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沢村栄純 VS.機動力野球!!
沢村、先頭打者に対し、2球目!
打った!
ショートゴロ。
ただの内野ゴロだが、足が速い!
ファーストはギリギリアウト。
沢村
「しゃー倉持先輩。」
「ナイスチー」
「ナイスチー」
「洋さんナイスチー」
白龍の選手
「チー?」
「ナイスチー?」
前園
(今のでギリギリかい。)
金丸
(めちゃくちゃ速ぇ・・・)
先頭バッターは美馬に
「センター返し狙ったら振り遅れた・・・
手元で伸びて来るぞあのピッチャー」
沢村の表情は明るい。
調子も悪くなさそう。
春市
(足を使ってくるチームだけに、なるべくランナーを溜めたくない。)
倉持
(俺らの守備で一つでもアウトを取ってやらねえとな。)
次のバッターは際どいコースは全部カットしてくる。
沢村
(・・この)
外角低め・・
ボール!
由井、将司に
「カット打法か・・・厄介だね。」
御幸
(先頭打者を2球で仕留めたからリズムを上げていきたかったのに・・
さすが嫌なバッターを揃えてるな。
こういうバッターからムキになって空振り取ろうとしても粘られるだけ。
だったら緩い球でタイミングを外し
手を出させるーーー。)
しかし・・高めに浮いた!
バッター打った!
ライト前ーーー!!
御幸「・・・」
白龍高校初ヒット!!
御幸はジェスチャーで
”高けぇよ!”
沢村
「サーセン!!」
3番美馬の前にランナー出塁。
礼をしてバッターボックスに入る美馬。
御幸(きたな・・)
沢村は1塁ランナーのリードの大きさに驚く
(でかくね?リードでかくね!?)
沢村は牽制球を投げる
「このヤロー!」
御幸
(広角に打ち分けられる柔軟なバットコントロールに50メートル5秒8の俊足。
プロが注目する天才バッター美馬総一郎。
この男を止めない限り、勝ちは転がってこない。)
沢村、2度、3度と牽制する。
白龍の監督
(しつこいな・・・
ウチの宮尾が二塁に到達するタイムは3秒3
選抜で御幸が出した二塁送球平均タイムは1秒91
その差1秒39
つまりあのピッチャーのピッチング動作のタイムが盗塁成功のカギを握る。)
ピッ
沢村のモーションからミット到達までのタイムを計る。
ピッ
1秒29
白龍の監督
(決して速くはないが・・まずまず・・
ウチ相手に先発させるだけはある。
ならば存分に揺さぶらせていただこう。)
沢村、モーションに入る。
走った!
前園
「スチール」
美馬は外角低めの球を逆らわずにレフト方向に!
ラン&ヒット!!
レフトは降谷。
倉持
「降谷3つ!!狙ってくるぞ!!」
降谷、ゴロを掴んで
(いかせん・・)
3塁へ矢のような送球!
しかし少し高い!
セーフ。
沢村(おお・・)
当然の如く美馬も二塁に。
観客
「うおお!これだよ これ。
レフト前の当たりで迷わず三塁へ。」
「今のは暴走だろ・・・?
降谷の送球が逸れなかったら危なかったぞ。」
「リスクは十分承知。
ここで走ってこその白龍野球。」
御幸
(右方向へ引っ張ろうとするチームバッティングじゃなく・・
コースに逆らわず素直に弾き返してきた・・
それが許されるほどチームに信頼されたバッターってことか・・・)
ランナー2・3塁で4番北大路
青道は前進守備に。
観客
「ヒッティングスクイズにセーフティスクイズ」
「ゴロなら間違いなく突っ込んでくる」
「転がされた時点で1点覚悟しなきゃならないからな。」
「守備にも相当プレッシャーかかるぞ」
記者
「初回から山場だな。」
記者・峰
(・・・・
この機動力に翻弄され崩れていったピッチャーはセンバツでも少なくなかった・・
全国随一の機動力野球をどう迎え撃つ青道高校ーー・・・)
青道の選手は皆目つきが変わっている。
倉持
(たまんねえな。)
春市
(この緊張感。)
御幸
(ランナー2・3塁・・・
ピンチっちゃあピンチだが、むしろバッターとの勝負に集中できていいよな・・・)
沢村の表情が・・・
市大三高戦の時にも見せた、強烈に集中したものになっている!
御幸
(これだよ・・・
この状態の沢村が全国の強豪にどこまで通用するか見てみたかった。)
4番に対する一球目は・・・
内角高め!
バッターがやや避けるも
審判
「ストライーク。」
これぞ沢村の真骨頂!!
攻めの姿勢で主砲に挑め!