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弱虫ペダル RIDE.441 『焦る広島』
青八木「どうした浦久保 もうボトルは落とさないのか?」
浦久保《ワシの大事なボトル 拾ってくれんか》
浦久保《ワシの大事なボトル 拾ってくれんか》
レース前の出来事を思い返す
青八木「今度はひろうつもりはないがな!!」
◎浦久保に啖呵を切る青八木!!
東村(総北!!)
庭妻(3年 青八木!! 優策に加速で追いついた!!)
不機嫌そうな顔をする浦久保
浦久保「何じゃ スタート前はあれだけヨタヨタ歩いとったヒヨドリが
まだまだとべます……いうことか」
庭妻(ヒザを負傷しとったんじゃないんか!!)
浦久保「橋の欄干までのこり3km…
その最後の距離ならワシをきっちりおさえこめる そう言いたいんか…」
青八木「…………」
こくりと頷く
青八木「スプリントバトルはかけひき戦だ
空気をきりさくおまえの走り あれを出すタイミング少し早かったようだな!!
ああいうのは最後までとっておくものだ」
庭妻「………!!」
東村「!!」
手嶋は笑みを浮かべる
庭妻「優策!!」
大声を上げる庭妻
浦久保「ん?どうした庭妻」
庭妻「!! どうした…て
しっかりしろ優策!! 追いこまれて口数が減っとる 大丈夫じゃワシらがついとる!!
言うてもこっちは3人!! 3対2じゃまかせとけ」
前に飛び出す庭妻と東村!
庭妻「次はワシたちが出る!! いくぞ東村!!」
東村「はい!!」
庭妻「ワシらで総北の連中を引きずり回して足を削るんじゃ!!」
東村「はい!!」
庭妻「はりつけ優策!!」
浦久保も庭妻、東村の後へと続く
手嶋「動いた広島!」
青八木「はりつけ純太」
手嶋「うっく!」
青八木「追う!!」
広島を追いかける青八木と手嶋
東村「来ました総北!!」
庭妻「当然じゃ これはバトル!! 逃げたら追ってくる!! 必然じゃ!!
ともかく!! まずは東村ぁ…
おまえがワシにしっかり引き離されんようにせぇよ!!」
東村「うっ… は…はい!!」
東村(庭妻さんのプレッチャーが変わった!!
この人も浦久保さんと同じく『スプリンター』だがタイプが全く違う!!
この人の真骨頂はダンシング!!)
庭妻「ちぎれろ 総北!!」
東村(加速しながらなおかつ ペダルに体重をのせる!!
パワータイプ!!
速い!! すごい!! 浦久保さんとは正反対の――)
風や地形を完全に無視して直進するタイプなんだ)
「ついたアダ名は
呉のブルドーザー!! 呉南工業3年 庭妻繁典さん!!
この人は 人間重機なんだ!!」
広島と大きく離されている青八木と手嶋
広島との距離がじりじりと近づく
手嶋(――――――え)
全力で逃げる広島
田所「相手を長く走らせればその分パワーを使わせることができる
「じゃあ実践で教えてやる!!」
田所《もう十分だ》
手嶋「けど おまえほどじゃなかったかもな 正直やけるよ」
手嶋「さぁ!! 思い出話に花咲かせてる間にィ!!」
庭妻「総北!!」
追いこまれているはずなのに笑みを浮かべる浦久保
浦久保「『広島ぁ―――』 『総北ゥ―――』て叫んで…
浦久保「最初に言うたじゃろ
衝撃を受ける手嶋
「ワシの勝ちじゃあ!!」
手嶋の脳内にも、ゴールラインを先に割る浦久保の姿が映る
◎仕組まれていた闘い。残された手は…ない!?
庭妻「東村ぁ総北はァ!!」
東村「はいっ」
バッと後ろ見る
広島と大きく離されている青八木と手嶋
東村「遅れてます!!
じりじりとしか近づいてきてません!!
ボクらがここで出るとは思わなかったんですよ!!」
庭妻はニヤッと笑う
東村「いけますよ
ボクも引きます庭妻さん」
庭妻「おお」
前に出る東村
庭妻「つき放せ東村!! おまえの渾身のスプリント見せてみろォ!!」
東村「はい!!」
手嶋「のこり2.5kmきった 残り距離短くなってる!!
大丈夫か青八木」
青八木「心配いらない じりじり近づいてる」
広島との距離がじりじりと近づく
手嶋「そう…だな けど―――」
(もしかしておまえ さっきより加速が鈍い…!!
まさかここにきて―― ヒザが!!)
そう考えている手嶋の事を察して青八木は言う
青八木「心配いらない純太
さっきりより加速が鈍いと感じてるか?それは――
足を削らないように40%の力で走ってるからだ」
手嶋(――――――え)
衝撃を受ける手嶋
手嶋「へ?40て…」
青八木「じりじり近づけばいい なるべく『遅く』ヤツらに追いつく」
全力で逃げる広島
青八木「今ヤツらを泳がせてる」
手嶋は驚いた顔をしている
青八木「この闘い方は 去年田所さんから教わったものだ
速く走るだけがスプリントじゃない
スプリントは”かけ引き戦”だ と」
手嶋(田所さん――――!!)
過去回想―――
田所「いいか青八木
スプリントで人数減って のこりの距離がまだ少しあったら
相手を『走らせる』ことも重要だ」
青八木「え… すぐつかまえなくていいんですか…
走らせる…ですか?」
田所「相手を長く走らせればその分パワーを使わせることができる
すぐにつかまえちゃもったいねェんだ
足を温存しながらじっくり追いつくことで有利になる
分かるな!? 意外に頭つかうんだスプリントは!!」
青八木「……………」
田所「……えーと…えーと… そうか…よし」
「じゃあ実践で教えてやる!!」
田所「こいつには敵をつかまえる足が必要だ」
青八木「はい」
田所「死ぬほどの練習と あとは場数と根性だ!!」
青八木「はいっ」
青八木「今のオレがあるのは田所さんのおかげだ」
手嶋「田所さんにはオレも世話になった いろいろ教えてもらった」
田所《もう十分だ》
手嶋「けど おまえほどじゃなかったかもな 正直やけるよ」
青八木「え」
ポンと肩を叩く
手嶋「きっと嬉しかったんだと思うぜ 田所さんは
面倒みて育てたオレたちの2人のうち1人が
自分と同じスプリンターとして道を進むってことが」
広島との距離があと僅かまで迫る!
広島との距離があと僅かまで迫る!
笑顔の田所さんに頭を撫でられ場面を思い返す
青八木「…………そうか…」
手嶋「そうだよ
オレも面倒は見てもらったけど おまえは『特別』だ」
青八木「………(―――『特別』…
そういえば よく頭をなでられた気がする……)」
少し照れる青八木
手嶋「さぁ!! 思い出話に花咲かせてる間にィ!!」
庭妻「チィッ」
浦久保「…………」
手嶋「追いついたぜ!! 広島!!」
広島に並ぶ青八木と手嶋!
庭妻「総北!!」
東村「く!! なぜ!! 庭妻さんは人間重機なのに」
青八木「…… 死ぬほどの練習とあとは場数と根性だ」
東村「庭妻さん!!」
庭妻「く!!」
追いこまれているはずなのに笑みを浮かべる浦久保
手嶋(え)
青八木「!」
手嶋(笑ってる!? 浦久保 追いつかれたのに!?)
浦久保「いやはや ワカっとらんのォ……言うたはずじゃけどなァ…
ヒヨドリも…庭妻も東村もォカワシマくんもォ………」
浦久保の言葉に驚いた表情をする庭妻と東村
浦久保「『広島ぁ―――』 『総北ゥ―――』て叫んで…
この勝負チーム同士のバトルじゃと勘違いしとる」
青八木は睨む
浦久保「最初に言うたじゃろ
これは”シンプルなスプリント勝負”じゃて
この先の橋の欄干に先にたどりついた者が勝ち―――
じゃから実はヒヨドリや庭妻がどんな先行しても何のイミもないんじゃ
ワかるじゃろ?頭でよけ考えりゃ
チップ交換したんは誰じゃ そうこれは―――
カワシマくんとワシの2人のォスプリントバトルじゃ!!」
衝撃を受ける手嶋
浦久保「キミとワシ どちらか…先に…到着した方が勝ちじゃ
スプリンターであるワシと クライマーであるキミの」
手嶋(あの時不意に受け取ったヤツのチップ
オレに渡してオレのを受け取った―――
あの時からすでに―――
こいつは”オレ”に狙いをさだめてたのか!! ここまで読んで!!)
浦久保「総北5番―――キミ クライマーじゃろ?
ワシの走り 出すの早すぎた言うたかヒヨドリくん
“スプリントはかけ引き”?
見せたんじゃよワザと 十分にワカらすために
ワカったじゃろ?5番はワシにスプリントでは敵わん!!」
「このまま進もうや!! のこりの道のり
このまま進めばラインスプリントになる
“とびだす2人”―――――――― そうなりゃあ」
庭妻(優策… はじめからこのことがわかっとって
青八木が最初に追いついても動じんかったんか…!!)
「ワシの勝ちじゃあ!!」
手嶋の脳内にも、ゴールラインを先に割る浦久保の姿が映る
浦久保「ワシ…空気のよめる男じゃろ?
のこり2kmまだあるが カワシマくんのチップ…川の中 確定じゃな?」