#ゴールデンカムイ

    人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
    今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
    2週間71円で全て読み放題!!
    ゴールデンカムイ 第123話 『形勢逆転』

    ナレーション~

    新しい朝が来た。絶望の朝だ。

     
    都丹庵士

    「いつの間にか明るくなり始めていた!!」
    「急いで逃げるぞ こちらが丸裸になる!!」



    別の場所で単独で行動していた盗賊
    「朝が来る」
    「戻らなくては」



    敵は撃チン! 意気消チン!
    1 (1)

    その盗賊を足蹴りで倒す杉元
    1 (2)

    杉元
    「形勢逆転だ こっちが狩る番だぜ」



    アシリパ
    「杉元お前撃たれた傷があるんだぞ 今は深追いしない方がいいんじゃないか?」




    杉元

    「いや 向こうに態勢を立て直させる時間を与えてはいけない」

    「攻めるなら今だ・・・!!」



    都丹庵士

    「伏せ・・・・・・・」

    (シュ パア)


    銃弾が都丹庵士の耳あてに命中する
    2 (2)


    都丹庵士

    「おお~危ねぇ危ねぇ」
    「えらい遠くから撃ってきやがったぜ」




    杉元
    「尾形の小銃だ」



    尾形
    「もうちょっと明るければ外さなかったのに」
    「あと2発か・・・」



    廃旅館のところまで来た一行
    1 (4)

    杉元
    「尾形だ」




    尾形

    「都丹庵士と手下2名が建物に入っていった」

     
    杉元

    「銃を取りに戻っていたら逃げられる このまま突入して一気にカタをつける」

    「アシリパさんは外で待機しててくれ」

     
    廃旅館に入口で中の様子を伺う杉元と尾形




    杉元

    「暗いな・・・」
    「飛び込んで窓を開けるぞ」

    「うッ・・・ダメだ窓は板が打ち付けられて・・・」
    (バアン)



    アシリパ

    「杉元・・・!!」




    都丹庵士が舌を鳴らす
    (カンッ)
    尾形

    「走れ」



    「奥へ!!」



    「!?」



    杉元
    (何だこの建物は・・・)




    (どの部屋も真っ暗だ)



    (窓が全て塞がれている・・・!!)




    都丹庵士

    「形勢逆転だ」




    建物の外を動き回り、開いた戸からアシリパが中へ入る
    手探りで進むアシリパ
    何か手に触れ、両手で開いてみるアシリパ




    アシリパ

    「杉元?」
    1 (5)

    杉元

    「アシリパさん? どこから入ってきた?」
    アシリパ
    「たぶんこっちだ!! いや・・・あっちか!?」





    暗闇で都丹庵士の舌の音が響く
    1 (6)

    (カン)  (カン)





    アシリパ

    (下手に動けない・・・どうする?)




    「・・・・・・」




    (カン)  (カン)

     
    杉元

    (俺たちを探している)



    (ここは奴らの寝床だ)




    (すぐに見つけられる)
    (奴らはどこから襲って来るのか)
    (こちらからはまったく見えない)




    アシリパがマキビシを床にまく


    1 (7)

    アシリパ

    「塘路湖のペカンペだ」



    盗賊が踏みつける
    「ぐううッ」
    すかさず尾形が盗賊の頭を撃ち抜く
    1 (8)

    その音に反応して近づいてきた別の盗賊もペカンペを踏む
    「あぐうッ」




    杉元が盗賊に槍を刺し、そのまま壁に叩きつける

    その拍子に壁の一部が壊れ、外の光が差し込んでくる

    杉元のすぐ後ろに都丹庵士が迫っていた
    振り向きざま相手の銃を叩き落とす杉元



    都丹庵士も抵抗し杉元にタックルし、杉元の顔面に攻撃をする
    1 (9)

    杉元を背後から首締めをする都丹庵士


    都丹庵士
    「きさまら鉱山会社の連中と網走監獄の犬堂は報いを受けるべきだ」

    「囚人の命と光を奪って得たものをすべて奪ってやる」



    そのまま都丹庵士を背負い投げする杉元
    杉元
    「うおるああッ」
    1 (10)

    都丹庵士

    「うぐッ」



    槍を拾った杉元が都丹庵士の顔に槍を向ける

     
    杉元

    「オラ咥えろよこの野郎」

     
    アシリパ
    「杉元どこだ?大丈夫か?」

     
    杉元

    「アシリパさんはそこを動くなッ」





    「無関係のアイヌの村も襲って回った分際でよ テメエに大義なんてねえだろう盗っ人が」




    都丹庵士

    「そうさ・・・いまさら按摩なんてできねえ 飢えて目も見えない俺達はそう生きるしかない」
    「だがアイヌの和人も無関係の人間は殺しちゃいねえ」

    2 (1)

    槍が都丹庵士の顔に刺さっていく
    杉元

    「そのうちみさかいが無くなるさ」

     
    都丹庵士
    「わかるのかい?」
    「確かにあんたからは人殺しのニオイがぷんぷんするもんな」




    眼を見開く杉元

    故郷でのことが頭をよぎっていた
    梅「あなた・・・どなた?」
    1 (11)

    その隙をついて都丹庵士が杉元の頭に銃をつきつけていた



    そこへ土方が現れる



    土方

    「久しぶりだな都丹庵士」

     
    都丹庵士
    「その声・・・」

    「なんであなたがこんなところに」

     
    土方

    「犬堂典獄と喧嘩だ」
    1 (3)

    人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
    今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
    2週間71円で全て読み放題!!
    ゴールデンカムイ 第121話 『暗中』

    ナレーション~

    待望の温泉回から暗転!!
    白石

    「暗くて何も見えねえ・・・」


    都丹庵士

    「その声は白石だな 鉱山業者に雇われたか?」


    白石

    「そっちとは無関係だッ」
    「入れ墨を写させてくれたら分け前をやる」
    「すぐに撃ってこねえのは取引の余地があるってことだろ?」
    都丹庵士

    「ガキに当てたくないだけだ さっさと風呂から出さなきゃ撃ちまくるぜ」
    「言っとくがあくまで出来れば殺したくねえだけだ」
    都丹庵士は何かの気配を感じ、服を破り腕に巻く
    次の瞬間、リュウが都丹の腕に噛みつく 「ガルルッ」
    2 (1)

    チカパシ

    「リュウの声だッ」



    ナレーション~

    もともと犬は夜行性の動物であり暗闇でも人間の約5倍は見えている



    全員が風呂場から出る
    1 (1)

    尾形が銃を手探りで探し、銃を持つ



    リュウ 「ガウウ ウウウ」
    都丹庵士

    「ふ~む・・・ごちゃごちゃでわからんな」
    白石

    「ひとまず森へ逃げろッ」

    2 (4)
    白石は木に頭をぶつけ、気を失う
    杉元の胸に銛が刺さる
    杉元

    「・・・・・・」



    盗賊

    「捕らえたッ」

    1 (2)

    杉元は銛を引き抜き、盗賊に回し蹴りを見舞う。
    盗賊

    「うおッ」
    杉元

    「こんな傷じゃ俺は殺せねえぞぉ」
    1 (3)

    場面が変わり、暗闇を進む谷垣


    谷垣

    「ハッ!!」
    「チカパシか?」
    「逃げるぞ走れっ」
    (グイッ)
    キロランケ

    「痛い痛いッ!!」
    1 (4)


    銛を振り回して、応戦する杉元
    2 (3)
    都丹庵士が舌を鳴らした

    「カアァァン」
    杉元

    「!?」



    都丹庵士が銃を撃つ




    アシリパ

    「銃声だ」



    森の中の谷垣とキロランケ
    谷垣
    2 (2)

    「銃を持ってるのは都丹庵士だけのようだ」
    「同士討ちを出来るだけ避けるためか」

    「灯りのある方へ逃げられないように 銃を持った都丹は旅館を背にして近づいてきた」




    キロランケ

    「あいつら盲目での戦いに慣れてる」
    谷垣

    「用心深く銃を近くに隠してたのは尾形だけだ」
    「また嫌味を言われる」
    「盗賊たちは尾形が銃を持っていることにまだ気付いていないはずだ」




    ナレーション~
    杉元や尾形の持つような小銃が暴発しないための安全対策を紹介する

    弾倉に五発すべてを指で押し込んだ状態で

    遊底(ボルト)を戻し薬室を空の状態にする

    最後に空撃ちして確認することを

    軍では徹底されていた

    つまり戦闘状態になった際は
    一発目を撃つとき必ずボルトを操作して
    薬室に弾を送り込む必要がある
    都丹庵士

    「・・・・・・・」
    都丹庵士は臭いをかぐ  (スン スン)

    松明の灯りで進むアシリパ



    暗闇で音がする  (パキッ)
    アシリパ

    「杉元?」
    銛を持った盗賊が出てきた
    盗賊

    「灯りを消せ」
    1 (5)


    都丹庵士

    「たいまつに近づくなッ 銃を持ってる奴がいるぞッ」
    尾形の銃が盗賊の頭を撃ちぬいた
    1 (6)


    都丹庵士は銃を乱射する

    「おおお おおおお」
    (パァン パァン パァン パァン パァン)
    尾形が銃を構えるも
    尾形

    「・・・・・・」
    「何も見えん」
    「あと四発だ 無駄打ちは出来ない」



    銃に弾を補填する都丹庵士




    アシリパを何者かが背後から捕まえる

    アシリパ

    「離・・・」
    杉元はアシリパの口を塞ぎ

    「アシリパさん俺だ・・・・」



    アシリパ

    「!?」

    「これは血か? 杉元のか? 怪我したのか?」
    杉元

    「平気だ」
    「暗くなきゃあんな奴ら俺の相手じゃねえんだが・・・・」

    「コランコロカムイをひどく怒らせちまったみたいだな・・・」

    1 (7)

    (明け方まで逃げ切ったら反撃開始だ

    1 (8)


    都丹庵士

    「血の匂いがプンプンする」




    人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
    今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
    2週間71円で全て読み放題!!
    ゴールデンカムイ 第120話 『奇襲の音』

    ナレーション~

    コタンコロカムイからの警鳴



    フチの甥っ子

    「イタチか何かが近づいたのだろう」
    「奴らは用人深い」
    「昼間は姿を現さない」



    「集団で村ごと襲う時は必ず月の出ない新月に襲ってくる」



    尾形

    「新月までこの村で待ちぶせる必要はないだろう」
    杉元

    「確かに」
    「奴らの寝床を見つけた方が手っ取り早い」

    1 (1)


    「昼間に奇襲をかけりゃ すぐにカタがつく」




    フチの甥っ子

    「この近くに和人が経営する温泉旅館がある」
    「なにか聞けるかもな」




    森の中から音が聞こえる
    (カン)  (カン)
    アシリパ

    「!?」
    杉元

    「どうかした?」

     
    アシリパ

    「いや・・・聞いたことのない音が森から・・・・・」
    「気のせいかも」




    インカラマツ

    「このあたりは泥火山という噴気孔が数カ所あります チカパシ気をつけて」
    「『熱い』『煮えたぎる』という意味で私たちは『ボッケ』と呼んでます」




    谷垣

    「ボッキ」
    チカパシ

    「ボッケだよ」
    谷垣

    「え?」
    チカパシ

    「ボッキじゃないよ」




    「おっと・・・そうか ははは」
    「ボッキか・・・」

    1 (2)

    チカパシ

    「ボッケだよ谷垣ニシパ」




    場面は夜に・・・温泉宿

    マッサージ師が杉元をマッサージしている




    マッサージ師

    「鉱夫とか職人・・・色んな人間の身体を触ってきましたが」
    「こんなにやわらかい筋肉は初めてです」

    「手が沈み込む・・・」

    「大きな猫・・・いや・・・野生のトラというのはこんな身体かと想像させます」
    「素晴らしい天賦の才だ」

    「そしてそれ以上に信じられないのは この体中の深い傷跡・・・」
    「どうして生きていられるのか」




    杉元

    「あんまさん知ってる?」
    「アイヌってのは葬式の時に故人の道具や着物を傷つけて」

    「持ち主があの世で使えるように魂を抜いてやるんだって」

    「そうだよね?アシリパさん」
    「俺の魂を抜きたきゃもっとデカい傷が必要なのさ」

     
    マッサージ師

    「へえ そうなんですか」

     
    アシリパ

    「魂が抜けるのはこの世での役目を終えたから・・・」
    「杉元が傷を負っても死なないのは この世での役目がまだ残っているということだ」




    場面が変わり、温泉に浸かる男たち
    1 (3)
    1 (4)



    杉元

    「さっき あんまさんから聞いた話では」
    「むかしは屈斜路湖周辺にもっと温泉宿があって硫黄山で働く鉱夫のたまり場になってたそうだ」
    「明治29年の閉山で客が激減して廃屋になってる旅館が森のなかに点在してるらしい」

    2 (4)


    白石

    「盗賊の隠れ家にはもってこいだな」
    「夜が明けたら探しに行くか」




    キロランケ

    「あと2日で新月だ 今夜はゆっくり英気を養おうぜ」

    アシリパ

    「ひとりで大丈夫か?」


    2 (2)


    マッサージ師
    「ありがとう 夜道はお嬢ちゃんより得意だよ」




    アシリパ

    「ほんとに?」




    マッサージ師

    「ああ 真っ暗でも転がっていった小銭だってすぐ拾えるんだから」

    「お嬢ちゃんには出来ないだろう?」

    「目が見える人はそっちに大きく頼りがちだからね」
    「目が見えない分あたしらにしか見えないものがある」
    「そうだお嬢ちゃん 夜のゲタの音に気をつけなさい」




    アシリパ

    「ゲタ?」




    マッサージ師

    「夜になるとこのあたりに出て来る盲目の盗賊さ」

    「みんなはゲタの音だって言うけどあれは違う」
    「ある晩にあたしも聞いたことがある」
    2 (3)
    「あれは舌の音だ」
    「舌を鳴らした音の反響でものを見る」




    アシリパ

    「舌を鳴らすってどんな風に」



    マッサージ師

    「カンッ」
    「カンカン」

    1 (5)

    杉元

    「何の音だ?」
    (カン カン カン カン カン)
    風呂場まで盗賊が来ていた

    1 (6)

    杉元

    「!?」




    谷垣

    「何だお前ら!!」
    「その恐ろしい形の棒をどう使う気だ!?」
    2 (1)


    杉元

    「こっちにも来たぞッ」

     
    谷垣が振り向き、谷垣のイチモツが白石に当たる

    (ポコン)
    背後の気配でまた谷垣が振り向く
    谷垣のイチモツが白石に当たる

    (ポコン)

    1 (7)


    アシリパ

    「あの時の聞いたことのない音は舌の音だったのか」
    「私たちはコタンにいるときからずっと」
    「見られていた!!」

    1 (8)

    白石

    「なんてチンポ・・・」
    「いや・・・なんてことだ!!」
    「こいつが都丹庵士だッ」
    風呂場の灯りが銃で撃たれる (バギャアア)



    キロランケ

    「!!」
    「灯りをやられたッ」



    都丹庵士

    「こっちからは丸見えだぜ」




    ナレーション~
    真っ暗で目が見えないのにどうやって戦う!?
    しかもフリチンで!!
    1 (9)

     

     


    人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
    今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
    2週間71円で全て読み放題!!
    ゴールデンカムイ 第118話 『尻拭い』

    養豚場での門倉部長と新入り


    門倉「おう新入り・・・」

    「そっちの奥に木箱があるから外に運び出しておいてくれ」

    「刀はそこに置いていけ 足に絡まって転んだらブタのクソまみれだぞ」

    新入り「はい」

    刀を外し、立てかける新入り

     
    新入り「木箱はこの奥ですか? 門倉部長」

     
    門倉「行けばわかるよ」



    新入り「どれのことですか?」

    「もっと奥にあるんですか?」
    新入りが奥に進むとハンマーを手にもつ囚人が。
    1 (1)

    新入り「・・・・・か」
    「門倉部長!!」



    「門倉部長どこですか?」

    (あれ? 僕の刀が・・・)


    陰に身を隠す門倉


    囚人

    「『苦しませるな』と言われてる・・・大人しくすりゃ一発で仕留める」


    囚人に肘鉄を見舞い、ハンマーに手をかける新入り
    1 (2)

    そして、もう一人の囚人をハンマーで殴る
    最初の囚人の後頭部もハンマーで殴り、血しぶきが飛ぶ




    門倉「うえぇ!?」





    新入り「ふう・・・」

    「門倉部長~?」


    門倉(おいおいマジかよ)

    (アイツめちゃくちゃ強いじゃねえかッ)
    (勝てない喧嘩はしない主義だぜ俺は)


    その場を足早に去る門倉


    新入り「まいったなぁ」
    「みんなにバレちゃってるのかな?」

    庁舎に戻る新入り
    庁舎見張り「どうした?新入り」




    新入り「養豚場で転んじゃいまして 着替えてこないと・・・」



    見張り「ドジだなぁ」

    「あと少しで俺は交代だから戻ってくる時は自分でそいつに説明しろよ?」



    新入り「はい わかりました」


    見張りの持つ銃に目をやる新入り

    (ロシア製のモシン・ナガン)
    (奥にマキシム機関銃も見えたぞ)
    (こんな重装備の看守は網走監獄だけだ)
    (監獄の経費で揃えてるはずはない)
    (武器の購入資金は一体どこから?)



    新入り「門番はまだ僕の正体を知らなかったみたいだ」
    「ヨカッター」
    「でもここでもっと調べる事があったのになぁ・・・ 門倉部長を見くびっていた・・・」

    「鶴見中尉殿に叱られてしまう」
    (ハァ~)



    犬堂に報告をする門倉

    1 (3)

    門倉「言われたとおりあの新入りはブタに食わせました」



    「意外と抵抗激しく新入りも囚人たちもそれぞれが瀕死のところを

    わたしが間に入ってきっちりカタをつけました」
    「新入りは『行方不明』 囚人ふたりは『喧嘩の末の同士討ち』で処理しました」



    犬堂「・・・門倉部長 ここに来て7年だったか?」
    「私はずっと門倉が金玉の伸びきった腑抜けタヌキと思っていた

    『役立たず』を辞書で調べたら『門倉』が出て来ると・・・・・」

    「だが今日は ほんの少しきさまに対する評価を改めよう」

    門倉「そりゃどうも では記念日ですね」

    犬堂「チンポだかデベソだかわからん短小男だと7年間思っていたが・・・

    きさまはそうでもなさそうだ」



    門倉「うちに帰って赤飯炊きます」



    場面が変わり、郵便局の鍵を開ける職員
    ひとりの兵士が話かける


    兵士「もし 郵便局員の方でしょうか?」



    郵便局員「はあ・・・何か?」

     
    兵士「急ぎで電報を送りたい 昨日の夜から開くを待っていた」

     
    郵便局員「はいはいただいま・・・」


    兵士が人影に気付く
    (・・・どうしておまえがここに)


    人影は夏太郎だった 兵士を銃撃する夏太郎

    そして馬でその場を去る
    1 (4)


    夏太郎「あの反応・・・間違いなく俺を小樽からつけていた兵士の残りのひとりだ」
    「『報告のために一番近くの郵便局へ駆け込むはず』という予想が大当たりだ」
    「自分の尻拭いはしっかりやったぜ」
    「土方さん褒めてくれるかな」





    場面が変わり、【釧路新聞社】
    土方と永倉が石川啄木と向き合う




    石川啄木「それで・・・私にどのようなご用向きでしょうか?」
    1 (5)

    永倉「活きの良い遊軍記者を探していてね」
    「小樽の新聞社であなたの噂を聞いた」
    「良い文章を書く若者がいま釧路の新聞社にいると聞いて寄ってみたんだ」



    ナレーション~

    遊軍記者とは状況に応じて臨機応変に動き回る何でも屋の記者のこと





    土方「日露戦争を境に・・・日本の新聞は大きく変わった」

    「今の時代刀で脅しても国民は動かん そうだろう?」
    「石川啄木さん」
    1 (6)


    ナレーション~

    『一握の砂』で有名な歌人・詩人の石川啄木は明治末期に

    函館・札幌・小樽・釧路などの道内の新聞社を転々と勤務していた



    場面が変わり~

    釧路から北へ約三十キロ 【塘路湖】



    アシリパ「この湖は昔からペカンペが沢山採れることで有名だ」

    「ペカンペ」

    「『水の上にあるもの』という意味で菱の実のことだ」

    「ペカンペがあるから湖の周りにはアイヌの村がいくつも出来た
    村同士で争いが起きたほど貴重な食べ物なんだ」




    「秋になって実が熟したらどっさり採って冬の保存食にする」




    杉元「すげえトゲ」
    「乾かしてカチカチになったのを昔の忍者はマキビシに使ったんだよな」



    アシリパ「にんじゃ?」

    アシリパ「乾かして保存しているペカンペは皮を剥ぎ 中の白い実をひいて団子や餅にする

    採れたてのものは塩ゆでにしてご飯に混ぜて食べる」
    「栗みたいでホクホクして美味しいんだ」



    杉元「へえ美味しそうだね」



    アイヌ男「もうすぐペカンペの収穫時期だが 採っても『奴ら』に全部奪われるかもしれない」
    「みんな不安に思っている」

     

    ナレーション~ 彼はフチの二番目の姉の息子である

     

     
    杉元「『奴ら』って他のコタンの人たち?」

    アイヌ男「違う・・・最近このあたりに現れる盗賊だ」
    「真っ暗闇の中を松明も灯さず森を抜けて襲ってくる」



    白石「なにもんだ?そいつら忍者か?」



    アイヌ男「奴らは全員目が見えない 盲目の盗賊たちなのだ」

    「襲われた時にラッチャコの灯りで姿を見た者がいる」
    「そいつら盗賊をまとめている頭目の身体には奇妙な入れ墨がある」




    銃を構えた奇妙な入れ墨の男が入ってくる

    1 (7)

    杉元(来た・・・!!)
    1 (8)

     


    人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
    今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
    2週間71円で全て読み放題!!
    ゴールデンカムイ 第117話 『網走へ』

    ナレーション~
    心の根っこにジ~ンと染みる北の大地のラヴゲーム♪



    【釧路マタギ旅情】谷垣源次郎 片面:胸毛むしり音頭




    唄は世につれ

    世は歌につれ・・・

    恋のしぶきが思いをぬらす

    釧路 さいはて ラッコ鍋



    さだめ苦しむ

    男と女

    嘘は言わない波音に

    あゝ 涙する北の旅唄
    1 (1)

    海岸でインカラマツと谷垣が話をする
    谷垣「インカラマツの目的がわからない」
    インカラマツ「アイヌの女として金塊を守りたいだけです」
    1 (2)

    「アシリパちゃんの父親・・・ウイルクはアイヌの金塊を守ろうとして」
    「極東ロシアを拠点とするゲリラ組織のバルチザン・・・」
    「かつてその仲間だったキロランケに殺されたのだと私は考えています」



    「キロランケが言うように指紋が鶴見中尉のガセである可能性も否定できません」
    「ただ・・・私がこれから誰かに殺されたら その時はキロランケが犯人です」



    谷垣「ウイルク・・・・・・その男をまだ愛しているのか?」




    インカラマツ


    「・・・・・・いいえ」
    「それに言ったはずですよ 私とのことはラッコ鍋のせいにしてくださいって」
    谷垣(ラッコ!!)
    場面が変わり、杉元たち





    キロランケ

    「俺の息子達は北海道のアイヌだ 金塊はこの土地のアイヌの為に存在している」

    「俺の目的はインカラマツと同じはずだ」
    インカラマツ「・・・」
    白石「それで・・・どうすんだよ みんな疑心暗鬼のままだぜ?」




    尾形「誰かに寝首をかかれるのは勘弁だな」
    アシリパ、谷垣、チカシパ、リュウが互いに疑いの視線をしている
    杉元「行くしかねえだろ」
    1 (3)

    「のっぺら坊がアシリパさんの親父なのか違う男なのか・・・」


    「会えば全部ハッキリする」
    「網走監獄へ行くってのは最初っからずっと変わらねえ」
    「インカラマツとキロランケ 旅の道中もしどちらかが殺されたら・・・」
    「俺は自動的に残った方を殺す!!」
    「これでいいな!?」
    「なんてなッ!!  アッハッハ・・・」

     
    【駅逓所】
    ナレーション~

    旅館・運輸・郵便などを担っていた施設であり

    開拓のために存在した

    北海道独自のもので当時は北海道に二百箇以上あった
    馬を借りる事も可能で数十キロごとに点在する

    駅逓所間を送迎してもらえるため
    杉元たちも懐に余裕があるときは利用していたと考えられる


    夏太郎

    「油問屋にあった刺青人皮です」

    「稲妻強盗は第七師団に獲られました」

    「亀蔵もあいつらに・・・」




    家永「亀くん・・・」
    永倉「ご苦労だった、夏太郎」




    そこで土方が誰かの気配を感じとり、銃を構え発射する

    夏太郎の背後にいた兵士を銃撃する
    逃げようとする兵士を牛山が捕まえ投げ飛ばす




    兵士「ぐ・・・」

    「う・・・」
    兵士は立ち上がり刀を抜く
    土方が銃を撃つ
    牛山「誰もいなかったぜ」




    永倉「独りだけなはずはない ここをすぐに立ち去らねば」





    土方

    「夏太郎のやつ泳がされたか 油問屋の刺青人皮も偽物の可能性が高い」
    「やられたな」
    1 (7)

    牛山「あのガキどこへ行った?」
    「夏太郎!夏太郎!」



    「!?」
    夏太郎のハッピを見つけ
    「厩舎の前に夏太郎のハッピが・・・」
    厩舎の中を見た牛山は絶句する
    「・・・!!」

    「なんてこった・・・」
    夏太郎を切り刻もうとしている家永
    夏太郎「助けて牛山ふぁん」
    1 (4)

    牛山「ハ~・・・」

    「ダメだぞ家永!」





    家永「夏太郎くんの若い肌が綺麗で・・・」
    場面が変わり、【網走監獄】
    独房ののっぺら坊
    1 (5)


    看守「新人!こっち手伝ってくれ」




    「あの男が気になるか」
    新人

    「そりゃまあ・・・」
    「あんな恐ろしい顔の男はなかなかいませんからね」





    看守

    「先輩として忠告しておくぞ ここに来て一番に学ぶ事は」
    「【のっぺら坊に関わるな】だ」
    夜になり、監獄を出た新人看守が
    後ろの尾行を気にしつつ古い建物へ
    中には第七師団が





    新人

    「のっぺら坊は毎日のように房を移動させられているようです」
    「移動の順序に一定の規則性があるとすれば」
    「ある程度数日先の予測が出来るかもしれません」

    「とにかくもう少し時間をかけて観察が必要です」






    看守が犬堂に報告をする
    犬堂

    「やはりあの新人・・・第七師団の内通者か」
    「養豚場のブタに食わせろ」

    「新人の事はお前に任せたぞ門倉看守部長」
    門倉「私がやるんですか?」





    犬堂

    「誰か囚人を使っても良い ここは殺しが得意な者ばかりだからな」
    「ここは私の監獄だ」
    「勝手な真似をする奴は農園の肥料にしてやる」





    ナレーション~

    【網走監獄 典獄 犬童四郎助】
    1 (6)


    鬼が住む北の最果て 金城鉄壁。
     


    このページのトップヘ