脅威のサーバー現るッ!!

観客席のカップル。

「天井サーブこわーっ」

「トップレベルでは最近使われないってだけで やられたらフツーに嫌(ヤ)だわ」

大佐渡
(――去年活躍していても雑誌に名前が載っていても
1回戦で消えるかもしれないのが全国大会
誰が爪跡を残すかなんてわからない)

小さくガッツポーズをする姫川。

応援席
「ナーイッサー姫川!!ナイッサー姫川もう一本ー!!」

ピーーッ

烏野高校1回目のTO(タイムアウト)

実況
『すかさず牽制のTOを取ります 烏野高校烏養コーチ』

解説
『烏野高校は武田一鉄監督がバレーボール未経験という事で
実質の指導はこの烏養コーチが行っています』

烏養
「ドリブルはとられないんだからビビらず上げろー
見上げると周りが見えなくなるから声な」

解説
『烏養コーチは以前烏野高校を率いていた名将
烏養一繋監督のお孫さんでもあります』

実況
『顏がそっくりですねえ』

実況
『さあTO(タイムアウト)で物理的に流れが切られましたが
集中力を維持できるか椿原学園1年生 姫川葵』

越後&寺泊
(今 一番この体育館を味方につけているのはお前だ
行け 姫川!!)

再び天井サーブを放つ姫川。

ナレーション:
天井サーブとは:
かつて「世界一のセッター」と称された猫田勝敏が編み出したサーブで
その名の通り天井高く打ち上げるサーブである

レシーブする際に照明の影響を強く受けたり
落下速度の大きさ故にボールの落下位置が予測し辛いサーブである

澤村&東峰
「「オーライッ」」

ダンッ

「「!」」

1 (1)


同時に声を上げ、互いに固まりボールを見送ってしまう格好に。

実況
『あーっと!見合ってしまった烏野高校ーッ」

澤村
「すまん俺だ!」

東峰
「邪魔した!」

烏養
「くらァッ 何のための声だッ」

実況
『姫川2連続サービスエ――ス!!』

姫川
「・・・!!」

実況
『椿原学園が逆転ー!!』

応援席
「ナーイッサー姫川!!
ナイッサー姫川もう一本!!」

1 (7)


実況
『あーっと大佐渡監督も思わずガッツポーズ(笑)
烏野高校は大分天井サーブを嫌がってる様ですが
やはり慣れていないというのが大きいでしょうか?』

解説
『そうですねー
天井サーブは昔 サーブレシーブのルールが今より厳しく

実質オーバーハンドが使えなかった時代には効果的だったサーブですが
ルール緩和とともに見る事が少なくなっていったサーブです

オーバーの方が安定しますからね
モチロン アンダーの方が取りやすいって選手も居ると思いますが・・・

とは言え オーバーなら容易くとれるというワケではないですし
照明に邪魔されたり球(ボール)を見上げる事で視界が制限されたりするんですね

まあ あと天井近くの高さからかなりの落下スピードを伴って落ちて来ますから
結構怖いんですよ』

実況
『烏野高校この流れを断ち切れるか』

烏野の試合の様子を心配そうに見ている音駒の研磨。

1 (8)



 

姫川サーブ(3回目)

東峰
「オーライ!」

しっかりオーバーで取るが、低いトスになってしまう。

影山
「ーレフト!」

最後は澤村。

強打と見せかけ、ちょこんと落とす。

当間
「! 前だ!」

姫川
「ハイッ」

しっかり飛び付いていた姫川。

実況
『穴を狙った攻撃 これを上げる!
レシーブでも魅せます1年生姫川!」

選手
「ナイスレシーブ!」

大佐渡監督(元々守備がウリで入ってきた選手だもの)にこにこ

『そしてレフトから寺泊―――!!!』

最後は寺泊が決める。

観客
「ナーイスキーモートーキー ナイスキーモトキ」
「押せ押せモトキ もう一本!」

烏野15-17椿原

円陣を組む椿原の面々
「オエ――イ!!」

ピーーーッ

実況
『烏野高校たまらず2回目のTO(タイムアウト)です!
完全に流れを持って行きつつあります椿原学園!』

烏野高校2回目のTO

椿原側の応援席は大盛り上がり。

「行け行け椿高ー行け行け椿高ー!」
「押せ押せ椿高ー押せ押せ椿高ー!」

一方、烏野の方は・・・

1 (2)


必死に声をかける嶋田
「も 持り下がんないでー! 声! 声出してくべ!!」

そして選手たち。

1 (3)


こわい顔の影山
「一本目 もっと高く下さい
短くても良いんで
高く」

澤村&東峰
「「サーセンッ」」

椿原

丸山
「流れ完全にコッチだ!
烏野 (むこう)も焦り出してる!押し切るぞ!」

姫川にタオルを差し出す月岡

「・・・も一本」

姫川
「・・・!」「・・・!!」

「はいっ!」

無言で立ち去る月岡の背中に、嬉しそうに答える姫川。

ピーーーーッ

丸山
「シャアッ」

姫川
(“流れ”ってものの根拠は知らない
でもそれが椿原(コッチ)にあるんだろうって事はわかる)

『ヒーローになれる1点だ』の言葉を思い出す。

がしかし、烏野高校の圧力を感じる姫川。

1 (4)


思わずびくっと身震いしてしまう。

姫川
(ああ これが)

ピーーッ

とりあえず打ち上げる姫川。

西谷
「!!」

「キタ キタァ――ッッ」

澤村
(こっちに来いよっ)

東峰
(来なくてヨカッタ・・・)

ボールは西谷の目の前。

トンッッ



お手本のようなレシーブで完全にボールの勢いを殺す。

焦る姫川。
してやったり表情の澤村・西谷と、完全に見とれている日向。

影山がトスを上げる前に、烏野の選手たちが一斉に動き出す。

迷う姫川
(もう10番が でも両サイドも来てるし いや バックレフトも)

最後は東峰のバックアタック。

真横にボールが落ちるも、全くできない姫川。

完全に烏野高校の雰囲気に圧倒されている。

1 (6)


(これが全国)

【椿原学園メンバーチェンジ】
IN 8番 岩室
OUT 14番 姫川

越後「姫川」

「3セット目の準備しとけよ」

気を取り直す姫川。

姫川
「はい」

このままでは終わらせない! ぶつかり合う互いの意地ッ!!

→→続く
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