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    キングダム 第530話 『必殺の別働隊』

    ナレーション~

    朱海平原・秦軍左翼・・・・。

    苦境に陥った趙将・紀彗を討ち取るべく飛信隊が往く!!!


    飛信隊

    「敵は正面の麻鉱軍と裏の楽華隊に意識が集中している」

    「飛信隊(オレ達)はその間を刺し抜いて一気に本陣の紀彗を討つ!!」


    「分かっただが 集中しているっつったって守りがいないわけじゃねェ」

    「娘軍師は危ねェからこの辺で止まっとけ」


    「わかってる もう少しだけ」


    「・・・・テン 旗を掲げさせろ」


    「えっ」

    「何でわざわざ・・・」


    「この数で突っ込んで紀彗が気付かねェはずがねェ」


    我呂
    「だったら堂々とっ・・・てか」



    「飛信隊の力を知らしめる」

    「・・・・・そしてっ・・・」

    「俺はこの戦いで〝将軍〟になる!」
    1


    羌瘣
    「・・・・・・」

    「うん」


    飛信隊
    「全旗掲げろォ」

    「飛信隊が突撃だ!! 行くぞォ!!」

    「オオ」
    2


    趙軍兵
    「急報ーっ」

    「紀彗様 東側側面より敵騎馬が駆け上がって来ます!」
    3



    紀彗
    「何ィ」



    趙軍兵
    「数はおよそ六百から一千!」

    「!!」

    紀彗軍兵
    「くっ・・・この手一杯の状況でさらに一千近くだと!?」

    「紀彗様」


    紀彗
    「・・・・・・」


    趙軍兵
    「さっさらに・・・」

    「敵の旗には〝飛〟の文字・・・」



    「かっ・・・駆け上がって来ているのはおそらく〝あの〟っ〝飛信隊です〟!」


    紀彗
    「!!」

    紀彗軍
    「!!」


    「なっ・・・・・」

    「何だとォ!?」



    伝令
    「報告! 東からの新手っ・・・飛信隊が第一陣を突破して上がって来ます!」

    (ドガガッ)


    紀彗軍兵
    「!」



    紀彗軍兵
    「・・・・・飛信隊は正直侮れぬ・・・」

    「黒羊では奴らの急襲で慶舎様が・・・」

    「その流れで劉冬様も・・・」


    「・・・・・・・いかん・・・何か対処せねば奴ら間違いなく本陣まで・・・」


    「紀彗様」


    「紀彗様」

    紀彗

    「・・・・・・」


    (黒羊の因縁の相手 飛信隊)

    (今度は王翦の〝必殺の別働隊〟としてこの紀彗を取りに来たか・・・・・・)

    (だが一度戦っている分 その力を見誤ることはない!)

    「後ろの陣を解いて最終防陣まで退がるぞ」


    紀彗軍兵

    「!? えっ」


    「本陣最後の守りに・・・」

    「しかし上に立て籠もると万が一の時の逃げ場が」

    「それよりも後方はこのままで 前の馬呈様に飛信隊を止めてもらった方が・・・」


    紀彗

    「ならん! 正面も針の一刺しで守りが崩壊しかねん戦況だ」

    「正面が崩れれば〝全てが〟終わる」


    紀彗軍兵
    「・・・・・・紀彗様」

    「しかし最終防陣に退がり立て直すその前に恐らく・・・」

    「奴ら飛信隊は来ます!」


    紀彗
    「・・・・・・」

    (その通りだ!)


    新たに現れた騎馬隊
    「我々が行きます!」

    (ドガガガ)


    紀彗軍
    「!」

    「!」

    「あっ」

    「お前達は・・・」

    「劉冬将軍の親衛隊!」

    劉冬将軍の親衛隊
    「我ら二百騎で奴らの足止めを・・・」


    「いや・・・」

    「刺し違えてでも飛信隊隊長信と」

    「副長羌瘣の首を!!」
    4


    紀彗
    「・・・・・・お前達・・・」



    【丘正面 馬呈軍】

    馬呈軍兵

    「馬呈様 飛信隊が東の第二陣を抜いた模様です」


    馬呈
    「くそォ 城主から何か指示は!?」


    馬呈軍兵
    「まだ何も」

    馬呈
    「・・・・・・くっ つってもこっちも動きたくても動けねェ」

    「麻鉱とかいう秦将 一体どういう練兵してやがる・・・」


    「ん!?」


    馬呈軍兵
    「馬呈様 騎馬隊が飛信隊の方へ」

    「あっあの旗は・・・劉冬様の・・・」


    「馬呈様!」


    馬呈
    「・・・・・・」

    「うるせェ! 見えてるよ」


    「あいつら・・・・・・」


    馬呈軍兵
    「・・・・・・」


    馬呈
    「劉冬・・・」


    「しっかり見守ってやれよ」


    飛信隊
    「!」「!」


    「信 新手だ」

    「来るぞォ」


    羌瘣
    「!」〝劉〟の文字の旗に気づく


    劉冬将軍の親衛隊
    「オラァ」

    「死ねェ飛信隊」


    飛信隊
    「!」

    「!」

    「ぐあっ」

    「ヌオッ」


    劉冬将軍の親衛隊
    「チィ」


    飛信隊
    「くァァ」


    劉冬将軍の親衛隊
    「死ねっ」

    「死ねェ」



    飛信隊
    「ぐっ」

    「がは」

    羌瘣が斬りつける


    劉冬将軍の親衛隊
    「! 貴様がっ」


    「羌瘣だな」


    「死っ」


    羌瘣が一瞬で斬る
    5

    (ドガヒ)



    劉冬将軍の親衛隊
    「おの・・・れ・・・」

    「劉冬さ・・・」


    「・・・・・・」

    飛信隊
    「すげェ」



    「・・・っ」

    「突破するぞ飛信隊」

    「本陣は目の前だっ」

    「オオ」


    趙軍
    「行かせるかァ」


    【丘裏 楽華隊】

    蒙恬
    「飛信隊が来てる!?」


    楽華隊兵
    「間違いありません!」


    「我々と麻鉱軍の間を駈け上がって来ていると!」
    6


    蒙恬
    「そういう使い方するために王翦将軍は飛信隊を中央に・・・?」

    「・・・・・・」


    「って おかしいでしょ 〝おいしいとこ〟取りは楽華隊(うち)の得意技だって」


    「全員押し込むぞっ 飛信隊の出現を〝利用して〟一気に駈け上がる!」


    楽華隊
    「オオ」


    【丘正面 麻鉱軍】


    麻鉱軍兵
    「将軍 右手より飛信隊が本陣目がけて駈け上がった模様です」


    麻鉱
    「!? 飛信隊!?」


    「・・・・・・どういうことだ」

    麻鉱軍兵
    「王翦様の本命は飛信隊だったとでも言うのか」


    麻鉱
    「・・・・・・・」


    「我が殿の策はそういう浅いものではない」


    麻鉱軍兵

    「!」

    「!」


    麻鉱
    「戦は〝流れ〟だ」

    「どれでも本命になりうる流れ これが敵にとって最も恐ろしい戦局よ」

    7
    「無論 左(ここ)の主役はあくまでこの麻鉱であるがな」
    「頃合いが残りの精鋭部隊を突撃させよ」
    「紀彗を本陣ごと濁流に沈めてやる」



    麻鉱軍兵
    「ハハァ」

    場面が変わり、紀彗軍

    紀彗軍兵
    「・・・・・・紀彗様」

    「正面の麻鉱軍が」


    「ぐっ・・・これは・・・」


    紀彗
    「・・・・・・」


    紀彗軍兵
    「いよいよ全軍攻撃か・・・」



    紀彗
    「・・・・・・・〝ここ〟か」
    8


    紀彗軍兵
    「紀彗様 とっとにかく早く本陣へっ」

    「本陣より馬呈軍に援軍を送る指示を」

    「他の軍の戦況も把握せねば・・・」


    紀彗
    「!?」


    趙軍を蹴散らし、こちらへ向かって来る軍隊がいる

    紀彗軍兵
    「え!?」


    「紀彗ィ」


    紀彗軍兵
    「飛信隊!!」

    「・・・・・・バカなっ」


    紀彗
    「・・・・・・・」

    (やはり来るか飛信隊・・・)


    紀彗軍兵
    「何をしてる 守備兵 奴らをからめ取れっ」


    「馬だっ」

    「馬を狙えっ」


    「紀彗様は上にっ」


    (ドオッ)


    紀彗軍兵
    (ビクッ)

    「!?」

    「!?」


    「なっ何だこの喚声は」


    伝令
    「報告 裏の敵が第三陣の一部を突破!」

    「けっ決壊した場所からものすごい数が駆け上がって来ます」
    9


    紀彗軍兵
    「何だとォ!?」


    飛信隊
    「ヌオオ よォし追いつめたぞ紀彗め」

    「思ったより楽に来れたな」

    「麻鉱軍と楽華が頑張ってるからだろ」


    「絶対ここで決めるぞ」
    10



    楽華隊
    「蒙恬様 本陣が見えて来ました」


    蒙恬
    「陸仙 右に回って紀彗の退路を断って!」


    陸仙

    「ハ ご武運を」



    紀彗軍兵
    「くそ 飛信隊め!奴らの出現でメチャクチャに・・・」


    「紀彗様 奴らが来る前に今すぐ本陣を捨てねば」

    「!」

    「!」


    「バカな 本陣を捨てて逃げれば馬呈軍は背から攻撃を受け全滅するぞ」

    「脱出するなら馬呈軍も同時に動かかさねば」


    「そんな暇はない グズグズしていたらここから脱出できなくなるぞ」

    「ならん本陣を捨てるなら馬呈軍も同時だ」


    「紀彗様」


    「紀彗様」



    紀彗
    「本陣は捨てぬ」

    「ここで飛信隊を止めることに全力を注ぐ」



    紀彗軍兵
    「!?」

    「えっ」


    「むっ無茶です 裏からも駈け上がって来ています」

    「三千以上です」

    「たとえ飛信隊を止めても」



    紀彗
    「ならん 〝今のこの形〟を崩すわけにはいかぬ!」


    紀彗軍兵
    「!?」

    「い・・・今の・・・この形!?」


    紀彗
    「窮地にあるのは・・・」


    「我々だけではない」


    紀彗軍兵
    「・・・・・・」

    「・・・・・・」

    「え!?」


    紀彗
    「目を光らせているのは」

    「王翦だけではない・・・」



    紀彗軍兵
    「?」

    「?」


    戦況を見守る麻鉱


    麻鉱
    「・・・・・・」


    ふと左を見る麻鉱


    紀彗
    「〝必殺〟の別働隊を用いるのは・・・」


    「王翦だけではない」


    麻鉱のすぐ左手に李牧が迫っていた
    11


    麻鉱の喉元に李牧の刃が刺さる

    (ドス)
    12


    麻鉱
    「り・・・」


    ナレーション~

    別働隊を自ら率いる趙軍総大将・李牧の覚悟が、

    秦の〝喉元〟に突き刺さるッ!!!

     

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    キングダム 第526話 『槍と鉄槌

    ナレーション~

    鋭き槍術の使い手・王賁と謎に包まれる馬南慈との一騎打ち!!

    この決闘を制する者は・・・!!?



    王賁の槍が馬南慈を突く
    (ド ド ドン)
    1 (1)


    (ドン)


    (ドン)



    馬南慈

    「!」



    ナレーション~

    全身全霊。渾身の一閃・・・・。


    (ドゴ)



    玉鳳隊

    「・・・・・・」

    「・・・・・・」


    「す・・・」

    「すごい・・・」


    「ああ」


    「久々に賁様の本気を見たが・・・これまでの早さと正確さに加えて」

    「まるで魏火龍 紫伯の槍のような破壊力まで・・・」


    「副長・・・あの紫伯を沈めた賁様の槍はいよいよもう・・・」



    じぃ

    「う うむ・・・」

    (間違いなく〝中華の五指〟に入る・・・)



    王賁の槍を防ぐのに精一杯の馬南慈

    (ドン)

    (ドガガッ)



    馬南慈

    「くっ・・・」



    馬南慈部下

    「馬南慈様」

    「将軍」



    馬南慈

    「・・・・・・うろたえるな」

    「まともには まだ一発もくらっておらぬわ」


    馬南慈部下

    「馬南慈様」


    馬南慈

    (・・・・・・とは言え)

    (こんな槍使い初めてだ)

    (報告にはあったが玉鳳 王賁の武がこれ程とは・・・)

    (ビュ)  (ボッ)  (ドガガ)

    (ドガガッ)



    馬南慈

    (矛を振ろうにも)

    (間合いに入る前にすさまじい連打が飛んできよる)



    (ズドド) (ドド)



    「ぐっ」


    「・・・・・・」

    (あと数手 手合わせをすれば慣れてもこようが・・・)



    馬南慈部下

    「将軍」

    「馬南慈様」


    「思ったより刻がありませぬぞ」



    馬南慈

    「分かっておる」

    (そのヒマもない)


    馬南慈部下

    「いったん離脱しましょう このままでは」


    馬南慈

    「・・・・・・ ・・・・・・」

    「フッ」

     

    「バカな」



    「こ奴にはまだ」

    「この馬南慈の」



    玉鳳隊兵士

    「!?」

    「賁様 お気をつけを その男 何かっ・・・」


    馬南慈

    「鉄槌をくわらしておらぬわっ」


    矛を王賁に振り降ろす馬南慈



    王賁

    「!」


    玉鳳隊兵

    「あっ」

    (バキ)



    馬南慈が王賁の右手を掴んでそのまま双方 馬から落下する
    1 (2)


    馬南慈の拳が王賁を狙うも王賁がかわし、地面を叩く


    (ドゴ)
    1 (3)



    緊迫した表情で見いる玉鳳隊


    上にいた馬南慈をかわす王賁


    (ブン)



    王賁

    「!」

    (ド ザザ)



    馬南慈

    「・・・・・・かわしよるか」

    「匈奴の人間離れした腕利きの頭をこれで何人も殴りつぶしたのだがなァ」



    馬南慈部下

    「馬南慈様」



    部下が馬南慈に矛を投げる


    (パシ)

    受け取る馬南慈



    馬南慈

    「ああ」

    「分かっておる」
    1 (4)
    王賁に矛を振り下ろす馬南慈

    王賁は下から槍を構える

    (ドド) (バッ)


    王賁

    「!」


    じぃ

    「亜光軍!?」



    亜光が馬南慈の後ろから攻撃をしかける

    (バギ)
    1 (5)


    (ドガガガ)



    馬南慈の矛を持つ手が痺れている

    (ビリビリビリ)



    馬南慈

    「どうやら貴様の方が相性が良さそうだのォ」


    「秦将ォ」
    1 (6)



    亜光

    「・・・・・・」

    亜光の矛を持つ手も痺れている

    (ビリビリビリ)



    馬南慈を囲む部下たち

    「馬南慈様」

    「将軍」


    馬南慈

    「・・・・・・フン」


    「猛者二人同時に鉄槌を落とすには 連れてきた兵力が少々不足していたか」



    亜光

    「逃げれると思うか」


    王賁も馬に乗り態勢を立て直す


    玉鳳隊

    「賁様」


    王賁

    「・・・・・・」



    馬南慈

    「逆に」

    「こんな初日でこの馬南慈の首が取れるとでも?」



    王賁

    「ん?」


    玉鳳隊

    「!?」


    (ドドドドッ)


    「後ろから 敵軍!?」


    「あっ」


    「!」


    「ぐあっ」


    「何っ」



    離れた所で戦況を見つめる趙峩龍

    趙峩龍

    「・・・・・・」

    趙峩龍部下

    「あれは・・・」


    趙峩龍

    「最初に別れて盾となっていた馬南慈軍だ」


    秦軍を攻める馬南慈軍

    「オオオ」

    (ドドド)

    (ザバ) (チィ)


    馬南慈

    「偏りすぎだ秦軍」
    1 (7)

    「この場の趙将っは儂一人ではないぞ」


    趙峩龍部下

    「こちらの第一陣が復活する?」


    趙峩龍

    「ああ」

    「馬南慈が秦軍左に突っ込み どうやら秦将もそこに集まった」



    「結果生じたこの秦軍横陣の〝力の歪み〟」

    「押し込まれていた岳嬰軍が息を吹き返すには十分の〝スキ〟だ」



    岳嬰

    「巻き返すぞ者共ォ」


    岳嬰軍

    「オオオ」


    趙峩龍

    (やはり・・・)

    (相当戦が分かっておるな馬南慈・・・)


    趙峩龍部下

    「さらに我々が出陣すれば形勢は一気にこちらに傾くのでは」


    趙峩龍

    「・・・・・・」


    「いや」


    「この趙峩龍軍の出陣は敵がもっと弱ってからだ」

    「十分に弱ってから食しに行く」
    1 (8)



    ナレーション~


    その頃 秦軍中央本陣では

    信が王翦に呼び出されていた


    王翦部下

    「将軍 飛信隊 信が来ました」

    (っておい許しが出る前に行くなっ)



    「・・・・・・」

    王翦に近づく信

    (ドガガッ)


    信の方を見る王翦



    「・・・・・・」

    「・・・・・っ」


    「やっと飛信隊(うち)の出番か王翦将軍 ずい分もったいつけ・・・」


    王翦

    「ハ百騎選べ」



    「や・・・」

    「は・・・」


    「えっ!?」



    王翦

    「隊内で足の速い八百騎を選りすぐって今すぐ出陣せよ」



    「八百で・・・」

    「出陣・・・」


    「どっどこへ・・・」

    「どっちの戦場へ!?」



    王翦

    「・・・・・・」


    王翦

    「左だ」




    「!!」

    「左・・・」

    (楽華隊がいる方か・・・!!)



    王翦

    「左の戦場へ割って入り・・・」

    「お前が趙将 紀彗の首を取って来い!」
    1 (9)



    「! えっ!?」

    ナレーション~



    王翦から告げられた指令、それは紀彗の首取り!!!

    白熱極まる戦場で成し遂げられるのか!!?


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    キングダム 第524話 『覚悟の比重』

    ナレーション~

    ただひたすらに、

    真摯に矜持を貫いて・・・・。
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    ナレーション~


    王翦軍第一武将・亜光による突撃!!

    烈火の如く突き進むその威圧的攻撃に趙軍は・・・!!?



    玉鳳隊

    「・・・・・・っ! 敵と亜光軍がっ」

    「ぶつかるぞっ!」
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    戦況を見つめる王賁と関常



    亜光

    「オオ!」



    真正面からぶつかり合う亜光軍と趙軍



    (ド ゴギァ)
    1 (1)


    (ボゴゴ ゴゴゴ)



    「ぐわっ」


    「ビヒィ」


    「あ‶っ」


    「ぶわっ」


    「!!」


    「ギア」



    玉鳳隊兵

    「ぐっ」

    「まともに・・・」



    王賁 じぃ

    「・・・・・・」



    玉鳳隊兵

    「これは・・・両軍共に・・・」



    関常

    「いや」


    王賁

    「!?」



    関常

    「亜光軍は」

    「ここからが強い」



    亜光軍が自軍の前方の兵士をも踏み潰して進軍する
    1 (2)

    驚く趙軍兵

    「なっ」

    「こ・・・こいつら」


    「〝味方の兵士ごと〟・・・」


    じぃ

    「じっ 自軍の兵も関係なく踏みつけて突進するじゃと!?」
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    関常

    「そうだ」


    王賁

    「・・・・・・」


    関常

    「後ろから来る騎兵は前に〝何がいようと〟絶対に馬の脚を落とさぬ」

    「たとえ そこに親や兄弟がいたとしても」



    「・・・・・・」

    「〝全速力〟だ!」


    「その非常な程の躊躇の無さが相手側と大きな力の差を生む」

    「故にこれまで亜光軍は正面からのぶつかりで負けたことが一度もない!」



    玉鳳隊

    「あっ見ろっ 亜光軍が圧倒的に」

    「押し込んでる!!」


    何人もの趙軍の首をはねる亜光

    (ドパ)



    趙軍兵

    「ギャッ」


    亜光

    「・・・・・・」



    関常

    「・・・・・・玉鳳の騎兵も正直 今や全秦軍の中でも指折りの実力だと思います」


    「・・・が あそこまで勝負に徹する冷酷さはさすがに持ってはいない」


    「父君の第一将の軍はあなたが思っているより何倍も強いですよ 若」
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    王賁

    「・・・・・・」


    亜光軍

    「前にいるもの全てを薙ぎ払えェイ!!」


    「オオ」


    場面が変わり、【趙軍 岳嬰軍】

    岳嬰軍兵

    「岳嬰様! 右方が大きく敵に押し込まれています」


    「左方もです」


    岳嬰

    「・・・・・・」



    岳嬰軍兵

    「・・・バカな」

    「我々の所以外 劣勢に・・・」



    岳嬰

    「・・・・・・」

    (前攻に特化した軍か・・・)


    「少々甘く見ておった 行くぞ 敵将に近づきまずは奴らの足を止める」



    岳嬰軍兵

    「ハハァ」
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    戦況を見つめる馬南慈と趙峩龍


    馬南慈

    「・・・・・・」

    趙峩龍

    「・・・・・・」



    馬南慈

    「趙峩龍殿 なぜ第一陣を岳嬰に譲られた?」


    趙峩龍

    「・・・・・・」

    「岳嬰とその軍は強い」


    「その軍がまず ぶつかれば敵の力量が測れるからです」


    馬南慈

    「ハハ 私も同じ考えであった」
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    趙峩龍

    「そして早くも敵が二万と見て侮ってはならぬ相手だと分かりました」


    馬南慈

    「同感だ」

    馬を前に進める馬南慈

    (ドゴラ)

    「では第二陣が私が」


    「月宝」


    月宝

    「ハッ出るぞ」


    馬南慈軍

    「オオ オオオ」


    趙峩龍

    「少々早いのでは」


    馬南慈

    「なァに・・・」

    「私は北方育ちで なかなか愛国心とか言われるとピンとは来ぬのだが」

    「さすがに今回の秦の侵攻には 思うところがありましてなァ」

    「奴らはこの一国を滅ぼすつもりで来ている・・・・・・」
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    「道を踏み外す程に思い上がった愚か者共に

    実はずっとこの馬南慈の怒りの鉄槌を喰らわしたく思っておったのですよ」
    1 (3)



    亜光軍

    「押せェ」


    「押し込めェ」



    趙軍

    「ぐはァ」



    亜光軍

    「殺せっ」

    「亜光軍の力を趙軍に叩き・・・」



    「つけぼっ」
    1 (4)



    馬南慈の一撃で秦軍兵、数人の首が飛ぶ


    (ドン)



    亜光軍兵

    「!?」

    「!?」

    「!?」


    「!?」


    「!?」


    「なっ」


    (ズパン)
    1 (5)


    「えっ」


    「あっ!」


    「左っ」


    「敵軍っ ぐあっ」



    【亜光軍 第二陣(兵五千)】

    「! 敵の別働隊が左からっ・・・」

    「くっ まずい」



    「第一 第二隊 助けに行くぞ」

    「ハ!!」

    (ドドドド)



    亜光軍 第二陣兵

    「!」

    「ん!?」



    「左奥から こちらに向かって敵が来ます」

    (ドドドド)


    「何っ!?」



    ナレーション~

    参戦してきた馬南慈は軍を主攻三千と助攻七千に分け

    助攻七千を援軍に出るであろう亜光軍第二陣にぶつけ壁を作り

    主攻三千で亜光軍第一陣の脇腹に強烈な横撃を加えた
    1 (6)



    趙峩龍

    (・・・・・・)

    (ただの武偏重の猛将ではなく 戦術眼も鋭い ・・・・・・やはり)

    (あの李牧様が副官に据えるだけのことはある)
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    どんどん秦軍を斬り進む馬南慈 (ドパ)


    趙峩龍

    (・・・・・・)

    (これで持ち合わせる〝武〟が介子坊や廉頗に近しいとするなら馬南慈は・・・)


    (この李牧軍対王翦軍の戦いそのものの勝敗のカギを握る男やもしれぬ)
    1 (7)


    亜光軍

    「亜光様 左で異変が!!」


    「敵襲を受けている模様です!」



    亜光

    「・・・・・・」



    【亜光軍 第二陣】

    亜光軍

    「ヌオオ 亜光将軍を助けに行かねば」


    馬南慈軍

    「行かせるか 死ねェ」


    亜光軍

    「ぐあ」

    「くそ ダメだ こいつらを抜けぬ・・・」

    「ぶお」


    ナレーション~

    ・・・・が

    その時、・・・



    乱戦中の亜光軍第一陣と第二陣の間の空間を疾走する騎馬隊があった


    (ドドドドド)


    亜光軍

    「ん!?」
    1 (8)

    馬南慈軍

    「!?」

    「!?」


    「何っ!?」


    「合間を騎馬隊が」

    「〝どっちの〟隊だ!?」


    「どこから来た!?」


    「・・・・・・」


    (ドドドドド)


    「馬南慈様 外に我々と並走する騎馬隊がっ」


    「あれはっ 味方ではありません!」



    岳嬰も並走する騎馬隊に気づく

    「・・・・・・」



    王賁

    「ここから入るぞ」

    玉鳳隊

    「オオ」



    岳嬰

    (中間を討って前を孤立させる狙いか・・・!)


    「千備」

    「右より新手だ」


    千備

    「! ハ!」



    岳嬰軍兵

    「来たぞ 返り討ちだッ」

    「オオ」



    趙軍を槍で突き、進軍する王賁
    1 (9)

    (ドド ズドド)



    趙軍兵

    「!」

     

    「!」



    関常

    「後で亜光将軍から説教ですな」

    王賁

    「うるさい」



    ナレーション~

    劣勢の危機的瞬間に飛び込んだ玉鳳隊!!

    指令放棄ながら戦況を一変させた王賁の手腕は如何に!!?


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    キングダム 第522話 『左翼の絶望』

    ナレーション~

    王翦の放った強大なる策が発動!!
    紀彗が大将を務める趙右翼に鋭き軍勢の槍を投げる!!!



    戦況を見下ろす王翦軍



    王翦軍兵

    「・・・・・・」

    「王翦様」



    「どうやら・・・」

    「〝左翼本軍〟が攻撃を始めた模様です」



    【趙 右翼 紀彗軍 本陣】



    紀彗軍兵
    「くっ 紀彗様っ・・・」
    「・・・・・・」

    「敵の第二波っ・・・」



    紀彗

    「・・・・・・」


    紀彗軍兵
    「騎馬およそ五千が・・・」

    「前線にまもなく突撃をっ・・・」
    「きっ 紀彗様」

    「その奥の敵軍の姿が見えてきました」



    「何っ」

    「・・・・・・」
    「!?」



    「何だ!? 二軍いるぞ」



    紀彗

    「・・・・・・」



    紀彗軍兵
    「何っ報告では 一軍だったはず・・・」



    紀彗

    「いや あえて一軍を〝二つの波〟に分けたのだ」




    紀彗軍兵

    「えっ!?」



    「・・・・・・」


    「・・・・・・」



    「な 何だ これは・・・」
    「〝波状攻撃〟だ!」
    紀彗

    「・・・・・・」



    紀彗軍
    「・・・・・・」
    「・・・・・」


    ナレーション~
    押し寄せる恐怖の波に、絶望がうねる・・・・・。
    1 (9)

    紀彗軍

    「・・・・・・」

    「・・・・・・」
    「・・・・・・」

    「・・・・・・」
    【麻鉱軍第二波 襲撃】
    紀彗軍

    「がは」

    「ぶっ」

    「ギヒ」

    「ぐあっ」

    「ギャアッ」
    1 (1)



    「くっ くそっ」

    「ぐホ」



    「も もう新手が」

    「どうなってる」



    「ぎえっ」



    「・・・・・・ダメだ」

    「隊形がズタズタに」
    「!!」



    麻鉱部下

    「麻鉱様」
    「第二波がうまく入ってきました」
    1 (11)


    麻鉱
    「うむ」 シ体をぐりぐりしながら…
    麻鉱部下
    「黒羊で名を上げた紀彗軍」
    「少々期待しておりましたが・・・」
    「我らにかかれば大したことはなさそうですな」

    「第二波までで ここまで〝一方的〟になるとは」



    紀彗軍兵
    「があっ」
    「ヌオオ」
    「兄者ァ」
    「ぐっ・・・」
    麻鉱
    「〝陽動〟の功だ」
    麻鉱部下
    「・・・・・」

    「楽華隊ですか」
    麻鉱

    「ああ」



    「噂のあの紀彗軍を」

    「正直ここまで翻弄するとは思っていなかった」
    「口だけかと思ったが」

    「やりおるわ 蒙家の嫡男め」
    1 (10)



    回想~
    王翦将軍と麻鉱と蒙恬



    蒙恬

    「・・・・・・左翼本軍到着までの〝囮〟の役目」
    「しかと承りました」



    麻鉱

    「分かっておるな楽華隊 蒙恬 重大な役目だぞ」

    「全王翦軍の中で〝最強の攻撃力を持つ〟この麻鉱軍の力を」
    「どういう形で趙右翼軍にぶつけるかはお前達の働きにかかっている」



    蒙恬

    「・・・・・・」
    麻鉱

    「フッ まァ仮にお前達が失敗しても」
    「左が負けるということはないのだがな」



    一ミリも臆する様子もなく麻鉱をガン見しつづける蒙恬

    にらみ合う両者
    1 (12)


    麻鉱

    「・・・・・・」



    麻鉱

    「フッ 王翦様」

    「生まれの良さを鼻にかけた目つきをするこの若造に 何か囮となる策を一つ・・・」
    蒙恬

    「必要ありません」
    麻鉱

    「!?」
    「何っ」



    蒙恬

    「心配せずとも楽華隊の戦い方できっちり麻鉱軍の〝波状攻撃〟につなげますよ」



    王翦将軍

    「!?」

    麻鉱

    「!?」



    麻鉱

    「・・・・・・」
    「貴様 なぜ我が軍が波状攻撃をかけると知っている・・・」
    王翦

    「・・・・・・」



    蒙恬

    「最高の形を作って待っているので」

    「そこからはしっかり頼みますよ 麻鉱将軍」

    「もたついたら〝主攻〟の座をうちがもらいますからね フフ」



    麻鉱

    「・・・・・・」

    王翦

    「・・・・・・」
    1 (2)

    ~回想 終わり



    どんどん攻め入る秦軍
    紀彗軍兵

    「・・・くっ」
    「何だ この数は」
    「あっ」
    「ギャア」
    「やっ奴らどれだけ大軍で来てるんだ」



    「くうっ」
    ナレーション~
    現場の兵士は見えていなかった敵の奇襲を受けた時
    その数を実際よりはるかに多いと錯覚してしまう
    紀彗軍兵

    「・・・・・・」

    「・・・・・・」
    ナレーション~
    さらにそこへ
    五千もの騎馬第二波が加わったことで
    紀彗兵は敵が数万にふくれ上がったような重圧を受け
    大きく士気をさげさせられた



    紀彗兵
    「っ・・・・・・」

    「くっくそォ」

    「ギャア」
    「くっ来るっ」

    「チキショオ」
    ナレーション~

    しかも これが第三波 第四波と続いてくるのである

    この強烈な波状攻撃をさらに横腹に喰らえば

    もはやこの戦場の勝敗は

    決したも同然である



    紀彗兵
    「・・・・・・」

    「・・・・・・」



    「・・・・・・」
    「・・・・・・フッ」
    「・・・・・・」
    「・・・・・・」

    「・・・・・・」



    ナレーション~
    だが この軍の大将 紀彗がそれをさせなかった
    1 (3)

    紀彗

    「大至急 呂劇の騎馬一千を左から出せ!!」

    「乱戦の場は無視して奥から来る第三波の左前方に突撃させろ!」



    「右にいる馬呈を救いに行った一万は馬呈を助けるまでは呼び戻すな!」
    「馬呈と合流したら馬呈を将として同じく敵第三波の右へ突っこませよ!」



    紀彗兵

    「きっ 紀彗様・・・」

    「ここから・・・立て直しを・・・」
    紀彗

    「当たり前だ!」
    紀彗兵
    「・・・・・・」

    「・・・・・・」



    「ならば本陣を後ろへ」
    「一度後退し前線を作り直さねば! 今は敵の勢いをまともに受けています」
    紀彗

    「ならん!」
    「退がれば敵の波はどこまでも追ってくる」


    紀彗軍兵
    「!」
    「!」



    紀彗

    「本陣は動かぬ全陣に本陣死守の令を出し奮い立たせよ!」
    紀彗軍兵
    「!」
    「・・・・・・ハ!」
    紀彗

    「後軍を前に押し出せ」

    「声の限り離眼のかけ声を上げさせながらだ」
    紀彗軍兵
    「ハ!」
    紀彗
    「敵が少数であることも全隊に伝えよ」
    紀彗兵

    「!?」
    「し 少数!?」



    紀彗
    「お前達は王翦の策にまんまと〝乗せられている〟」
    紀彗兵

    「!?」
    「!?」



    紀彗
    「大軍が押し寄せたと錯覚しているが 敵は五千ずつの四波」

    「つまり二万で 対する我が軍は三万だ」
    紀彗軍

    「!?」
    「え」
    「あ」



    「最初に居た五千と足しても敵は二万五千」

    「我々の方が五千も・・・多い」
    紀彗
    「総数で負けているから王翦はその差を奇策で埋めるしかなかったのだ」

    「単純な戦力はこちらが上だ!」
    「今の流れに押しきられさえしなければ・・・」
    「この〝数の差〟と」


    「〝離眼兵の質〟で必ず勝てる!!」
    1 (4)

    「巻き返すぞ離眼の男たちよ!!」



    紀彗兵

    「オオォ オオ!!」



    ナレーション~
    この時 紀彗は
    一つだけ事実に反することを口にしていた


    最初の楽華隊の奇襲と麻鉱軍の波状攻撃で
    紀彗軍は数千の兵を失っており 兵力は同等か逆転さえしていた



    無論そこは〝承知の上での〟檄である
    紀彗

    「・・・・・・」
    「・・・・・・」


    紀彗軍部下
    「?」
    「どうかされました紀彗様」
    紀彗

    「・・・・・・」



    ナレーション~
    だが この戦局の移ろいの中で
    実は麻鉱軍以上に紀彗が〝脅威を感じる存在〟が
    〝右〟にあった



    紀彗

    「・・・・・」
    ナレーション~
    楽華隊 蒙恬である・・・・!
    1 (5)


    楽華隊兵
    「・・・・・・」

    「くそっ」

    「馬呈を討ち損じた」

    「せっかくの好機だったのに」


    蒙恬

    「いや仕方がない一万近くも敵が来たのだ」



    楽華隊兵
    「馬呈一人を救うのにまさかあんな数を出してくるとは・・・」
    馬呈

    「・・・・・・」
    蒙恬

    「・・・・・・」
    楽華隊兵
    「紀彗本軍には麻鉱軍が攻めかけているようです」
    「我々はどうしますか蒙恬様」



    蒙恬
    「・・・馬呈達が前方へ向かったということは本陣は健在で 波状攻撃の後ろを止めに行ったということか」
    じぃ

    「波状攻撃?」
    蒙恬
    「中央軍の位置から二万の麻鉱軍を動かすなら軍を分けてから走らせる」
    「そのまま波状攻撃に出るのが上策だ」



    じぃ
    「!?」
    「・・・・・・」
    蒙恬

    「どうやら紀彗軍は麻鉱軍の攻めに耐えている」

    「つまりこれは・・・王翦将軍の〝想定していた配置〟になったということだ」
    じぃ

    「!?」
    「えっ!?」


    【紀彗本陣】


    紀彗兵
    「最初の右の遊軍が挟撃してくる恐れがあると・・・」

    「しかしあれは本軍襲来のためのただの〝囮〟だったのでは」



    紀彗

    「囮で終わらすには五千の隊は大きい」
    「我々は今 秦左翼本軍の波状攻撃を止めるために全力を注がざるをえぬ状況だ」



    「その状況下にある我々に対し 森の向こうで遊軍となっているあの五千人隊は」

    「そのまま真横からでも 背後からでも決定打を撃ち込むことができる」

    「〝最大の脅威〟となってしまったのだ」

    1 (6)

    紀彗兵
    「あっ」
    「・・・・・っ」



    紀彗
    (こうなるとこの戦局はあの遊撃隊の動き次第・・・・)
    (率いる将の才覚次第で大きく変わってくるが・・・)



    (開戦からの動きを見ても あの遊撃隊の将は只者ではない・・・)
    (それに何より〝五千〟という兵力がここにきてことなら〝大きい〟)
    紀彗兵
    「紀彗様 ならば今すぐ無理をしてでもあの五千を討つべく兵を・・・」
    紀彗

    「無理だ」
    「その戦力を出せば遊軍云々の前に波状攻撃の敵に我らは敗れる」



    (・・・・・・くっ)
    (そこまで〝読む〟ことはできなかった)
    (〝挑発・陽動〟の五千人隊が)
    (秦左翼本軍襲来と我々がかみ合った戦局推移の末)



    (〝主役〟にも化けられる存在になるなどと・・・)
    紀彗
    「・・・・・・・」
    紀彗兵
    「紀彗様・・・」

    「紀彗様・・・」
    紀彗

    (だが)


    (これは恐らく偶然の流れではない)



    (信じ難いことだが左翼を五千で始めた王翦は)



    (開戦前にここまでの盤面を描ききっていたということだ・・・・・・!)
    「・・・・・・」
    (何という戦術眼)
    (これが秦軍総大将 王翦か・・・!)
    1 (7)

    【秦中央軍 王翦本陣】


    王翦軍兵
    「麻鉱軍攻勢です」
    「しかし敵も抗戦の構えです」



    ナレーション~
    左翼の戦局が伝わった時



    王翦

    「・・・・・・」
    ナレーション~
    王翦は小さくつぶやいた
    王翦

    「やはり見えておったか」
    王翦兵

    「?」



    ナレーション~
    そのつぶやきは左翼配置を伝えられた時の蒙恬の発言に対してである
    蒙恬
    「もたついたら〝主攻〟の座をうちがもらいますからね」
    王翦

    「・・・・・・」
    ナレーション~
    つまり あの時点ですでに蒙恬にも王翦と同じ盤面が見えていたのだ
    蒙恬

    「一度 敵の視界から消えようか 次の一手で 大将 紀彗の首を取る」

    1 (8)

    楽華隊

    「!」

    「ハハッ」

    ナレーション~
    王翦と同格の戦術眼を見せつけた蒙恬。
    その煌めく才格で戦況と大軍勢を手玉に取る!!?


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    キングダム 第520話 『火蓋を切る

    ナレーション~
    緊張渦巻く〝武〟の平原・・・・。

    秦趙両大軍の対峙。
    空気が張り詰める中、秦軍陣形の不可解さに一同に動揺が走る・・・!!?



    趙軍 左翼(三万)

    趙軍 中央軍(六万)

    趙軍 右翼(三万)
    趙軍 計十二万




    秦軍 右翼(二万五千)

    秦軍 中央軍(五万八千)

    秦軍 左翼(五千)
    秦軍 計八万八千
    1 (1)


    「くそっ王翦将軍め マジでどうなってんだこの布陣は」
    「飛信隊(うち)を中央軍に置くなら置くで前か せめて横に並べろよ」
    「縦に並べて最後尾ってどういうことだ!」
    「こっちからじゃ戦場が全く見えてねェし それに・・・」

    「これじゃ俺らが李牧が恐くて隠れてるみてェじゃねェかよ!」
    2 (1)


    「・・・・・」
    「!」
    (そうか・・・)
    (将軍は飛信隊(うち)を敵から隠すために最後尾に・・・)

    「・・・・・」
    (ってことは・・・)
    羌瘣

    「左側に注意を払っておいた方がいい」
    「どう考えても」
    「この戦いは左から動く」

    「・・・その通り」
    「この秦軍の全布陣・・・飛信隊(うち)の配置なんかよりも・・・」
    2 (6)

    「・・・・・・」

    (左翼の方があまりに深刻な状況・・・!!)

     
    【趙軍 本陣】

    「報告 敵右翼は二万から二万五千」

     

    「中央は奥に長く数を計りにくいですが恐らく五万強!」
    「五万強!?」
    「しっ しっかし左翼は恐らく五千程だと」



    「五千!?」
    「左翼はたったの五千だと!?」
    金毛

    (左翼が五千・・・・)
    「慎重な男かと思っておりましたが 意外の大胆ですね」



    李牧

    「・・・・ええ」
    「開戦前から〝仕掛けて〟くるとは・・・」
    2 (2)

     

    「・・・・・・・」
    「王翦」




    高台から戦場を見下ろす王翦将軍
    王翦


    「・・・・・・」



    ナレーション~
    戦はそれぞれ戦いやすい局面から始めるのが常である

    そういう意味で

    秦軍左翼の五千という数字は極端に少なく
    明からさまな〝挑発〟的布陣
    〝さっさと左翼を攻めて来い〟という王翦から李牧へのメッセージである




    李牧はここで〝二択〟を迫られる形となった
    李牧
    「・・・・・・・」

    2 (3)

    ナレーション~
    王翦の挑発通り秦軍左翼五千に紀彗軍で構成される右翼三万をぶつけにいくか
    王翦の〝怪しい誘い〟に乗らず それ以外の所から始めるか・・・・
    李牧
    「・・・・・・・」

    「カイネ 右翼紀彗に伝令を!」
    カイネ
    2 (7)

    「ハッ」



    カイネ

    「・・・・・・・」

    ナレーション~
    李牧の選択は
    前者であった
    李牧

    「全軍前進 秦左翼五千を殲滅せよと!」
    カイネ

    「ハハァ」


    【紀彗軍】
    紀彗

    「行くぞ馬呈」
    馬呈

    「出るぞてめェら!!」
    紀彗軍
    「オオオオオオ」



    ナレーション~

    趙 右翼 紀彗軍 三万全軍前進
    これが



    王翦軍 対 李牧軍 開戦の号令である
    【楽華隊】
    伝令

    「急報ー」

    「趙軍 右翼およそ三万」

    「全軍こちらに真っすぐ向かってきています!!」
    楽華隊

    「!」
    「!」
    「!」



    【秦 左翼 楽華隊(五千)】
    「くっそっやっぱりまともに来やがるぞ」

    「蒙恬様・・・」

    「蒙恬様」
    蒙恬

    「・・・・・・・」
    「だったら仕方がない」
    「こっちも行こーか」

    2 (4)

    じぃが心配そうに見る

    2 (1)


    じぃ

    「・・・・・」

    「蒙恬様」
    「ご武運を!」
    蒙恬

    「・・・いつも通りだよ」
    「また後で会おうじぃ」(ニコ)



    じぃ

    「・・・・・・」



    「陸仙!」と矛で陸仙の行く手を阻む



    陸仙

    「うわっ何スか副長」



    じぃ

    「本体なら儂が蒙恬様の側にあって いざという時 体を盾として御身を守るべきだが」
    「この老体では主力の騎馬隊の脚にはついて行けぬ」
    「この無念さをお前に託すぞ 分かるな陸仙」



    陸仙
    「ってますよもう 矛どけなさいって」
    じぃ

    「陸仙お前は 力があるくせに欲が浅くひかえめで時々本気でイラッとくるが頼りになる」
    陸仙

    「ほめてんスか それ」
    じぃ

    「槍の腕とて 実はあの王賁にもひけをとらぬ!」



    陸仙

    「・・・・いや」
    「とりますよ段違いに」
    じぃ
    「陸仙!」
    「蒙恬様を・・・頼んだぞ!」



    陸仙

    「・・・分かりましたって」
    「でもいい加減 いつまでも危なっかしい〝若君〟という認識は改めた方がいいスよ副長」
    「三万の敵にこの楽華五千で挑ます王翦将軍の〝無茶振り〟にも蒙恬様は全く動じていない・・・」
    「きっとあの人はもう大将軍達と同じ目線で戦が見えてますよ」
    1 (3)

    じぃ

    「・・・・・・」
    (そんな事は言われなくても分かっておるわ)

    (分かっておるが)



    蒙恬の若い頃のじぃの回想~
    蒙恬が木の枝の上で遊んでいる


    じぃ

    「危のうございます その下はガケです!」

    「死にますぞ降りて下さい蒙恬様」
    (バキッ)
    じぃ

    「蒙恬様ー」

    ~回想終わり




    じぃ

    (どんなに成長されてもこの儂にとっては)
    (いつまでもその身を心配してやまぬ〝若様〟なのだ・・・)



    場面が変わり、進軍する【紀彗軍】

    馬呈

    「どこまで進む城主 もう半ば近くまで来たぞ」



    兵士

    「敵左翼はまだ最初の布陣から動いてないそうです」
    馬呈

    「王翦ってのはバカなのか? このまま右の前線本陣近くまで押し込んでしまうぞ」
    「・・・・・・」




    紀彗

    「・・・全軍停止  ここでしばらく様子を見る」



    兵士

    「!」
    紀彗

    「尹圭の騎馬一千を前進させ敵の出方を探る」
    兵士

    「ハ!」
    「全軍停止ー」
    「尹圭隊はそのまま前進させろー」



    伝令

    「紀彗様、前方の物見より報告です!」
    紀彗

    「!」

    馬呈

    「!!」
    「どうした やっと敵が動いてきたか」



    伝令
    「いっ、いえそれが」
    「敵の左翼五千が いつの間にか半分程になっていると・・・!」
    紀彗と馬呈

    「半分!?」

    2 (5)
    紀彗

    「・・・・・」



    馬呈

    「・・・・・んじゃー消えた半分はどこにいたっつー話になるよなー」
    紀彗

    「・・・」

    「!?」



    紀彗が視界の右方に馬隊を見つける
    馬隊の群れは進路を変えて
    紀彗軍へ向かっていた
    1 (4)


    紀彗

    「・・・あそこだ」
    馬呈

    「あ″っ!?」



    趙軍は混乱していた
    「!?」
    「何だあの騎馬隊は」

    「てっ敵か!?」
    「だが何の警報も届いてないぞ!」

    「えっ、く、来るぞっ!」
    「バカ者! 敵だっ!」

    「弓兵!」
    「間に合わん」
    「盾構えェィ!」



    「オッ」
    「オオオ!」



    楽華隊が趙軍の歩兵隊に切り込む
    趙軍
    「ぶっ」
    「ぎはァっ」
    「!?」
    「ぐわあァっ」
    1 (5)

    「あ″っ」
    「ぶぉっ」
    「ギャッ」
    「っ・・・」
    「くっ ひるむな」




    伝令

    「急報 右より敵騎馬出現! 右軍が攻撃を受けております!!」
    馬呈

    「見えてるっつんだよバカヤロォ」



    紀彗

    「・・・」

    「右軍は今すぐ右向きに陣を布け!」



    兵士

    「ハ!」



    紀彗

    「黄角の騎馬二千を出して敵の背後に回らせよ」
    「入って来た敵を一騎も残さず討ち取れ!」
    兵士

    「ハハ!」
    1 (6)

    場面が変わり、【楽華隊】
    兵士

    「蒙恬様」
    「読み通り 敵の騎馬が出てきましたっ!」
    「回り込む気です」
    蒙恬

    「よし、ここまでだ」
    「離脱するぞ」




    兵士

    「ハッ!」
    【黄角隊】

    兵士

    「黄角様、敵の騎馬が逃げていきます」



    黄角

    「ほーう」
    「なかなか勘が鋭いな」
    「だがここまで来て我ら離眼騎兵の脚から逃げられると思うなよ」
    「背をうつぞお前達ィ」




    兵士

    「オオ」
    【楽華隊】
    兵士

    「蒙恬様 敵騎馬隊が追って来てます」
    蒙恬

    「飛ばすぞ!」




    兵士

    「ハハア」
    秦兵

    「張呂 何やってる追いつかれるぞ!」



    張呂

    「うっうるせェっ・・・」
    「〝引き離さない程度に〟逃げるってのが一番難しいんだよ」



    黄角

    「ん!?」



    別の騎馬隊が黄角隊を左側から襲う
    黄角隊

    「何っ!?」
    1 (7)

    「ぐわァっ左にも敵がいるぞォ」
    「ギャア」


    蒙恬

    「〝狩り場〟へようこそ」




    楽華隊

    「旋回しろ奴らを殲滅する!」

    「オオ!」

    1 (8)

    ナレーション~
    寡兵の不利を越え、光速の機動で紀彗軍を翻弄する蒙恬。
    戦の主導権を奪うのはどちらか!!?



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