#ゴールデンカムイ

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    ゴールデンカムイ 第116話 『青い目』

    ナレーション~

    占い師が告げたのは・・・・

    〝未来〟ではない。〝現実〟の〝真実〟?



    インカラマツ「網走監獄にいる のっぺら坊は・・・」
    「あなたのお父様じゃありません」
    「アシリパちゃんのお父様・・・」

    「ウイルクはアイヌを殺して金塊を奪うような人じゃない」
    「私たちが初めて出会ったとき

    ウイルクは北海道へ来たばかりで日本語は話せず

    アイヌ語は樺太訛りでした」
    「あなたと同じ深い・・・青い目・・・」

    「ポーランド人の父と樺太アイヌの母から生まれたと言ってました」
    1 (1)

    「日露戦争前までロシア領だった樺太には 帝政ロシアに弾圧され

    ヨーロッパから極東へ流刑になった沢山のポーランド人がいたそうです」
    ナレーション~

    樺太には北海道アイヌと似ているが独自の文化を発展させた樺太アイヌが先住していた
    インカラマツ「ウイクルは若い頃からアムール川流域の少数民族と共に帝政ロシアからの解放運動を繰り広げ

    戦い・・・傷つき・・・北海道の小樽へ逃げてきました」
    「私は毎日ウイクルとすごしました」
    「ウイクルは父親の影響で信仰はキリスト教でしたが

    私が教える北海道アイヌの信仰や土地のことや言葉

    私達の食べるもの・・・すべて受け入れてくれました」




    ナレーション~

    樺太にはエゾジカやタヌキがいない
    インカラマツ「戦いで傷ついたウイクルはこの土地で癒され北海道アイヌを愛していた」
    1 (2)

    アシリパ「・・・私だって父がのっぺら坊とは信じてないけど

    父からインカラマツの話は一度だって聞いたことがないぞ」

     

    「父は私の母から『すべて教わった』と言っていた お前の言うことはすべてが怪しい!!」
    インカラマツ「たしかにアシリパさんのお母様は美しい人でした・・・」
    「ウイクルにとっては私はまだ子供でしたから」


    「忘れちゃったかもしれませんね」



    涙を流すインカラマツ



    アシリパ「・・・・・・」
    1 (3)

    場面が変わり、番屋での谷垣たち
    谷垣「土方歳三たちとは旭川ではぐれたままそれっきりだ

    詐欺師の鈴川の情報をもとに杉元たちが釧路へ行くだろうと俺は予想した」
    「そしたら近くのコタンでお前らの話を聞いてな」




    谷垣「それよりよぉ」

    「杉元おまえ・・・」
    「ちょっと見ない間に急に・・・いい男になったな?」
    2 (1)

    白石「キロちゃんも前よりいい身体になってねえかい ええぇ?」




    キロランケ「そうかぁ? どうだ?谷垣ぃ」





    谷垣(なんなのだ・・・?この感情!!)
    2 (3)
     
    (抑えきれない)
    「ア ス~ッ」

    「ス~ッ」

    白石(こんな気持ちはじめてだ)

    (どうやって発散させりゃ良いんだ・・・!!)

    (モンモン)




    尾形「・・・・・・」






    杉元「ダメだ俺・・・もう 我慢できねぇ・・・」

    (ハァ ハァ)

    杉元が服を脱ぐ

    杉元「相撲しようぜ」
    ナレーション~
    なるほどそうか!!

    取り組中



    取り組中




    取り組中
    ごっちゃんです
    1 (4)

    白石「なんかバッタどっか飛んでったみたい・・・・」





    杉元「ああ・・・うんじゃあそろそろ行こうか」
    谷垣「・・・・・・なんか盛り上がっちゃったな?

    なんでだろうな・・・ハハハ」
    白石「・・・・・・」




    杉元「・・・・・・」
    杉元「・・・誰にも言うなよ?」
    谷垣 白石 尾形 「うんわかってる」
    番屋で一人谷垣が寝ている
    谷垣「くかー」





    インカラマツが入ってくる
    インカラマツ「谷垣ニシパ・・・」



    谷垣「インカラマツ?」
    1 (5)

    インカラマツ「ラッコの肉は食べると欲情すると信じられています」

    「ラッコがつがいの片方を人間に獲られると行き場のない欲情で死んでしまうほど
    孤独に弱いと言われているからです」
    2 (2)
     
    着物を脱ぐインカラマツ
    谷垣「!!」
    (ちょっと待て どうしたんだ急に・・・・・)




    インカラマツ「谷垣ニシパはラッコの肉を食べたせいにしていいです・・・・・・」
    谷垣にキスをするインカラマツ




    谷垣「・・・・・・・」
    「ん・・・・・・」




    その様子をチカシパが覗いていた
    チカシパ「はあ・・・」




    「はああ・・・」
    「オチウ・・・」





    ナレーション~

    オ「陰部」チウ「~を刺す」つまり人間同士の性交を意味する
    チカパシ「オチウ怖ぁい・・・」




    ナレーション~
    チカパシは初めてみる大人のセックスの迫力に怖くて泣いた





    場面が変わり、砂浜のアシリパ
    アシリパの回想~
    インカラマツ「このまま網走へ行けばキロランケと再会してしまう」

    「とても危険な男です 最後には刺青人皮も奪われ金塊も奪われる」

    「脅威が無くなるまでアシリパちゃんは身を隠してください」
    アシリパ「キロランケニシパをどうするつもりだ」
    (キロランケニシパが父を殺すとは思えない・・・)
    インカラマツ「証拠があります」

    ~回想終わり





    そこへ谷垣とインカラマツがやって来た



    インカラマツ「アシリパちゃん」
    谷垣「一晩中ここにいたのか?」




    そこへ杉元たちもやって来た





    白石「あ!」
    「いたいたアシリパちゃんだ」




    杉元「よかった・・・無事だったか」
    キロランケ!!

    アシリパ「キロランケニシパが私の父を殺したのか?」
    1 (6)

    白石「え?」




    キロランケ「俺が?なんだよいきなり・・・」
    インカラマツ(こんなところで会っていきなり問い詰めるとは・・・)
    (しょがない子ですね・・・)

    インカラマツ「・・・・・証拠は」
    「馬券に付いた指紋です」




    白石「指紋?」
    インカラマツ「指紋は人によってそれぞれ模様が異なるため

    外国ではすでに数年前から犯罪捜査に利用されています」




    ナレーション~

    日本が正式に採用したのは明治44年から




    インカラマツ「私じゃ苫小牧の競馬場で男性方の指紋を採取し照合を依頼したところ

    キロランケさんの指紋が数年前ある場所で採取されたものと一致しました」
    「アシリパさんのお父様が殺害された現場です」
    アシリパ「遺品のマキリの刃に指紋が付いていたそうだ」

    「父とは何年も会っていないと言ってたよな?」





    インカラマツ「極東ロシアの独立資金にアイヌの金塊を持ち出そうとした あたなのお仲間では?」
    尾形「ちょっと待った」
    尾形はインカラマツに銃を向ける

    「この女・・・鶴見中尉と通じてるぞ」



    谷垣「よせッ何を根拠に・・・」






    尾形「谷垣源次郎~」

    「色仕掛けで丸め込まれたか?」



    尾形「殺害現場の遺留品を回収したのは鶴見中尉だ」

    「つまり鶴見中尉だけが指紋の記録を持っている」




    谷垣「・・・・・・・」




    インカラマツ「鶴見中尉を利用しただけです」
    谷垣「・・・・・・・」
    尾形「大した女だな?谷垣よ・・・・・」
    1 (7)


    キロランケ「俺に指紋と一致したなんて 鶴見中尉の情報を信じるのか?」
    「この状況がやつの狙いだろ? 殺し合えば鶴見中尉の思うツボだ」

    「アシリパ・・・父親がのっぺら坊じゃないと信じたい気持ちはよくわかる」

    「でもあんな暗号を仕掛けられる男がこの世に何人もいるはずがない」

    「アシリパだってあの父親ならやりかねないと・・・そう思っているんだろ?」





    白石「どっちだ?どっちの話が本当なんだ?」


    「誰が嘘をついてるんだ?」
    尾形「白石 この中で監獄にいたのっぺら坊と会っているのはお前だけだ どんな野郎だった?」
    杉元「本当にアシリパさんと同じ青い目だったのか?」
    白石「え?俺は一度も青い目なんて言ってねえぞ あんな気持ち悪い顔マジマジと見たことねえよ」

    「それに多分・・・他の囚人ものっぺら坊とは会話してないんじゃねえかな
    あいつは黙々と入れ墨を彫るだけだった」

    「脱獄の計画はすべて土方歳三を通して俺たち囚人に伝えられたんだ」




    ナレーション~

    のっぺら坊は
    ほんとうにのっぺら坊なのか?
    たしかにこんなマネが出来るような奴はそうそういない
    ひょっとして すべて土方歳三が仕組んだことでは?





    第七師団

    「釧路の谷垣から小樽のアイヌのお婆さんへまた電報が来てました」

    「杉元たちと合流したようです」
    鶴見中尉「よし・・・」

    「そろそろ我々も網走へ向かおうか」
    1 (8)


    ナレーション~
    全ての謎は網走へ通ず。
     




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    ゴールデンカムイ 第112話 『ウコチャヌプコロ』


    姉畑支遁を探し、森の中をリュウを連れて歩くアシリパと杉元


    アシリパ「最初に私たちが若いオス鹿の死骸を見つけた場所だ」

    「リュウは二瓶の銃を追えるわけじゃない

    二瓶の銃を持った谷垣のニオイを追って来た」
    「私たちが知っている姉畑の痕跡はここだけだ」

    「雨が降ったばかりだからニオイが残ってるかわからないけど・・・」





    杉元「間に合うか厳しいな・・・」




    アシリパ「ギリギリまで粘ってみよう いざとなったら尾形が・・・」




    杉元「・・・アシリパさん もし俺が谷垣みたいな状況になったら」

    「尾形にだけは託さないでくれよ?」



    アシリパ「杉元に何かあったら」

    「私が必ず助ける」




    杉元「ほんとにぃ?」

    (ははは・・・)

    「頼むぜアシリパさん」
    アシリパ「信じろ杉元 何があろうと私は・・・」




    リュウが急に動き、引っ張られるアシリパ

    (ズザァァッ)
    1 (1)

    杉元「おお?リュウが何かに反応したようだぜ!!」




    場面が変わり、アイヌの村
    アイヌ男が見張りに向かって


    「寝るなッちゃんと見張ってろ!」

    尾形に食糧を渡すアイヌ男

    「おい食え兵隊さん」

    アイヌ男「・・・・・!?」

    アイヌ男が布を剥がすと尾形はいなかった



    尾形は谷垣を脱走させていた
    1 (2)

    谷垣「杉元たちを信じて待っても良かったのに・・・」
    尾形「時間が迫ればそれだけ監視も厳しくなる」


    谷垣「逃げれば罪を認めるようなものだ」


    尾形「お前の鼻を削ぐのは俺がやっても良かったんだぜ」



    再び、アシリパ一行

    アシリパ「見てみろ杉元 リュウがいいもの見つけたぞっ」

    杉元「嬉しそうだね ウンコかい?」

    アシリパ「ヒグマのウンコだ!!」

    杉元「ウンコじゃん ウンコじゃん」

    アシリパ「ウンコだ杉元・・・・ウンコだ」
    「おそらく今日の朝のものだ!」

    「誰か人間がウンコの上で暴れまわっている跡がある」



    杉元「姉畑支遁しかいねえだろそんなの!!」

    「犯人は近いぞリュウ!!」
    アシリパ「姉畑はヒグマのウンコを体に塗って近づく気だ

    ヒグマとウコチャヌプコロなんて出来るわけないのに・・・」
    「飲まず食わずで冬ごもりしていた春のヒグマよりも

    たくさん食べて体力を取り戻した夏のヒグマはとても強い

    馬の首も一撃でへし折る」



    姉畑支遁「あえて風上からじっくり近づいてヒグマに気付かせましょう」
    「驚かせるのは避けたいです」

    「大きなオスですねぇ美しい・・・・・・」
    「夢中でアリなど虫を食べてるようです」


    ヒグマが匂いに気付き立ち上がる




    姉畑支遁「あっ・・・こっちに気付いた」
    「相手と同じ行動をしてみます 私も虫を食べます」
    「トノサマバッタ美味しい・・・・・・」



    ヒグマが姉畑支遁に近づく
    姉畑支遁「大丈夫ですよ~敵じゃないですよ~大好きだからねぇあなたは強そうだねぇ~」

    「仲良くしようねぇ」

    前脚で姉畑の頭を押さえるヒグマ
    姉畑支遁「痛たたた・・・コラコラ~ 大丈夫だから大好きだから」
    「優しくしようねぇ」
    「痛いよぉ?痛いよぉ?」
    「痛いって・・・ちょっと・・・痛い痛い・・・」
    「痛い痛いッやめてッ」

    「痛いッ ギャーッ」
    そこへリュウが駆け出す
    1 (3)


    アシリパが弓を構える



    「リュウ離れろ矢に当たるッ」




    リュウが二瓶の銃を咥えたはずみで銃が暴発し、流れ弾がアシリパをかすめる
    その反動で後ろに倒れるアシリパ
    杉元「アシリパさん」




    助けようとした杉元もアシリパと池に落ちる

    1 (4)

    杉元「ぶはッ深いぞこの池!!」


    アシリパ「ヤチマナコだ」

    ナレーション~

    ヤチマナコ(谷地眼)

    湿原の泥炭の下には無数の川は流れており
    水の動きで泥炭がはがれ落ち穴があいて水面をのぞかせる
    小さな水面の下は壺型に3、4メートルも深くなっているところもあり
    夏は水草類で水面が隠れるため「湿原の落とし穴」と言われる



    尾形「銃声だ」



    ヒグマにしがみつく姉畑支遁
    ヒグマ「ウオッ」「ウオッ」
    姉畑支遁「くううッ」
    「私は」
    「諦めないッ」
    杉元「あいついつの間にか下半身脱いでる!!」

    「何であんな馬鹿をヒグマから必死で守らなきゃいけないんだッ」



    銃を構える杉元
    杉元「うーわッ・・・壊れたッ!!」
    ナレーション~



    銃を水中に落とした場合 銃身内の水をしっかり切ってから撃たないと
    圧力が高まり破損する危険が有る
    アシリパ「杉元!! ヒグマが襲って来るぞッ」
    マントをばたつかせる杉元
    杉元「ホパラタだッ!!」
    1 (5)


    また池に突き落とされる

    (ドボン)
    杉元「全然効かねぇ」




    姉畑支遁「手のちからが・・・もう限界だッ」

    「神よ!! 私に僅かばかりのちからを!!」

    頑張れ姉畑支遁!!
    アイヌ男たちが尾形たちを見つける
    「いたぞッ逃げたふたりだ」
    谷垣「見つかった!!」
    アシリパ「矢尻に固定していた毒が水に溶けてしまった」





    杉元は水中で壊れた銃を見つめ

    (コイツで戦うしか無いのかッ)
    必死でヒグマにしがみつく姉畑支遁

    「はあはあ」
    アシリパが蛇に気付く


    「ぎいやッ蛇だぁッ」


    アシリパ「ういいッでも・・・これを投げれば」

    「ヒグマは蛇は大嫌いだから・・・」 

    杉元(水面から顔を出した瞬間ぶっ叩かれて首が折れるかも でも苦しい・・・」




    アシリパ「杉元を助けないと!!」
    「助けると約束したッ」
    「ぎいやッ蛇ッ」
    「杉元ぎいッ」
    「ぎいやッ」
    「ぎいいいいいッ」



    アシリパがヒグマに向かって蛇を投げつける
    「ウコチャヌプコロ!!」
    1 (6)

    ヒグマ「バヒーッ」
    「ブクブク・・・」
    杉元が水面に顔を出す 「ぶはッ」



    姉畑支遁「動物が大好きなんだ・・・!!」
    ヒグマの隙をつき挿入する姉畑支遁
    1 (7)

    尾形「なんてこった」
    アイヌ男たち「信じられん みんな見てるか?」

    「ああ・・・!!」
    杉元「やりやがった!!」

    「マジかよあの野郎ッ」

    「やりやがったッ!!」
    「姉畑支遁すげえッ」 
    1 (8)



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    ナレーション~ 逃亡の理由。
    インカラマッ「四日前のことです 私たちは地元のアイヌの男たちと出会いました」
    アイヌの男「その村田銃・・・」

    「二瓶鉄造のものではないか?」


    谷垣「どうしてそれを?」
    アイヌの男「10年以上前・・・ヒグマを一緒に狩った 腕が良すぎてヒグマがこの土地からいなくなるかと思った程だ」

    「その銃床の小さな七本の傷・・・」

    「二瓶鉄造の銃に刻まれていたものだ」

    1 (2)


    谷垣「二瓶は・・・山で死んだ」
    「この村田銃は俺が引き取った」

    インカラマッ「あの出来事がその後まさかあんな事態になるとは・・・」

    アリシパ「ハンッ!!占い師のクセにぇ?」

    1 (3)


    場面が変わり、森の中の中年男~

    樹姦している例の変態男
    2 (2)


    ベルトを締め直しながら・・・

    1 (4)

    「なんて汚らわしいッ」

    「こんな木は存在してはいけないッ」

    「切り倒して燃やさなくては」

    2 (3)


    そこへ、谷垣・チカパシ・インカラマッの一行が通りかかる
    チカパシ「ニシパ(旦那)」

    「何してる?」
     

    中年男は驚き 「ウヒッ」

    谷垣「ナタでその木を切り倒すのは大変だと思うが?」


    中年男「あ・・・いや 違うのですこれは・・・」
    「クマゲラが餌をとった穴を見ていたんですね」

    「すっごいキレイな楕円形の穴ですすっごい・・・ 硬い木によくこんな穴が掘れるな~と思って
    私も真似したんですね」
    2 (1)

    チカパシ「チプタチカプ『舟掘る鳥』だよね?」


    中年男「そう!よく知ってるね この楕円形の穴は『舟掘型』というんだ」

    「君たちアイヌはこれを真似して丸木舟を作ったというね」
    チカパシ「くわしいなニシパ生き物好きなの?」


    中年男「うん・・・好きで好きでたまらないんだ!!」

    1 (1)

    インカラマッ「男は姉畑支遁と名のりました」
    「学者で北海道の動植物を調査していると・・・」
    姉畑「ほらほらチカパシくん このイタドリの葉を見てごらん」

     
    チカパシ「なあに?」
    姉畑は口に指をしーっと当てながら

    「コテングコウモリがお休み中だよ」
    インカラマッ「チカパシがとてもなついたので私たちも油断しました」
    「その日は姉畑支遁と一緒に野宿をしたのですが」

    「翌朝・・・男と共に谷垣ニシパの銃と弾薬が消えていました」

    「おそらくその銃が新たな犠牲に使われて・・・」

     

    尾形「チッ」

    「銃から離れるなとあれほど・・・」

     

    白石「囚人に学者がいるってのは聞いたことがある」

    「あちこちで家畜を殺して回って牧場主に見つかって大怪我させて捕まったとか」

     

    杉元「鈴川聖弘から聞いた情報と一致するぜ」

    「そいつが入れ墨脱獄囚24人のひとりだ」

    「とにかく犯人は二瓶の銃を持っている 手分けして探そう」



    アシリパ「さっきの鹿の死骸が一番新しい犯人の跡だ 行くぞ杉元!」

    アイヌ人が鹿の死骸を焼きながら祈る儀式をしている


    1 (5)

     

    「ロロワエカシ ウサラワフチ (火の翁神よ火の媼神よ)」

    「タパン ピンネラウ ランケ カムイ オンネ(この若き雄鹿が地上に下した神のもとに)」

    「アラクワンノ オシピ クニ(まっすぐ帰れるよう)」

    「タパン タンパク トゥラノ カネ(このタバコを捧げて)」

    「クノミ タパンナ(お祈りいたします)」


    アシリパ「カムイノミ・・・神様へお祈りしてる」

    「私たちが住む西の方は鹿をカムイ扱いしないけど
    東はあんまり獲れなかったから昔から鹿を大切に送る儀式もする」
    「人間も含め全ての者はカムイと呼ぶことができる しかしいつもカムイと呼ぶ者は限られている」

    「人間ができない事 役立つものや災厄をもたらすものなどがカムイと呼ばれる」
    「火は私たちの生活に欠かせない」

    「木も山に座っているカムイ」

    「天候や疾病などは人間のちからが及ばないからカムイだ」

    「でも決して人間よりもものすごく偉い存在ではなくて私たちと対等と考えている」
    「狩猟というのは人間が獲るんじゃなくて カムイの方から弓矢に当たりに来ると考えられてきた」

    「人間に招待されて肉や毛皮を与えるかわりに カムイは人間しか作れない酒や煙草やイナウ(木弊)が欲しい」

    「私たちはカムイを丁重に送りかえし 人間の世界はいいところだと他のカムイにも伝えて貰わなきゃならない」

    「ひどい扱いをすればそのカムイは下りて来なくなる」
    アイヌの男がアシリパの弓を見て

    「その弓・・・遊びで持ってるものじゃなさそうだな」

    「いまどきそんなもので狩りをしてるのか?」

     

    アシリパ「銃は私の身体ではまだ重すぎる」

    「銃は便利だが急所を外せば獲物を苦しませる 私の毒矢なら急所じゃなくてもすぐ死ぬ」



    ナレーション~
    アイヌの毒矢は北海道北部天塩町にて昭和7年まで密かに熊狩りで使用されていた記録がある
    アイヌの男「変わった子供だ」


     

    杉元「犯人を追ってるのは あんたの仲間か?」

    「もう捕まえたか?」



    アイヌの男「わからない・・・でも時間の問題だろう 我々は犯人を知っている」



    アシリパ「その男が鹿を惨殺するのを見たのか?」
    アイヌの男「二日前 俺は銃声のした方へひとりで向かった」
    「メスの鹿が死んでいた」


    アイヌの男は、鹿の死骸のそばの木に銃が立てかけられており、その銃に7つの傷があるのを確認した。

    その時、何者かに木で頭を殴られ気絶する


    アイヌの男「目が覚めてからメス鹿をよく調べるとこの若いオス鹿同様・・・」

    「犯されていた」

    杉元「谷垣はそんなことをする男じゃない」

     

    アイヌの男「知り合いか?」
    アシリパ「どうしてだ?杉元・・・・どうしてこんなことを?」
    「人間が鹿とウコチャヌプコロしても」

    「子供なんか出来ないのに・・・」

    「ましてやオスの鹿とウコチャヌプコロする意味がわからない」

    「オスはメスとしかウコチャヌプコロしないはずなのに」

    「オスとウコチャヌプコロするなんて どうしてだ?杉元・・・・・」
    杉元「ウコチャヌプコロ・・・・・」

     

    「トゥアネネ キラ!!(そっちへ逃げた)」
    「トゥアネネ キラ!!(そっちへ逃げた)」

     

    谷垣「!!」
    川を泳いで逃げようとしていた谷垣は岸へ戻る
    アイヌ人たち「エウレンテ リクナプニ(両手を上げろ)」

    「クアクナ!(撃つぞッ)」
    谷垣は銃を奪おうとする
    アイヌ人「!!」


    1 (6)


    そのままアイヌ人を投げ倒し、すぐに銃を捨てる
    「俺はやってない」「濡れ衣だッ」

    投げられたアイヌ人が銃で谷垣の顔を殴る
    「エライアケン(殺してやる)」

     

    (ダァーン) 銃声が響く

     

    皆が振り向くと、
    尾形「久しぶりだな谷垣一等卒」
    アシリパ「無理やりウコチャヌプコロしてカムイを穢すやつは絶対許せない 必ず私たちで捕まえてやる!!」
    杉元「ウコチャヌプコロ・・・」

    1 (7)
     

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    ナレーション~
    不可解な遺骸?


    アシリパ「ピンネラウ」

    「『若いオス鹿』だ 死んで何時間かたってる」
    杉元「猟師かな?」
    アシリパ「猟師なら獲物の毛皮をズタズタにして
    夏なのに肉の処理もせず何時間も離れない」

    杉元「アシリパさんこの肉どうする?」

    「白石たちに持って帰る?」

    アシリパ「いや・・・なんか嫌な感じがする」

    「お祈りだけして立ち去ろう」

    「あっちの湿地に仕掛けた罠を見てこよう 水辺の鳥が掛ってるかも」

    「これは『カシンタ』という水鳥用の罠だ太い部分はぶどう蔓で出来てる」

    2 (3)



    「ヒモを木に結んで罠を水面に浮かべ輪の中に餌を沈める」

    「餌をたべようと水辺の鳥が輪の中に首をいれると・・・くくり罠が絞まる」


    杉元「なるほど ぶどう蔓は『浮き』の役割か」


    アシリパ「罠を見て回るぞ杉元」
    杉元「はい アシリパさん」


    杉元「獲れてるよッアシリパさん!! 丹頂鶴が罠にかかってる」

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    「スゲー タンチョウヅル獲れた でかいッ」

    アシリパ「サロルンカムイ(湿原にいる神)かぁ・・・」
    「ナベヅルは美味しいけどタンチョウヅルは美味しくないんだよな・・・」
     

    杉元「ええ?」

    「せっかく獲ったんだし白石たちもお腹空かしてるだろうから・・・」


    白石「おなかすいたね」
    「・・・・・」
    普通に無視する尾形 
    2 (2)



    「あ!! 良かった帰ってきた」
    白石「鶴って江戸時代は関東の方にも飛んできてたらしいな
    将軍様もこうやって鶴の汁を食べてたって・・・」 

    杉元「だいぶ減ったみたいでもう関東じゃ見たことないぜ」
    (モグモグ)

    (う~ん・・・)
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    アシリパ「肉が硬いし美味しくないだろ?」

    白石「なんで丹頂鶴なんか獲ったんだ!」 

    アシリパ「普段は獲らないけぞ杉元が『北海道の珍味を食べ尽くしたいんだ』と
    いつも言ってたから・・・」


    杉元「言ってねえだろ 俺はそんな目的で北海道を旅してるんじゃないんだよ! 

    アシリパ「・・・・」

    「杉元は・・・どうして金塊が欲しいんだ?」

    杉元「まだ言ってなかったっけ」

    「戦争で死んだ親友の嫁さんをアメリカに連れてって目の治療を受けさせてやりたいんだ」
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    尾形「『惚れた女のため』ってのは その未亡人のことか?」
    白石「え?そうなの?」
    杉元「・・・・・・・」

    いきなり踊り始めるアシリパ

    (バサ)(バサ)

    「フン」「トリ」「フンチカプ」

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    杉元ビクっとする (アシリパさん どうしたの?)


    アシリパ (ハアホオオ)(ホーイホオ)

    「鶴の舞 釧路に伝わる踊り」

    「この踊りで着物の袖をバサバサさせるのは『ホパラタ』といって
    鶴はヒグマととても仲が悪くて羽をバサバサして喧嘩するから」

    「ヒグマにあったらホパラタすると逃げていくと言われてる」
    杉元「へえ・・・・どうして急に踊ったの?」

    2 (4)
    息を切らしながら目をそらすアシリパ
    頬が赤く染まっている。


    アシリパ「別に・・・鶴食べたから」 

    尾形「ふ・・・・」
    ふと誰かに気づく
    尾形「こっちに誰か来るぞ」

     男の方「ほら見てインカラマッ」

    「やっぱりアシリパだッ」

    インカラマッ「ですね」


    アシリパ「チロンヌプ(狐)と・・・チカパシだ なんでこんなところに!?」


    杉元「知ってる子?」
    チカパシ「やっっと見つけた!!」
    アシリパ「私を探していたのか?」

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    チカパシ「谷垣ニシパと小樽から探しにきた!!」
    白石「谷垣?」
    尾形「・・・・・・」


    チカパシ「でも・・・谷垣ニシパが大変なことに!!」


    杉元「谷垣に一体なにが?」


    インカラマッ「谷垣ニシパは私たちを巻き込みたくなくてはぐれました
    谷垣ニシパは昨日から追われてます」


    アシリパ「誰に追われてる?」
    インカラマッ「このあたりで最近家畜や野生の鹿を斬殺して粗末に扱う人間がいるらしく」
    「『カムイを穢す人間がいる』と・・・
    怒った地元のアイヌは谷垣ニシパが犯人だと誤解して殺気立ってます」

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    アイヌ「ハンケノ アン シリ ネ ナ!! (近くにいるぞ)」

    杉元「アシリパさん さっきのオス鹿・・・」
    場面が変わり森の中~
    (エゾシロチョウの集団吸水・・・)
    (黄金のキノコ・・・タモギタケだ)
    (湿地に巣を作る夏鳥のオオヨシキリ)
    (夏に首元が赤くなるアカエリカイツブリ)
    (湿地の花であるクロハナシノブとクロユリ)
    (夏の釧路湿原も綺麗だ)


    メガネをかけた中年男性「世界はこんなにも美しい」
    「おやおやおや・・・二股の袋角からみて若いオスですね
    夏毛の白い斑点がワタスゲの白い穂と混じり合ってなんと幻想的な」
    「すべてが愛おしい・・・・!!」
    2 (1)
     
    鹿に挿入する男

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    「私はッ!! なんてことをッ!! 汚らしいッ!!」

    「こんなことッあってはいけないッ!!」
    杉元「そいつ・・・詐欺師の鈴川聖弘が言ってた囚人かも」

    「アシリパさん 俺たちで真犯人をとっ捕まえて 阿仁マタギを助けに行こう」

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    ナレーション~
    すごーい! 彼は変態けものフレンズなんだね!

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