人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
2週間71円で全て読み放題!!
MAJOR2nd メジャーセカンド 第100話 『戦力分析』

「ええっ!? 2収監後に大会あんの!?」



丹波「なんだ、一年生は知らなかったのか?

全日本少年軟式野球大会、略して全軟―――

全中と呼ばれる、中学部活対抗の夏の大会と別の、

クラブチームも参加する大会だ。」



大吾「俺たちはもちろん知ってたけど、今回の全軟は
てっきりエントリーしないと思ってたから…………

正直、突然でびっくりしてるよ。」

睦子「ハハ…ムリでしょ!たった2週間って……

うちはまだ9人やっと集まっただけで、

練習試合すらしてないのに大会なんて…」



丹波「確かにチーム練習が足らなすぎるな……」

関鳥「9人じゃ、病人出たらアウトだね。」

千里「ピッチャー仁科君と佐倉先輩だけ?」

アニータ「仁科はムリや。」

仁科「………」

弥生「棄権しちゃう?」

太鳳「いや出よーよ、せっかくだし。」

山口「どうする茂野君?棄権でもあたしは別に全然いいけど

(大会なんてあたしの貴重な週末が潰れちゃうし~~)」


大吾「いや……もちろん出ます。」
1 (1)


大吾の返答に対する部員達の反応…
1 (2)

大吾「練習試合がしたかったし、ちょうどいい。

何回戦突破とか目標は立てられませんが、経験しといて損はない。」



パン

ビシッ
1 (3)



ノック練習中の関鳥

それぞれの守備練習をする丹波、弥生、太鳳、千里…

大吾「とりあえず 今のうちの戦力を確かめてきます。」
スパァン

ピッチング練習中のアニータと睦子

クク…

スパン
1 (4)

クク…

パシィ


ズルッ ズルッ

仁科「ハ――― ハ―――」



仁科「くっそ……なんで俺だけ体力トレなんだよ!!」
1 (5)

ビシィ!

アニータ「ナイスボール!」

疲れて汗を流しながらにっこりする睦子
練習が終わりグラウンドを整備する部員達…

大吾「おーい誰か一年生!今夜雨振る予報出てるから、

一人ブルーシートしくの手伝って!」

千里「はーい。」

アニータ「あーうち行くわ。」
ブルーシートを持ち上げる大吾…

大吾「よっ、重っ!ああアニータ。そっち持って。」

アニータ「先輩。大会出るんやったら……

ピッチャーどうにかせなあかんちゃう――――?」

大吾「え…!?」

アニータ「仁科はまだ使いもんにならへんし…

佐倉先輩じゃ何点とられるかわからへんで。」

アニータの言葉を黙っって聞く大吾…

アニータ「確かに制球はええし、変化球もスライダーとシンカーがあって、

前に仁科達推薦組がやりこめられたのはわかるけど、

あれじゃ地区優勝までできへん。」

大吾「地区優勝……!? ハハハ、まさか。そんなとこまで狙ってないよ!」

アニータ「…………」

大吾「ホラ、そっち持って。」

ブルーシートを二人で運び出す
アニータ「でも二回勝ったらもう準決勝やん?

準決勝までいったら3日目に2試合やることになるんやで。

どっちにしろピッチャー一人では足りひんし、

あんな華奢な佐倉先輩じゃ、一、ニ戦の連投が限度やろ。

最低でもあと一人ピッチャー用意するのが当たり前や。



監督やキャプテンならそこまで考えとくのが当たり前やろ。

出る限りはてっぺん狙っていかんでどうすんねん。」

どさっとブルーシートを置く…

大吾「いや…いいよ。熱心に提案してくれてありがとう。

確かに君らがいれば。そこそこいい戦いできるかもしれないけど――――

ただまだうちはそんな無理する時期じゃない。」


大吾「じゃあお先に。戸締まりだけちゃんとよろしく。」

千里「はーい。」

部室にアニータと千里を残し、先に帰って行く大吾


アニータ「話にならへん。」

千里「え?」
1 (6)

アニータ「やっぱりあんなボクちゃんがキャプテンじゃあかんわ。

全然本気で大会勝ち抜く気概があらへん。

監督がおらんから、なおさらキャプテンにはしっかりしてもらわなあかんのに…

あんな呑気なボクじゃ、チームリーダーなんてムリやで。」

千里「そう?茂野先輩やさしいけど、みんなの練習ずっとサポート

してるし…ちゃんとキャプテンしてると思うけど。」

アニータ「千里。あんたピッチャーやり。

リトルでもちょっとやっとったしできるやろ。」

千里「え!? で…でも、」

アニータ「ピッチャー手薄すぎんねん。キャプテンはうちが説得する。

明日からブルペンで練習や!」



次の日――――
睦子「ハ―― ハ――」

疲れながらチャリで登校してきた睦子…

大吾「あれ?おはよー。」

睦子「ハ―― お、おはよ。 ハ――」

大吾「睦子。どしたの?バス通学じゃなかったっけ?」

睦子「え…ああ…いや…あたしもトレーニングがてら

大吾のマネしてみようと思って……

大会、あたしが がんばんないといけないし。」

大吾「そう。フフフ。」

睦子「な、何よォ。」
大吾「ところでアニータとはどう?うまくやってけそう?」

睦子「うん…… 今んとこ問題ないよ。

さすがキャッチングはいいし、いい球ほめてくれるし…

体も大きいから投げやすいよ。」


大吾「あ――俺は小さすぎて的が見えないもんね…」
1 (7)

睦子「あ…いや 別にそういう意味じゃあ……」

パン

睦子「あれ?うちらより早く来て誰か投げてる。まさか仁科が……!?」


ヒュン
1 (8)

ピッチングしていたのは仁科ではなく千里だった…

パァアン
1 (9)


大吾「ナイスボール!すごいね千里!いい球投げるんじゃん!」

千里「あ…いえ。」

睦子「(うそーん。あたしより全然速い球投げてるじゃーん!!)」


アニータ「速いやろ。千里は横浜リトルで中継ぎやってたことあんねん。

これ見たらピッチャー編成考え直す気にもなったやろキャプテン。」

一コマ置き大吾は返答する

大吾「いや別に……悪いけど一年生に公式戦のマウンドを踏ませる気はない。」


大吾「てゆーか風中のキャプテンは俺で、アニータじゃない――

キャプテンの方針に従ってくれない人に正捕手を任せることはできないな。」
1 (10)


■大吾の思いがけない言葉にアニータは…?