこり100m」

    「まだ並んでる!!」

    「6番か ハコガクか」

    「のこり70m」

    「まだとびださない!!」

    「空気の読み合いなのか!?」

    「どっちが先にしかけるんだ!!」

    「いっけハコガク!!」

    「総北ゥ!!」



    鏑木「オレはな ブタ 1日目のスプリントが終わったあと青八木さんに誓ったんだ

    次 銅橋 おまえと闘うことになったら絶対に負けねェと!!」


    《絶対勝ちます!!》


    さらにあせる小野田…

    鏑木「だから!!」



    「のこり50m!!」

    銅橋が歯を見せて笑み浮かべる

    小野田「手嶋さん!! 今 鏑木くんが1人で出たらチームはバラバラに――止めないと…」

    「ワアアアア!」

    小野田「(歓声にかき消されて声が届かない)」



    「のこり30m!!」

    「スプリントをとりにいくのはどっちだ!!」
    1 (10)



    両者飛び出さないでスプリントラインを通過する…




    小野田「(え!? とびださない……鏑木くん!)」



    「えーと… い…今のはえーと同着になるんでしょうか」

    「何だ今の」

    「えっ」

    「加速しなかったぞ」



    銅橋「ブハ!! よく耐えたじゃねェかオレンジ」

    鏑木「あ!? 耐えた!? あたり前だ!!

    オレは青八木さんに走りで教えてもらって

    託されて 今チーム引いてんだ チームのために走ってんだ!!だから」



    鏑木「おまえとの勝負は山の手前までだ!! ここじゃない!!」
    1 (11)

    銅橋「dかあら とびださなかったってワケかよ…ブハ!!

    のこり2kmの―――― 勝負か!!」

    泉田「……!!」


    小野田「(何だか…鏑木くん… 成長してる)」

    ◎もう、迷わない…!!

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    弱虫ペダル RIDE.452 『託した想い』

    鏑木「箱根学園…青八木さんがチームを離脱してまでつかまえてくれた箱根学園…!!

    絶対 離されねェ!! 追いかけてやるよ地の果てまで!!

    だから!! あえて!! もう一度言う!!

    今!! 箱根学園に追いつきましたァ!!」

    青八木さんが身を挺して捉えた強敵・箱根学園…!!

    総北メンバー
    2 (1)



    箱学メンバー
    2 (2)


    泉田「大したものだ よく追いついた

    素直に褒めよう 登りが始まる前のこの区間で!!

    山の入口までのこり3.3km そこに到達する前にボクらをつかまえなければ

    キミたちの可能性は限りなくゼロに近づいていたのだから

    険しく細く長い登りに きっとバラバラになって!!

    冷静で的確な判断だったと言っていい

    一人チームメイトを削ってまで―――― 今 ボクらに追いついたことは」



    鋭い目つきで泉田を睨みつける鏑木

    鏑木「冷静とか言うな

    カードや駒みたいに 物を切り捨てたみたいに言うな!!

    青八木さんは強えんだ!! 誰よりもそして速くて優しいんだ!!」

    鏑木の言葉に他の総北メンバーもそれぞれ苦渋の表情を浮かべる



    泉田「目立ってはいなかったようだが?」

    鏑木「知らねェのかよ」


    「そこが青八木さんのカッコイイところだ!!」



    集団から離れフラフラと走っている青八木…

    青八木「(たのん…だ…ぞ 鳴子… 今泉 小野田… 鏑木…)」


    「(もう走る力も 立つ力も)」
    2 (3)


    「(残ってない)」
    2 (4)

    力尽きた青八木は道路脇へと倒れ込む…


    青八木「(車輪が…止まってる……3日目…よくここまで走ってこれた

    終わった…オレのインターハイ 終わったんだな…)」



    ありがとう 純太――――



    広島とのデスゲーム後の回想――――

    手嶋「え “温存はするな”………!?」

    こくっと頷く青八木

    青八木「この先チームと合流できて箱根学園と闘う もしくは

    ヤツらを追うという状況になっても――――オレを

    温存はするな ためらいなく使え」

    手嶋「……… けど けどたった今広島と闘って

    ムチャなスプリントして 今でもオレを引いて…そのヒザで―――…お前はもう

    おまえはもう十分に走った!! これ以上やったらリ――――…いや」




    青八木「リタイアする 覚悟はできてる
    2 (5)

    おまえは優しいからきっとオレを休ませる

    恩を感じてこれ以上オレを自分の命令で酷使するわけにはいかないと思う

    けどレースだ これは」

    手嶋「(青八木…笑って…)」

    青八木「優しはしまっておけ おまえはキャプテンだ

    おまえが迷えばチームが迷う

    ためらうな純太 その方がオレも最後 心おきなく」



    「ありがとうと言える」



    手嶋《オーダーだ出ろ 鏑木!!  鳴子!! 青八木》

    青八木《……!! ああ純太》



    青八木「(純太… おかげでオレは最後まで走れたよ… ありがとう)」
    2 (6)


    手嶋「(青八木!!)」

    小野田「(青八木さん!!)」

    今泉「(青八木さん!! 強い人だ あなたは!!)」

    バッと後ろを振り向く鳴子…

    鳴子「青八木さん!!」

    手嶋「ふり向くな鳴子!」

    鳴子「!」


    手嶋「レース中だ オレたちは託された!!

    託した者の願いは前に進むことだ

    オレたちが見なきゃなんないのは前だ!! 敵だ!!」



    手嶋「この先のゴールだ!!」
    2 (7)

    鳴子「(手嶋さん ホンマは―― 一番ふり向きたいんは――!!) はい!!」


    泉田「出ろ 銅橋!!」
    2 (8)
    新たにオーダーを出す泉田

    銅橋「このタイミングってことは そういうことなんだな泉田さん ブハッ」

    泉田「…ああ!! そうだ!! 引け 限界まで ヤツらを引きちぎれ!!」

    銅橋「了解だ!! 泉田さん!!」

    鏑木「させるかァ!!」



    青八木「まっすぐに 進め 鏑木」


    ◎託された想いを胸に両者、真っ向勝負…!!


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    弱虫ペダル RIDE.450 『追いつく!!』

    ◎決意を固める手嶋!! 先頭を目指して…!?

    手嶋「(いくんだよ……ゴールに!!)各自ペースをもっと上げろ!!

    この平坦区間で前をつかまえる!! 箱根学園はまだ先だ!!」
    1 (1)


    「ここで離されたらレースが終わる!!」

    「「はい!!」」

    「はいな!!」

    「うす!!」

    「コク!!」



    6人揃え、チーム総北フル加速!!!!!

    そして舞台は最終局面へ…!!



    「来たぞ総北だ!!」

    「速ええ!! 追い上げてる!!」

    「てかいつの間にか6人揃ってる!!」
    1 (2)

    必死に箱根を追いかける総北メンバー



    「すげぇ圧だ!!」

    「速ええ!!」

    「あれマジで――――」
    1 (3)

    「さっき通った前の箱根学園に追いつく気だ!!」

    「マジかすげぇ!!」

    「できんのかそんなこと 何分差だ!?」

    「全員気迫が凄かった 可能性はあるんじゃないのか」

    「そうなったらスゴいね」

    「今の6人…表情ヤバかった」

    「特に前引いてた3人!! 6番 鏑木 2年 鳴子 3年の青八木!」


    「……すげえな“青八木”…」

    「! 知ってんのか!」

    「いやオレ気になって昨日からチェックしてんだけだよ

    1日目はスプリントやって3位

    2日目はチームメイトを最初の山で救出してる

    そんで速報によると さっき5番を集団から引っぱりあげてる」

    「マジか!」

    「更に今も前で仕事してんだ スゴくないか?

    派手さはない 目立った成績もないけど

    チームには欠かせないんだよ そういう地味だけど仕事のできるヤツ」
    1 (4)

    「男が一番シビれるタイプだ!!」



    青八木「はあああ!」

    気合声を出して総北メンバーを引っ張り上げる青八木

    鳴子「どぉした鏑木!!」

    鏑木「!」

    鳴子「今まで仕事しとった青八木さんの方がキバっとる!!おまえの引きはそんなモンか!!」

    鏑木「ぐ!!」



    鳴子「もっと本気見せんと前のハコガクさんには追いつかんで!!」

    鏑木「つかってますよ!!

    代わります つうか青八木さんがスゴすぎてどうかしてるんすよ!!ほうるああ!!」

    前に出て全力でペダルを踏む鏑木
    1 (5)
    鳴子「(そうや それでええ鏑木 めいっぱいで いけ!!)」

    鏑木「(くっそ くそ!! くそ!!)」

    青八木「(追いつく!! 必ず箱根学園に!!)」


    手嶋「!(見えた!!)」
    1 (6)
    給水ポイントに差し掛かる総北

    「給水所だ!!」

    「古賀さん 杉本…マネージャーや!!」
    1 (7)
    「純太!!」

    「やった6人揃ってる!!揃ってるよ!!」

    「2番手通過は総北です!!」


    手嶋「今泉!! 給水所だが一人一人が速度をゆるめて受け取ってるヒマはない!!

    おまえが一人隊列から離れて補給を受け取り戻ってこい!!」
    1 (8)
    「了解す!!」

    バッと隊列から抜ける今泉


    小野田「(今泉くん!!)」

    鏑木「おねしゃす!!」

    青八木「(今泉!!)」

    鳴子「(たのむでスカシ!!こっちはこっちでめいっぱいや!!)」
    1 (9)
    「オレが6人分を受け取る!! まとめろ!!」

    「はい!!」

    「今泉!!」
    1 (10)
    給水バッグをまとめて手に取る今泉!

    「がんばって!!」

    「追いつけ今泉!!」



    今泉「ああ 今その努力を」

    受け取ったバッグを背負う

    「前の3人が全力でやってくれてるとこだ!!」

    そして隊列に戻るために加速する今泉!

    「今泉…!!」

    「総北…!!」


    古賀「この土壇場で総北が6人揃った…!!ようやく!!…が」

    杉本「そうですね だからと言って追いつくとは限らない…(ボクは信じているけれどね!! 今泉!!)」

    古賀「手嶋たちを待った代償がどれくらい…つくか…!!(それでもお前は“努力”をするのだろうがな純太!!)」


    橘「追いつきそう?ハコガクに 幹 大丈夫!?」
    1 (11)
    寒咲「うん…きっと」


    「少なくとも彼ら6人は全員それを少しも疑ってないよ」


    段竹「(青八木さんが引いていた…前で…速報じゃ手嶋さんを連れ戻したって…

    それでもまだ走ってるのか…)」
    1 (12)
    「(あの足で!!)」

    段竹《動きますか 動かせますか!》

    青八木《いや…痛みが出なければそれでいい》


    段竹「(すげえ…青八木さん… オレ 今…)」


    「(心がふるえてます!!)」
    1 (13)

    青八木「(差はちぢまってる 確実にだが

    当然だがヤツらも全力で走ってる

    その差をうめるには――)」

    ググ…

    ボコン
    1 (14)

    青八木の体が膨らむ!

    鏑木「!!」



    青八木「はあああああああ!(全開以上をやるしかない!! オレが追いつかせる!!)」

    さらにスピードが上がる!

    鏑木「す すげぇ引きっす!!青八木さん

    何なんすか 何なんすか鳴子さん この引きは!!この人は!!」


    ズキンと痛む青八木の足


    青八木「(いけ青八木一!! はじめの一は一番のいちだ!!)」
    1 (15)

    「(もう何も残さなくていい!!

    一番最高のチームで一番最高の走りができたのだからもう

    何も残さなくていい!!)」


    鳴子「! てか…鏑木 おまえ何泣いとんねん」

    鏑木「え え…あ…わかんねェすオレも

    あれ…いや何でだ わかんねーす ただ何か

    オレが世界で一番尊敬する青八木さんの全開の背中を見てたら――」
    1 (16)
    青八木《光が射した 歌詞だ ある歌の》

    「何かいろいろ思い出して」


    「なぜか涙出てきたんす いろいろ……伝わってきて」
    1 (17)
    青八木「(ほら 見えるか鏑木)」


    「(あれが オレのゴールだ)」

    1 (18)

    ◎全開で引く青八木の背中。鏑木を何かを感じ取る…。




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    弱虫ペダル RIDE.449 『6人の力!!』

    ◎広島との激闘を経て ついに総北が……!?

    小野田「来ました…!!お二人です!!」

    「手嶋さん!!」

    「青八木さん!!」


    手嶋「あいつらだ!!」

    青八木「戻ったぞ クライマーを1人つれて!!」



    「すまねぇ!!遅くなった!!」

    「手嶋さん!!」

    「カッカッカ 青八木さん!!」

    「お二人が――――追いついて…あのっ…これで…今」

    1 (1)

    「チーム総北6人 全員揃いました!!」

    「何回ヒヤヒヤさせんすか手嶋さん!!」

    「悪りィな鳴子」

    「チーム2人はやっぱしぶといすね」

    「それほめてんのか今泉」

    「あ…あのおつかれさまです青八木さん」



    今泉「想像してたより遅かった―――― 何かあったんすか?」

    手嶋「……ああ まぁな

    ちょっとしたデスゲームをしかけられてな バトってた 広島とな」

    「広島!!」

    小野田(……手嶋さん やっぱり闘ってたんだ!!)


    フルフル震えながら青八木の方を見ている鏑木

    青八木「…?」

    1 (2)

    鏑木「青八木~~~~~!! よく帰ってきた青八木~~~~~~!!」

    青八木「コラ 何度も言うがオレは3年だぞ そしておまえは1年だ」

    鏑木「オレ 青八木さんに言おうと思ってたことがあるんです!!」

    青八木「きいてるか?きいてないな」

    鏑木「小野田さんに信じろって言われて オレ“言う”ってずーと思ってたんす!!」

    青八木「聞く気ないな」

    鏑木「“言おう”と思ってたんす!! すげぇ!!

    よかったす その瞬間が再びおとずれて!! よかったすホントに!!

    青八木さん!! 改めて言わせてください!! あのっすね!! えっとすね!! ぐああ」

    1 (3)

    「感激に言葉がでない!!」

    『おいコラ―――!!』

    今泉(かんじんな時に…言いたいことがでてこないとは…)

    鳴子(こいつホンマもんのアホやな)

    鏑木「まってください言わせてください えっとすね」


    小野田「あの手嶋さん!! 合流早々ですが 実はゆっくりしてる時間はありません」

    手嶋「だろうな」

    小野田「今泉くんも鳴子くんも箱根学園が動けば追うつもりでした

    でも 皆で話してギリギリまでがまんして手嶋さんたちを待ってました!!」

    手嶋「だろうな……状況は見えてる

    協調して先頭に追いつき 共に走ってるはずの箱根学園の姿が

    1 (4)
    すでにない!!」

    今泉「数分前に加速して視界から消えました」


    泉田《もう十分だ さぁいこう!! アブ!!》

    黒田《よっしゃいくぜ ブハ!!》

    《箱根学園加速だ!!》

    《おお!!》



    小野田「オーダーをお願いします!! 手嶋さん!!」

    手嶋「勝負所に備えてクライマーをどんなに揃えても

    先頭にいなきゃ勝負になんないのがロードレースだ」

    1 (5)

    手嶋「追いつくぞ先頭に!! 何をしてでも!!

    オーダーだ!! 山が始まる前のこの平坦区間の間に箱根学園をとらえる!!

    出ろ鏑木!!」

    鏑木「はいッ!!」

    手嶋「鳴子!!」

    鳴子「はいな!!」

    手嶋「青八木!!」

    青八木「……!! ああ純太!!」


    「追撃開始だ!!」

    「ほぅるあああ!!」



    今泉(この局面で鳴子を使う!!

    そうだ そうでもしなきゃこの差はうめられない!!)



    鏑木「ほうるああ!!

    ヤバイっす!! ハコガクとの協調もすげぇ楽しいって思ったけど

    これ やっぱ
    1 (6)

    6人のチームメイトが揃ってが一番楽しいす!!ハハッ!!」

    小野田(すごい 鏑木くん 速い!! 引っぱられてるみたいだ)



    鳴子「アホっか鏑木!! 前 追って大変な時に楽しいってどゆうことやねん!!」

    鏑木「鳴子さん!! あ すいませ」

    鳴子「カッカッカ!! ワイも楽しいけどな!!」

    鏑木(へ!?)

    鏑木に代わり先頭に出る鳴子

    1 (7)

    鳴子「見さらせ!! これが浪速の派手男!!

    元スプリンターでスピードマン鳴子章吉 炎の走りじゃい!!」

    鏑木「うっく ちょっ速っ 鳴子さん く…やば」

    小野田(速い 鳴子くんやっぱりすごい でも

    1 (8)

    皆 気持ちは同じなんだ…!! 苦しいけど大変な状況だけど

    やっぱり6人揃うと――――――

    心強い!!

    不思議と苦しい道のりが

    過酷な時間が

    楽しく感じられるんだ!!)



    小野田「今泉くん!きづいてる?

    こんな時 言うのもちがうかもしれないけど 今回――――

    ボクらの このインターハイで全員で 6人揃って走るのって

    1日目のスプリント以来なんだね」
    1 (9)

    今泉「(――――――!!

    そうか…1日目は山で皆バラバラにされた

    2日目は鳴子が先頭に喰らいついていた

    6人全員揃って…ってのは――――)

    だいぶ 久しぶりなんだな すげぇな

    どうりで足が軽いわけだ!!」

    小野田「うん!!」


    青八木「代わる」

    鳴子「! 青八木さん 何すか すまして――

    青八木さんは楽しゅないんすか この超ハードな状況!!」

    青八木「……」 じっと鳴子と鏑木を見つめる青八木

    「!」

    1 (10)

    「楽しくないわけないだろ

    最高の気分だよ 皆と走るこの時間が!!」

    「カッカッカ 青八木さん どこまでスプリンターなんすか」

    「ハハッ青八木さんにも楽しいと思うことがあるんすね――」

    「コラ鏑木」

    「おい」


    手嶋(最高の時間だよ ホント

    けど そいつは――――

    それほど長くは続かない――――

    いよいよ始まるインターハイの最終局面 この先へは
    1 (11)

    全員が たどりつけるわけじゃない)

    ◎チームの幸せな時間。しかし、これからは…!?


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