#ゴールデンカムイ

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    ゴールデンカムイ 第128話 『新月の夜に』

    ナレーション~

    昼行灯は看ている。



    犬童典獄が見守る中、のっぺら坊が頭に何かを被せられた状態で

    監獄舎を移動させられる
    1 (1)

    それを見ている門倉看守部長


    門倉看守部長

    (今日は第二舎の第四房か・・・)


    (今日の予想も当たった)



    囚人

    「門倉の旦那」

    「今の奴がのっぺら坊かい?」



    「アイツを第七師団が狙ってるって噂が流れてるぜ 『兵隊が監獄に攻め込んで来る時は』」

    「『証拠隠滅に囚人は皆殺しになる』って」



    門倉看守部長

    「そん時は銃を渡すからお前らで北鎮部隊と戦ってくれよな」

    「俺は全力で逃げるから」



    場面が変わり、門倉看守部長の宿舎


    門倉看守部長

    「次の新月の晩にのっぺら坊がいる房はここ・・・」

    「第四舎第六六房だ」



    白石

    「俺の脱獄の鉄則としては新月に関わらず すべての音をかき消す嵐の夜なんだが・・・」

    「トンネルが川のすぐ側だ 雨とか川の増水で塞がれる危険がある」

    「今回はオレ一人じゃねえしな・・・」



    「誰にも気付かれないように侵入して アシリパちゃんをのっぺら坊に引き合わせ

    何事も起きなかったかのように静かに立ち去れば大成功だ」



    土方

    「失敗すればここのトンネルはすぐに見つかり その瞬間に門倉はお尋ね者だな」



    門倉

    「この仕事に執着はありません その時は土方さんにお供します」
    1 (2)

    「死んだ親父も喜ぶ」



    キロランケ

    「土方の爺さんと通じてる看守は門倉さんだけ?」



    門倉

    「そうだ 集団脱獄事件をきっかけにほとんど看守は入れ替わった」



    「制服を着ているが警備増強のために裏金で雇ったモグリの看守も大勢いる

    夜中でも看守は樺戸監獄の2倍はいるだろう 侵入して見つかれば容赦なく撃ってくるぜ」



    杉元

    「もし・・・のっぺら坊がアシリパさんの父親だとして・・・ 連れ出すのは難しいのか?」



    門倉

    「片足の腱を切られているのでいつも看守に支えられている

    連れて逃げるのはかなり困難だが不可能では無い」



    アシリパ

    「危険を冒してまで連れ出す必要はない」

    「父が本当にのっぺら坊なら・・・」



    土方

    「・・・そこで盗み聞きしとらんで上がってこい」


    トンネル通路からの出口に尾形が顔を出す
    1 (3)



    土方

    「谷垣源次郎から聞いているぞ」

    「尾形百之助は自刃した第七師団長の」

    「妾の息子であるというのは公然の事実であったそうだな?」


    「ただの金塊目当てで軍を脱走したにしては 出自がやっかいだ」



    尾形

    「父親を越えたいがゆえに動いてると?」

    「第七師団の上に立つなんて冗談じゃねえよ面倒くせえ」


    「テメエらだってお互いに信頼があるとでも言うのかよ」



    広間で刀を振る犬童典獄

    犬堂

    「エィアッッ」


    杉元

    「監房にいるのっぺら坊の目は本当に青いのか?」



    門倉

    「目の色?さあ・・・そう見えなくもないが・・・どうだろうな」



    杉元

    「7年間のっぺら坊を見てきてそりゃねえだろ」



    門倉

    「その娘だって近くで見て『青いかな?』って感じだぜ だいたいジロジロ見てたら犬童典獄に怪しまれるし」
    1 (4)



    「看守の中じゃ俺は一番の古株だ 集団脱走のあと・・・関与の疑いがある看守はどんどん追い出されたのに

    俺だけ残ったのは俺が無能で無関心のボンクラタヌキを演じてたからさ」



    場面が変わり、双眼鏡で監獄の様子を見る杉元とアシリパ

    ナレーション~ 土方に買ってもらった双眼鏡



    白石

    「インカラマッちゃんはさぁ のっぺら坊はどっちなのか占ったことあるの?」



    インカラマッ

    「何度もやりました」



    白石

    「何度もやっちゃたんだ?」



    インカラマッ

    「ずっと出ていたのが『いいえ』・・・

    つまりのっぺら坊はアシリパちゃんの父親では無いと出ていたのですが」



    「最近はどんどん『はい』が追い上げてます」



    白石

    「今んとこどっちが優勢?」



    インカラマッ

    「この間やったのでちょうど・・・」


    「千回中五百回目の『はい』が出ました」



    白石

    「じゃあ最後にもう一回占ってくれる?」



    インカラマッが髪飾りを落とす
    1 (5)

    1 (6)


    落ちるギリギリのところで白石が受け止める (パシィッ)



    インカラマッ

    「白石さん?」
    1 (7)


    白石

    「やっぱやめよう 迷いはいらねえ」


    「俺たちは確かめに行くだけだ」



    ナレーション~

    そしてついに月の光のない漆黒の夜・・・



    杉元

    「インカラマッとチカパシ 永倉と家永はコタンで待機

    尾形は山に隠れて何かあれば狙撃で援護」


    「谷垣と夏太郎は川岸に用意した丸木舟で待機」


    「キロランケ 牛山 土方は宿舎で待機」



    「アシリパさんと白石と俺が」

    「囚人たちのいる舎房へ侵入する」



    「敷地内はどこも消灯され すでにお互いが見えないほどの真っ暗闇だ 暗闇を突っ切って舎房へ近づく」



    「先導するのは都丹庵士」
    1 (8)



    都丹庵士

    「風の音が強いが周囲の建物の位置関係などは把握できる」

    「遠くへ伝わる舌の音もかき消してくれるだろう」



    杉元

    「よし・・・行こう!!」



    都丹庵士、白石、杉元、アシリパが宿舎を出る


    見回りの看守

    「何だお前ら」
    1 (9)


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    ゴールデンカムイ 第127話 『本当のチタタプ』

    ナレーション~

    ついに到着。


    網走近郊のコタン



    【フチの妹ナンバー13】



    アシリパ

    「アイヌにとって主食だった鮭はシペ『本当の食べ物』と呼ばれ」

    「川に鮭が極端に少ない年は餓死するものが出たほど重要なものだった」



    「だから私達は鮭一匹を余すこと無く利用する」



    「鮭の皮はチュプケレという冬靴の材料に利用した 大人の靴一足作るのに鮭4匹の皮が必要だ」

    「秋に作って大切に履いてもひと冬しかもたないし 油断すると犬が食べてしまうけど」



    「さて鮭を食べる準備だ」



    「頭を切り落として 上顎の真ん中の氷頭という軟骨のある部分を切り取る」

    「この部分を主に使う珍味な料理があるけど杉元! 何か分かるか?」



    杉元

    「えええ~?うそ まさかまさかぁ?あれなのぉ?」



    アシリパ

    「チタタプだ」



    杉元

    「ハイ出ましたチタタプ!!」
    1 (1)



    杉元の声にビクッとするキロランケ、永倉、チカパシ



    アシリパ

    「チタタプとは本来鮭のチタタプのことを指すんだ」



    杉元

    「チタタプの中のチタタプ!!」



    谷垣

    「痛ててッつねった!!」



    アシリパ

    「エラを外してよく洗って血を抜く」

    「エラと氷頭をチタタプする チタタプすればするほど美味しくなる」



    杉元

    「チタタプ言えよ夏太郎」



    夏太郎

    「チタタプ チタタプ」



    チカパシが日本刀を持ち

    「これでチタタプしてもいい?」



    土方と一緒に刀でするチカパシ

    土方

    「チタタプ チタタプ」



    永倉

    (うわあ・・・)



    アシリパ

    「尾形~~」

    尾形

    「・・・・・・」



    アシリパ

    「みんなチタタプ言ってるぞ?」

    「本当のチタタプでチタタプ言わないなら いつ言うんだ?」

    「みんなと気持ちをひとつにしておこうと思ったんだが」



    尾形

    「チタタプ」
    1 (2)



    アシリパ

    「・・・!?」

    「言った!!」



    「聞いたか?いま尾形がチタタプって」



    谷垣、杉元に聞くが反応がない



    アシリパ

    「んも~~聞いて無かったのか!?」



    アシリパ

    「白子を加えてさらに細かく叩き」

    「最後に砕いた焼き昆布を混ぜ塩で調える」

    「これが鮭のチタタプだ」

    「新鮮な鮭が手に入るいまの時期しか食べられない」
    1 (3)



    「身は串焼きにする」



    「米とヒエを炊いたおかゆにイクラを入れたチポプサヨ」

    「塩煮したジャガイモを潰したものにイクラを混ぜたチポロラタシケプ」



    料理を味わう一同
    1 (4)


    杉元

    「柔らかくて滑らか 生臭くなくて美味い・・・これが本当のチタタプか」



    アシリパ

    「捕れたてだから臭みがないんだ ヒンナヒンナ」



    フチの妹がみんなに串焼きを配る



    キロランケ

    「串焼きも脂がのってるな」


    牛山

    「インカラマッさんっていったかね?」

    「あんたいい人いるのかい?」



    チカパシが谷垣の方を見る



    そして谷垣の食べていた器を取り、インカラマッに渡す



    谷垣

    「おい・・・」


    チカパシ

    「はい」とインカラマッに器を差し出す


    谷垣

    「何のつもりだチカパシ」


    アリシパ

    「女が男の家に行ってご飯を作り 男は半分食べた器を女に渡し

    女が残りを食べたら婚姻が成立する」


    杉元

    「アイヌにとっての求婚のようなものか」


    チカパシ

    「本当の家族になれば?」



    夏太郎

    「いいねえおアツいぜ」

    (ヒュゥ~~)
    1 (5)


    谷垣

    「・・・チカパシ 返しなさい」



    谷垣は席を立つ



    牛山

    「おっと・・・・・まだ微妙な関係だったか」



    インカラマッが後を追う



    インカラマッ

    「あの・・・谷垣ニシパ・・・」



    谷垣

    「川の向こうから網走監獄を見ていただろう?」



    「のっぺら坊はウイルクではないと言いつつも

    ウイルクかもしれないとどこかで期待してるから網走まで来たのでは?」



    インカラマッ

    「おっしゃるとおりです」



    「孤児で放浪していた私は流れ着いた小樽でウイルクに出会いました」

    「ウイルクと過ごしたその時間が美しすぎて・・・現在も囚われているのです」



    「けれど私の占いでは彼と会うことは二度と無い・・・

    普段の占いが当たるたび彼との運命を確信していきました」



    「そうなるとなおさら会いたい想いはつのりました」



    「そんな時ウイルクの死を耳にした」

    「『そんなはずはない』」



    「なぜなら私の占いで彼に会えないという理由は・・・」

    「私が死ぬからです」



    「『北海道の東で私は死ぬ・・・』 ウイクルと別れたときにそう分かっていましたから・・・」



    「でも彼の死を調べていくうちに遺留品を持つという鶴見中尉に出会ったのです」

    「『ウイルクは既に殺され監獄にいるのっぺら坊は金塊のありかを知るキロランケの仲間』と言っていました」



    「指紋の証拠も掴んだ私は『占いの解釈が間違うこともある』と納得しました」

    「ウイルクは死んでいるのだろう ならせめて忘れ形見のアシリパちゃんを無事に帰そうというのも正直な気持ちです」


    酔っぱらった白石

    「うんうん」



    インカラマッ

    「でも屈斜路湖で溺れた時・・・やっぱり やっぱり私の占いは正しかったと感じました」

    「私はあの湖で死ぬ運命だった なのに・・・」



    「谷垣ニシパは私の占いをくつがえしてくれた!」

    「運命は変えられる!占いは絶対ではないと思い直しました」
    1 (6)


    「メチャクチャな話で理解して頂けないかもしれませんが・・・」

    「とにかく・・・今の私にはウイルクに再会できるという期待があるんです」



    「でもそれは・・・!愛しい人に会いたいというものでなくて

    美しい過去に囚われて旅をしていた自分にケリをつけたいから・・・」



    「私は谷垣ニシパと未来へ進みたい!!」



    谷垣

    「俺にもまだ役目が残ってる」

    「アシリパを無事にフチの元へ帰す役目が」



    「時が来たら・・・俺から改めて半分食べた飯の器をインカラマッに渡す・・・!」
    1 (7)



    中へ戻ると酔った白石が谷垣の残りを食べていた



    チカパシ

    「こいつ谷垣ニシパのご飯食べてるッ」

    (ペチンッ)
    1 (8)



    場面が変わり、門倉看守部長の宿舎



    門倉看守部長

    「典獄というのは歴代・・・福岡藩とか長州藩とかの出身者がなるもんでね つまり明治新政府の人間だ」

    「いっぽう看守は地元の人間が採用される・・・」



    「戦争によって北海道へ流れ着いた士族の成れの果て

    屯田兵も囚人もみんな元はそんなもんよ 看守ってのは昔から典獄よりも」



    「囚人たち側の人間が多かったのさ」


    「俺の親父は土方さんと共に戦った旧幕府軍だった」



    「犬堂典獄の指示によって毎日独房を移されるのっぺら坊が」

    「再来週の新月の夜に どこの監房へ移動されているのか」
    1 (9)



    「俺は正確に予想ができる」


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    ゴールデンカムイ 第126話 『門倉看守部長』

    ナレーション~


    「勝てない喧嘩はしない主義だぜ。」



    ◆事なかれ管理職の憂鬱。



    門倉看守部長

    「どこだ?」



    部下

    「あれです あの煙の出てるところ」



    門倉看守部長

    「ええ~~?マジかよ まずいだろ あんなところに小屋作ったら・・・」
    1 (1)

    「誰か注意しに行けよ」



    部下

    「いやあ~」

    「ほっときゃ良いんじゃないですか? どうせ鮭の漁期が終わればいなくなるし」



    門倉看守部長

    「良いわけねぇだろ 面倒くせえな」


    場面が変わり、杉元たちが作戦を立てている



    杉元

    「網走監獄は周囲三方が山に囲まれている」
    1 (2)

    「山の数十カ所には見張りの看守がいる 全員モシンナガンで武装していた」



    「マキシム機関銃まであったぜ 戦争にでも備えてんのか?あいつら」



    「山側は囚人の舎房があるので特に厳重なんだ」



    白石

    「舎房から脱獄したとして看守たちがいる建物の前は通って逃げたくないからな」



    永倉

    「それもあるが監獄側はのっぺら坊を奪いに来る連中も警戒しているということだ」



    白石

    「とすれば やはり侵入経路は警備の手薄な網走川に面した堀しかねえ」
    1 (3)

    「ここだ」



    白石が網走監獄の図面を指さしながら言う。



    牛山

    「手薄と行っても誰も見に来ないわけじゃないだろう?」



    堀に浮かべた小舟から小屋に獲った鮭などの物を運ぶ谷垣とキロランケ



    【「クチャ」仮小屋】



    【「アシンル」便所】



    白石

    「この計画は今の時期しか出来ねえぜ 鮭が獲れる今だからこそな」

    「トンネルの入り口をアイヌの小屋で偽装する」



    トンネルを掘る杉元たち
    1 (4)

    杉元

    「掘り出した土は一箇所に捨てず」

    「舟に積んで川のあちこちに少しずつ流す」



    「キロランケは日露戦争では工兵だった

    203高地でロシアの堡塁を破壊するためにトンネルを掘った経験がある」



    「トンネル堀はキロランケが指揮する」



    見張りたちが小屋のところまでやって来た



    門倉看守部長

    「あんた達さ~困るよこんなところに」



    小屋から顔を出す谷垣



    チカシパ

    「誰か来たよ」



    門倉看守部長

    「すぐに片付けてくれよ わざわざこんなところでやらなくたっていいだろ?」



    トンネルから様子を伺う杉元



    谷垣

    「もっと鮭をよこせというのか?」



    門倉看守部長

    「なんのことだ?」



    谷垣

    「和人にはわからんだろうがアイヌの中でも縄張りが決まってて

    良い漁場にありつくのはむずかしい それに向こう岸に小屋を作るとキツネが食い荒らすんだ」



    「でもここでの漁を許すかわりに毎日鮭を3匹渡す取引をしたはずだ」



    「そっちの看守に聞いてみろ」

    ギクッとする看守たち

    門倉看守部長

    「お前ら賄賂をもらってたのか?」



    認める部下たちをみて溜息をつく門倉

    「ハァ・・・・・」



    中から様子を伺う杉元

    門倉看守部長

    「5匹持って来い」
    1 (5)

    「嫌なら強制的に撤去するぜ わかったな?」



    谷垣

    「・・・・・・」

    キロランケ

    「これじゃキツネに食われたほうがましだ!!」



    看守の部下たち

    「犬堂典獄にはくれぐれも内密に・・・!!」

    門倉看守部長

    「当たり前だろバカたれ」



    去っていく看守たちにホッと息をつくキロランケ



    谷垣が何かに気付く

    「!?」



    インカラマッが向こう岸から、こちらの様子を見ていた

    髪かざりを手で落とすインカラマッ

    1 (6)


    場面が変わり、斜里

    ナレーション~

    網走から東へ40キロの港町 斜里




    有坂

    「鶴見くん これが開発途中の三年式機関銃だよ 美しいだろう!!」

    「使ってもらいたくて持ってきちゃったよ?」

    (ばばばば)



    鶴見中尉

    「有坂閣下 お静かにッ シ~~ですぞ!!」



    鯉登少尉

    「宇佐美上等兵!! 貴様あれから何日たったと思ってるのだ  いい加減にそのホクロを消せ!!」



    宇佐美

    「ああこれ・・・」

    「入れ墨にしたんです!!」
    1 (7)

    鯉登少尉

    「う・・・・・・」

    (めちゃくちゃ気合い入ってる・・・!!)



    場面が変わり、小屋から掘っているトンネルの中の杉元たち



    杉元

    「おいキロランケ」

    「この上はどこに出るんだ?大丈夫なのか?」

    「囚人のいる舎房は敷地の反対側だぜ?」



    キロランケ

    「そんなところまで堀り進めてたら漁期が終わっちまうだろ」



    杉元

    「頭を出したら看守たちの酒盛りのど真ん中じゃしゃれにならん」



    キロランケ

    「土方歳三が指定した距離を掘ったんだ 信じるしかねえ」



    杉元の頭上の穴が開く

    (ボロッ)

    杉元

    「あ・・・」

    (ボコボコ)



    穴から顔を出す杉元
    1 (8)



    門倉看守部長と目が合う



    杉元

    「!?」



    門倉看守部長

    「いらっしゃい 予定通りだな」

    1 (9)


    杉元

    「ここは?」



    門倉看守部長

    「俺の宿舎だ」


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    ゴールデンカムイ 第125話 『実りの季節

    収穫をしながら赤ちゃんに子守唄を唄うフチ


    ホルルルルッ


    イテキ チシノ      泣かずに
    モコロ モコロ      ねんねしな

    エモコロ ヤクネ     ねんねしたなら
    エコロ ミチ カ     お父ちゃんも
    エコロ ハポ カ     お母ちゃんも


    ネブキ ヤクネ      働けるだろうから
    ソモ イペルスイ     ひもじい思いは
    エキ ナンコンナ     しないよ


    ニシパ エネ クニ    立派な人になれるように
    カムイ エヌカラ     神さま見ていて
    キ クスネ ナ      下さろう


    モコロ モコロ      ねんねん
    イテキ チシノ      泣かずに
    モコロ モコロ      ねんねしな


    【出展「アイヌ民族誌」久保寺逸彦訳】



    ナレーション~

    夏が終わり・・・。



    フチ

    「オンタロ シク『樽がいっぱいだ』オハオ♪」

    「オハン ヤン『空けなさい』オハオ♪」
    1 (1)

    山道を歩く杉元とアシリパ



    アシリパ

    「今ごろフチは穀物を収穫しているんだろうな」

    「大きな袋がピヤパ(ひえ)とかムンチロ(あわ)でいっぱいになる」

    「空には雁が渡ってきて子供たちが追いかける」



    アイヌの子供たち

    「エムシ ランケ♪『刀 落とせ』」

    「タマ ランケ♪『珠 落とせ』」



    アシリパ

    「エムシというのは男の儀式用の刀で」

    「タマというのはタマサイという女の首飾りのこと」
    1 (2)

    「アイヌは鮭を獲って和人からエムシやタマサイを手に入れた」



    「酒や食べ物とかを入れる漆器のシントコは鮭100匹と交換した」

    「雁が毎年渡って来る姿は私たちに宝物をもたらす 鮭が川を遡ってくることの知らせだからだ」



    「私たちは鮭のことをカムイチェプ『神の魚』とか」

    「チュクチェプ『秋の魚』と呼んでいる」

    1 (4)


    「ニセウ トゥイ ナー フィー『どんぐりがおちてるよ♪』」

    「ニセウ トゥイ ナー フィー『どんぐりがおちてるよ♪』」



    「ニセウ(どんぐり)は実をゆでてから干すと渋が抜けて甘みが出る

    シントコに保存しておやつにしたり挽いてお餅にもする

    ヒグマもこの時期ニセウをたくさん食べる」



    「見ろ杉元ハッ(ヤマブドウ)だ」

    「わたしの靴はこのヤマブドウの蔓で編んだものだ」



    「カムイがこの蔓を耳たぶに下げた」

    「私たちの耳輪はそれを見習ったものだ」
    1 (3)

    「小さい頃 耳たぶに穴を開けると塞がらないようにヤマブドウの蔓を通しておく」



    「杉元あれ採ってくれ クッチだ」

    「酸っぱくて元気が出るぜ」

    「食べすぎるな杉元 ハッを沢山食べると舌が痛くなる」



    杉元

    「チュパ」

    アシリパ

    「チュパ」

    杉元

    「サルナシの蔓はかんじきになるんだよな?アシリパさん」


    アシリパ

    「そうだ!よく覚えてたな杉元」



    杉元

    「クッチ美味いよアシリパさん」

    「とっても甘い」



    アシリパ

    「クッチはヒグマも大好きでこの時期たくさん食べるんだ」

    「いっぱい食べろ杉元 クッチは食べ過ぎると肛門がとても痒くなる もっと食べろ杉元」
    1 (5)

    杉元
    「チュパチュパ チュパチュパ チュパチュパ」



    アシリパ

    「東に住むアイヌは野いちごをサケイチゴと呼ぶそうだ」

    「実が赤くなると鮭が遡ってくる知らせになるからだ」

    「ホザキシモツケの花が散ると鮭が遡ってくる知らせだという地域もある」



    杉元

    「そうやってアイヌは鮭を待ち望んでいたんだねぇ」



    キロランケ

    「これは俺達がマレクと呼んでる鈎銛だ」

    「突く時はモリとなり魚を引き上げる時は先端が回転してカギの役目に変わる」
    1 (6)



    「イサパキクニといって魚の頭をたたいて殺す『なづち棒』だ」

    「この棒でたたくと鮭はこれをくわえて喜んでカムイの国に帰って行く」



    「腐った木や石で殴ると鮭はくやし泣きしてカムイの国に帰るので」

    「魚を支配するカムイの怒りをかうことになる」



    「鮭は鹿と同じようにそれ自身がカムイではなく

    天上のカムイの袋の中に入っていて海にバラ捲かれるものなのさ」
    1 (7)

    「アイヌにとって鮭は主食で水や空気と同じ当たり前に存在するものと考えてる」



    「だからといって鮭を粗末に扱ったり川を汚せば

    カムイの袋の口は開かれなくなり 人間はひもじい思いをしながら冬を越すはめになる」



    アシリパ

    「見ろ杉元 尾根じゃない立木にヒグマが爪で横に引っ掻いた跡がある」

    「これは熊同士に通じる印で自分の領域を知らせるものだ

    チセ シロシ『家の印』と猟師は呼んでいる 近くにヒグマの巣穴があるからだ」



    「このへん一帯の笹が刈り取られている」

    「ヒグマが冬に備えて巣穴に運び込んだからだ」

    「かなり巣穴が近い証拠だ」



    「この時期はサルナシの実ばっかり食べて 肉がクッチみたいな味のするヒグマがたまにいる」

    「どうする?獲ってみるか?杉元」


    杉元

    「いや俺クッチでいいわ チュパ」



    アシリパ

    「雪が降り出すとヒグマはサルナシやヤマブドウの蔓の硬い皮とかを食べるようになる

    肛門に栓をするためだ その頃にはお腹が空っぽになってる それで穴に篭もる準備が完了だ」


    杉元

    「本当によく知ってるねえアシリパさんは」


    アシリパ

    「全部アチャ(お父さん)が教えてくれた 山のこともアイヌのこともすべて・・・」


    「杉元・・・」


    「私は・・・怖い」


    「アイヌを殺して金塊を奪ったのっぺら坊が私の父だったらどうしよう・・・」



    鮭を獲る小舟に乗ったキロランケ・谷垣・土方の3人は網走監獄の外壁に近づいていた


    土方が外壁に鋭い視線を向ける
    1 (8)


    杉元
    「アシリパさん ここまで来たらもう会うしかない」



    【網走監獄】
    1 (9)

    杉元

    「何があっても最後まで俺がついてるから」
    1 (10)



    ナレーション~

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    ゴールデンカムイ 第124話 『思い出の写真』

    牛山が旅館の壊れた壁から中へ入ってくる


    牛山

    「お嬢・・・また会ったな」


    アシリパ

    「チンポ先生ッ」



    杉元

    「よくここがわかったな?」



    土方

    「・・・外にいる犬っころだ」


    外を見ると白石、チカパシ、リュウがいる


    土方

    「都丹庵士が硫黄山や屈斜路湖周辺に潜伏している情報はつかんでいたが」


    「夜明け前・・・ここらで唯一営業している旅館に我々は到着したところだった」



    永倉

    「杉元・・・トニの処遇は我々に任せてくれないか」

    「お前たちを襲う心配はもう無いだろう」



    杉元

    「俺の分も入れ墨を写させてくれるなら・・・」



    「ただ・・・ここらのアイヌの村にはアシリパさんの親戚たちがいる」

    「殺してひん剥いてくれると こちらとしては安心だがね」



    アシリパ

    「・・・・・・」



    「こんな暗いところで隠れて暮らして」

    「悪さをするため外に出るのは夜になってから・・・」

    「これではいつまでたってもお前の人生は闇から抜け出せない」



    都丹庵士

    「・・・・・・」

    「参ったなこりゃ・・・」



    谷垣とキロランケも合流した
    2 (1)

    尾形

    「犬より役に立っとらんぞ谷垣一等卒」



    「秋田に帰れ」




    都丹庵士

    「あの男・・・」

    「杉元というんですか?」



    「さっき殺し合いをしている時にふと懐かしさを感じた・・・」

    「鬼のように凶暴だがどこか優しくて 腹の据わった声 どこかで聞いた声だと・・・」



    「あの男は網走監獄で初めて出会った頃の若い土方さんにそっくりだ」



    ナレーション~


    刺青人皮 ?/24枚
    2 (2)


    【エトピリカ】



    鯉登少尉

    「ハァ」



    月島

    「鯉登少尉殿 まだ船酔いが治まりませんか?」



    鯉登は1枚の写真を眺めている
    2 (3)

    鯉登少尉

    「早くまた戦争が起こらないものだろうか」



    月島

    「・・・宿へ戻りましょう」



    【根室】


    第七師団が作戦会議をしている



    宇佐美

    「ロシア製小銃は網走監獄の看守全員に行き届いており 予備の銃や弾薬も豊富のようでした」

    「犬堂典獄は囚人を鉱山会社へ貸出して硫黄山で働かせ それが武器購入の資金となっていたようです」



    「これなら中央の目を引くこと無く監獄の警備を強化できる」

    「マキシム機関銃までありました 他にも強力な武器を隠し持っている可能性は大きいです」



    鶴見中尉

    「・・・でその武器を保管している場所を探る前に正体がバレてしまったと」

    「そういうわけだな? 宇佐美上等兵」



    焦る宇佐美

    鶴見中尉

    「月島座らせろ」



    鶴見がペンを宇佐美の顔に近づける。



    鶴見中尉

    「貴様を看守として潜入させるためにどれだけ手間がかかったか分かってるのか?」



    宇佐美

    (ひゃあ~近い近い)



    鶴見中尉

    「このホクロにこうしてこうして身体を描いて・・・」

    「走らせてやる!!」



    二階堂

    「ぷーッ走ってるぅ!!」


    鶴見中尉

    「もう片方のホクロも走らせてやる」



    宇佐美

    (頭が沸騰しちゃう)



    鶴見中尉

    「ふたりのホクロ君は一生懸命走る」

    「だが・・・ホクロ君たちの距離は永遠に縮まることはない・・・」



    二階堂

    「がわいそう・・・(グスン)」
    2 (4)

    鶴見中尉

    「ところで・・・来る途中の屈斜路湖で杉元たちの情報を得たらしいな?」



    宇佐美はボーッとしたままだ



    鯉登少尉

    「答えろ宇佐美ッ」



    宇佐美

    「はい旅館にいた按摩からそれらしき連中の話を聞けました すでに出発したあとでしたが」



    鶴見中尉

    「アイヌの少女も・・・ちゃんといたか?」


    宇佐美

    「いました」



    鯉登少尉

    「おい宇佐美 さっさと顔を洗ってこい」



    宇佐美

    「鏡どこですか?」



    【北見】


    永倉

    「インカラマッとキロランケか」



    杉元

    「すべて鶴見中尉の仕組んだことで片付けばいいんだけどな」



    土方

    「私も思う所があって・・・実は古い知り合いをこの町によんでいる」

    「あのふたりの写真を撮って誰かに調べさせよう 正体を知ってる者がどこかにいるかもしれない」



    ~廣瀬写真館~



    キロランケ

    「なんだって急に写真なんか・・・」



    杉元

    「アシリパさんの写真をフチに送ってあげようと思ってね」



    「写真師の田本さんがヒジカタさんの古い知り合いだから安心しろ せっかくだから思い出にみんなで撮影会しようぜ」




    田本

    「はい撮りますよ 私がフタを外したら6秒間動かないで」


    インカラマッに続いてキロランケが写真を撮る


    「はい結構です 次の方・・・」
    2 (5)


    「動かないで」



    牛山と家永を撮る 続いてチカパシ


     

    「はい撮りますよ」

     

    杉元とアシリパを撮る

     

    「うん良いですねいい感じのお二人です」
    2 (6)

    田本

    「いいよいいよぉ」



    谷垣

    「すみません ほんとに脱がなきゃダメなんでしょうか」



    田本

    「他の人たちはみんな脱いだよ?」



    谷垣

    「こうですか?」



    田本

    「もうちょっと足を開いてみようか」
    2 (7)

    杉元

    「そういや白石はどこへ行った?」



    永倉

    「石川啄木と遊郭へ行ってる」

    「あいつらやけに馬があうみたいだ」



    女性の胸に顔を埋めている石川啄木

    啄木

    「やわらかに積もれる雪に 熱てる頬を 埋むるごとき恋してみたし」

    白石

    「ぅわかるッ」
    2 (8)

    啄木

    「おいブス酒持ってこいッ カネならあんだぞ!! 歳三が小遣いくれたんだからよッ」


    白石

    「あのじいさんはさぁ 啄木ちゃんに何をさせるつもりなわけ?」


    啄木

    「ああ~~~?」

    「なんでも近々あちこちの新聞社を買う予定なので新聞記者を探してたらしいぜ」



    白石

    「新聞社?」


    啄木

    「ウィリアム・ハーストの話もしてたな」



    白石

    「誰だい?それ」


    啄木

    「白石ちゃんさ 日露戦争を境に日本の新聞に何が起きたか知ってるかい?」


    白石

    「たしか戦争のおかげでめちゃめちゃ新聞が売れて儲かったんだよな」


    啄木

    「そういうことじゃなくて もっと革命なことだぜ」

    「写真が載ったのさ」



    「ウィリアム・ハーストってのはアメリカの『新聞王』だ」

    「その新聞王はとにかく絵や写真を紙面に載せることに執着するそうだ」

    「読者の視覚に与える影響力のデカさをよく知っているんだろうな」


    「実際ウィリアム:ハーストの新聞に煽られた世論のせいで」

    「アメリカはスペインと戦争まで起こしてる」


    白石

    「・・・・・・何をたくらんでやがんだ?あのじいさん」
    2 (9)

    田本

    「土方さん・・・連絡が来た時は自宅で飛び上がりました まさかご存命であったとは」

    「ずっと我が家で大切にしていたものをお渡ししたくて土産に持って参りました」



    1枚の写真を受け取る土方
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    土方

    「ほお」



    ナレーション~

    田本研造・写真師

    函館戦争の際に洋装姿の土方歳三を撮影したといわれる人物

    歴史的に有名なこの写真は9×6センチの小さなものだった



    暗室に干された杉元たち一行の写真・・・。
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