#キングダム

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    楊端和の檄により火蓋が切られた列尾攻城戦!! 火球の如く突撃する山の民族の行方は──!!?

    突っ込んでいく山の民。

    「いっ」

    「いっ・・・」

    「行ったーーー!!」

    その突撃、猛勇か、蛮勇か・・・——。

    河了貂
    「待って危ない
    そのまま突っ込んだらっ・・・」

    趙兵
    「バカが 来るぞっ 入れ」

    壁の上の弓兵たちが一斉に構える。

    「構えェ」

    「敵の矢をまともに受けるぞ!!」

    趙兵
    「来るぞォ」

    「バジオウ!」

    バジオウ
    「見テロ」

    楊端和も冷静に見ている。

    ドドドドド

    山の民の中から一団が飛び出していく。

    「! なっ 何かとんでもなく速ェ奴らがいるぞ」

    バジオウ
    「飛馬族(ひばぞく)ダ」

    門をくぐり、壁の中に入ろうとした趙兵がドドド・・・という音に振り向く。

    「?」

    すぐそこにまで迫っていた飛馬族たち。

    慌てる趙兵
    「なっ ちょっ 何だあいつら
    早く入れっ 敵がもう来てるぞっ」

    「え?」

    「すげェ 尻に追いつくぞっ」

    「いやっ でもその前にっ 矢が来る!」

    趙指揮官
    「射てェっ」

    ドドドドド

    ドドドドドドド

    文字通り雨のように降り注ぐ矢だが、落ちる前に速さで突破する飛馬族。

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    驚く貂
    「速さでかいくぐったァ!!」

    「・・・・・・・・・」

    信も言葉を失う。

    趙指揮官
    「いっ いかん!!」
    「門を下ろせっ」
    「城内に突入されるぞォ!!」
    「今すぐ門を下ろせェ!!」

    だが慌てて門の中に入ったことで兵士の武器がつっかえている様子。

    門番
    「何してる」

    「早く入れっ」

    「門を下ろせェ」

    「やれ!」

    「早く落とせ」

    「くっ」

    ガララララ

    「バカ」

    「まだ入ってないぞっ」

    「ゴス」

    逃げ遅れた騎馬隊を仕留める飛馬族。

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    ガラガラ

    ガゴン!!

    趙兵
    「ぐあっ」

    「うわああ」

    門の中に逃げそこなった趙兵に襲い掛かる山の民。
    壁の上の兵士たちもその光景に慄いている。

    また、一部の山の民が門を矛で突き始める。
    無理矢理持ち上げようとする者も。

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    指さすタジフ
    「※※※」

    バジオウ
    「ソレハ無理ダト言ッテイル」

    河了貂
    「当たり前だよ!」

    「・・・・・・・・・(汗)」

    「ちょっと! 笑い事じゃないって」
    「今の連中が殺られるよっ・・・・・・ああっ ほらっ」

    趙兵
    「射てっ 殺せェ」

    壁の上から矢を撃たれ、あっという間に全滅する飛馬隊。

    河了貂
    「楊端和!」

    楊端和
    「気にするな」
    「うちは大体 こんな感じだ」

    河了貂
    「・・・・・・・・・」


    山の民
    「(早くも敵を数人殺りましたな)」
    「(飛馬族の勇 しかとこの胸に)」

    河了貂
    「・・・・・・さて」
    「始めるか」

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    城を囲むようにあちこちに長い梯子をかけ、登り始める山の民。

    玉鳳隊

    陣幕を張り、休憩している玉鳳隊。

    「報告!」

    「列尾攻めが始まった模様です」

    「おお!早いなっ」

    「さすが王翦様だ」

    「・・・・・・・・・」

    番陽「先鋒はやはりあの第一大隊の亜光様か」

    「いえ それが」

    「城攻めを行っているのは山民族の軍勢と飛信隊だけのようです」

    番陽「!?」

    飛信隊の名前にピクっと反応する王賁。

    「あの列尾を」

    「山民族と・・・」

    「飛信隊だけで!?」

    「くそっ 俺達が途中つぶれ役にならなければ 飛信隊如きに先鋒を渡さなかったものを」

    立ち上がる王賁。

    関常「どこへ行かれます王賁様」

    兵士「!?」

    関常「今 小休止に入ったばかりですが」

    王賁「重要な一戦だ」

    「総大将 王翦の意図をこの目で確かめにいく」

    「本軍は予定通りケガ人の手当をしっかりすませてから前に来い」

    兵士「・・・・・・」

    「王賁様が出るぞ」

    「韓母隊お供します」

    関常「フッ」

    「相変わらず素直じゃありませんな」

    「単に飛信隊が気になると言えばいいのに」

    王賁「・・・・・・」

    そのまま馬に乗って出て行く王賁。

    関常「また無視ですか と」

    宮康「相変わらず意地悪だなー」

    関常「・・・・・・」

    「とは言え俺も今の飛信隊の姿は見ておきたいな」

    松琢「オイラは山民族が見たいス」

    関常「番陽副長本軍のこと任せたぞ」

    番陽「あっ 関常貴様っ」

    列尾

    梯子を登る山の民だが、次々に矢の雨にやられていく。

    さらに梯子の先端を盾兵たちが囲み、隙間から槍で突くという鉄壁仕様。

    趙兵「突けっ」

    「突けェっっ」

    「撃ち落とせっ 獣を上にあげるなァっ」

    初めて目の当たりにする戦闘の様子に、息を飲む新兵たち。

    あちこちに弓を打たれて息絶える山の民。

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    干斗「・・・・・・」

    「い・・・」

    「いよいよだ」

    「も 門が開いたら俺達も・・・」

    「突入するんだ!」

    全員が冷や汗でダラダラになっている。

    目の前のあちこちに死体が転がっていた。

    「ボエ」

    「うわ丙が吐いたぞ」

    「しっかりしろ丙」

    「うっ俺も気分が・・・」

    羌瘣「そう緊張するな」

    新兵「!」

    「あっ」

    「羌瘣副長」

    「副長っ」

    羌瘣「まだしばらくはこの城壁は落ちはしない」

    「・・・・・・・・・」

    一方、遠くから城壁の様子を見ている楊端和

    「・・・・・・・・・」

    次々に梯子から山の民が落ちていく。

    楊端和「・・・・・・・・・」

    「ここか・・・」

    『ラマウジ』

    ラマウジ「※※」

    楊端和『バジオウと鳥加族を呼べ』

    さっそく集まるバジオウたち。

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    一方、信も城の様子を見ている。

    信「・・・・・・」

    「く くそ」

    「やっぱ 全く落ちる気配ねェぞ この城」

    「やっぱ無計画なんじゃねェかよ 楊端和は」

    「きれいな顏にだまされて実は頭悪・・・」

    楊端和「信」

    信「うわあっ」ビクッ

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    信「攻め所を見つけた!?」

    楊端和「ああ」

    「鳥加族に援護させてバジオウの隊を登らせる」

    信「!!」

    「バジオウが登れりゃこっちのもんだ」

    楊端和「ああ だがそのための援護の手が足りぬ」

    信「援護の手?」

    楊端和「ああ お前の所に・・・」

    「腕のいい弓使いはいないか?」

    信「!」

    我呂「弓使い・・・・・・」

    岳雷「・・・・・・」

    信「・・・・・・へっ」

    「もちろんいるぜ とっておきの奴らがな!」

    仁「・・・・・・」

    淡「兄ちゃん俺達やっぱり来るべきじゃなかったんじゃ・・・」

    仁「バカ 最初に戦場へ行こうと行ったのはお前だろうが」

    城壁陥落の糸口を見出した楊端和!! その作戦に抜擢された仁と淡の初実戦はどうなる・・・!!?



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    趙の〝国門〟列尾に到着した秦の連合軍!!
    対峙する趙の軍勢に熱気と闘志がこもるが・・・!!?

    (バタ バタ バタ)
    はためく趙軍の軍旗

    気合いの入った趙軍の軍勢

    趙軍
    「この王都の〝蓋〟列尾を抜かんとする愚か者共が来たぞ!」
    「皆の者準備はよいかァ!!」
    「オォ」

    「二日もすれば王都圏からの大軍が到着するだろうが
    そんなものはあてにするな」
    「この城に近付く犬共は皆殺しだ!!」

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    「よいか皆の者ォ」

    「奴ら血で列尾の大地を朱く染めてやれェ!!」

    「オオオ」
    秦軍側に、趙軍の気合いの入った声が届く

    陸仙
    「・・・・まいったね 秦軍(こっち)のこの数に対して逆に士気を上げてきた・・・
    ここまで地が揺れてる」

    じぃ
    「く・・・趙の国門列尾 これは一筋縄では行きませぬぞ」

    陸仙
    「しかし王翦将軍は本気でしょうか」
    「この城を飛信隊と山民族の軍だけで落とさせるなどと」

    「こういってはなんですが正直・・・」

    「山民族に攻城戦のような高度な戦いができるとは思えませんが」

    山の民たち
    「腹へったなー」

    「小便してー」

    「その辺りでしろよ」

    「オレうんこ」

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    「その辺りでしろよ」

    じぃ
    「それもよりによってこの列尾を落とせるのかと・・・」

    「いや落とさねば大変なことになるのですが・・・」

    蒙括
    「・・・・」

    「あの山の民軍はたしか二年前に魏の大都市衍氏城を落としたはずだけど」
    陸仙「どうやって落としたかは誰も見ていないです」
    「あの時は攻める秦軍がいないと思わせて奇襲が成功しただけだろうと専ら言われています」

    蒙括
    「・・・・・ってことはいよいよ」

    「飛信隊の動きが重要になってきそうだな・・・・」
    城壁で趙軍の声が響きわたる

    「オオオオオオ」「趙軍万歳」「趙軍万歳」

    蒙括
    (城の作りはともかく まずは何より厄介なのはあの士気の高さだ)

    (合従軍の蕞でもそうだったように守る人間の士気しだいで城は何倍にも強くなる・・・・)

    (これはいきなり正念場だぞ 信)

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    じっと前を見つめる信と楊端和
    「・・・・王翦将軍の意図はともかく・・・」

    「やるからにはオレ達だけで列尾を落とすつもりでやるよ!」

    信と楊端和
    「当然だ!」

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    「しかも最低でも二日以内に!」

    楊端和
    「半日で落とす」

    貂と信
    「!」「えっ」

    「・・・ってことは・・・な何かいい策があると・・・?」

    楊端和「城攻めは・・・単純だ」

    「城壁を登って・・・裏に回って門を開け」
    「部隊を突入させて中を制圧する」

    「それ以外に何か手があるのか? (奴らうるさいな)」

    あっけにとられる信と貂
    信「楊端和・・・」

    「そっそうなんだけどそれが難しいわけで」

    楊端和
    「城壁を落とすのは山の民がやる」

    「飛信隊は門が開いたら中に突入できるよう準備しておけ」

    「えっ」

    「いやっ だからっ」

    「その城壁落とすのが大変なんだって・・・」

    (だ・・・大丈夫かテン
    ひょっとして山の民の連中城攻めを甘く見てねェか!?」

    (は 白兵戦が強いのは十分分かってるけど
    城は軍としてちゃんと攻めないと苦戦するよ・・・」

    タジフ
    「・・・・」

    タジフが趙軍の方を指さし何かを言う

    バジオウ
    「敵デ城ノ外ニ出テイル奴ラガイルト タジフガ言ッテイル」

    「え・・・あ」

    「ああ・・・あれは・・・」
    「秦軍が近づけばすぐに城内に入るよ」

    「背を打とうと焦って突っ込めば」

    「城壁の上から矢の雨を受けるって典型的な戦術だよ」
    「でも それとは別に敵前に騎馬隊を出すという勇敢さを見せて自軍を奮わせるという狙いもある」


    「チッ つまり単純な敵じゃねェってことか」

    「その通り でも一番厄介なのはやっぱりあの士気の高さだ」
    「敵の指揮官は守城戦で何が一番大事かきちんと分かっている」
    「だからこっちも考えて戦わないとあの城は絶対に落ちない・・・」

    楊端和
    「心配無用だ」
    「山の民には山の民の戦い方がある」

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    信と貂
    「ちょっと 楊端和!」

    「山の民の戦い方!?」

    バジオウ
    「・・・・・山の民ノ ト言ウヨリ端和様ノ戦イ方ダ」

    「え!?」

    バジオウ
    「今コノ地ニハ」
    「百ヲ超エル山ノ族ガ集結シテイル」
    「フィゴ族 メラ族など 何百年ト争ッテキタ大族マデモ参戦シテイル」

    信が驚き
    「百っ・・・」

    バジオウ
    「ドノ族ノ長老モ皆 同ジコトヲ言ウ」
    「コンナコトハ決シテ起コリエナカッタト」
    「全テハ 楊端和トイウ一人ノ女王ノ存在ダ」
    「山界ノ〝死王〟ト畏レラレ」
    「愛サレル女王一人ノ存在デ山界ノ統一ガ成サレタ」

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    あっけにとられる信と貂

    バジオウ
    「見テイロ」
    「端和様ハイツモ敵ヲ真正面カラネジ伏セル」

    信と貂
    「・・・・・」

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    「真正面から・・・ねじ伏せる!?」

    馬の歩を進める楊端和

    王翦の兵隊
    「ん?」

    王翦将軍も戦況を見つめる

    蒙括
    「!?」

    じぃ
    「えっ」

    蒙括
    (山の女王!?)
    「見ろ一騎出たぞ」

    楊端和の方に目を向ける山の民たち

    (端和様だ)

    (死王だっ)(死王だー)(死王だー)

    (死王)(死王)

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    地鳴りのような叫び声があがる

    驚く信たち

    「なっ・・・」

    「何っ・・・すっ姿を見せただけでっ」

    楊端和が手をあげると雄叫びがピタッと静まりかえる
    楊端和 城を指さし

    「見よ」

    「敵が何かさえずっているぞ」
    「あんなものが雄叫びとは肩腹痛い」
    「本物の雄叫びとは何だ」
    「本物の戦士の雄叫びとはどんなものか」
    さらに大きな雄叫びが響きわたる

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    「いッ」

    「さっさらに大きく・・・」

    飛信隊
    「ぐあッ」

    「じっ地面がはねてるぞオイ」

    王翦将軍
    「・・・・」

    王翦将軍部下
    「な何じゃこれは・・・」

    趙軍
    「な・・・」

    「何だ」
    「あの軍勢は・・・」

    蒙括
    「凌駕しようとしてるんだ」

    じぃ
    「!?」「凌駕!?」

    蒙括
    「言葉は何を言ってるか分からないが」
    「楊端和は敵の最大の武器である〝士気〟を正面から叩きつぶそうとしている!」

    趙軍
    「エエィ ひるむな 声をあげろォ」

    「オオオ」

    楊端和
    (この戦いは)(平地の者共の戦いだ)

    (だが)(我らの世界を広げる戦いにも重なっている)

    (ならばいつも通り)

    (この楊端和の強靭なる刃達を振り下ろし)
    (抗う敵全てを肉片にして先へ進む!)

    さらに雄叫びを上げる山の民たち
    「死王!」「死王!」

    趙軍
    「ひるむな列尾兵声をっ」

    楊端和
    「あんな小城が」
    「この山界の王の刃を受け止めきれると思うか」
    「あんなものでっ」

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    「・・・・」

    (こ これが・・・)

    -山の王・・・楊端和の檄-

    「山の刃をふせげると思うかっ」

    ひるむ趙軍兵

    楊端和
    「平地に見せつけてやれ 百の山界の戦士達よ」

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    「山の民の力を!」
    「恐ろしさを!!」

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    「者共」
    じっと緊迫した状態で戦況を見つめる信と貂

    見つめる王翦将軍

    (ガチガチガチガチ)震える趙軍

    楊端和
    「血祭りだァァッ」

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    山の民の攻撃開始!



    →→続く 
     

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