人気コミック、週刊誌、雑誌が読み放題!!
今なら新規会員様特別キャンペーン開催中!!
2週間71円で全て読み放題!!
ハイキュー!! 第281話 『ハーケン』
【ーな なんと】
【“スパイカー“宮治から“セッター”宮侑へのセットアップで】
【マイナス・テンポの速攻を繰り出してきました】
【宮ツインズ恐るべしコンビネーション!!!】
実況も興奮の攻撃が決まる!
「けど低くて短かったな!」と宮侑。
「何ゼイタク言うとんねん!」
「俺セッターちゃいますけど!」と小競り合いが始まる宮兄弟。
「なんなんだよ…」
「クソ…!」
悔しさを隠せないスガ。
「イレギュラーだ!あんま気にしすぎんな!」と声を飛ばす烏養。
稲荷崎ベンチでは、北が
「今のがマグレだろうと烏野(むこう)の動揺は必至やろな」と口にする。
「っスね」と角名。
宮侑は思う。
嫌なきもちやろな?
逆転されたうえ
想定外の攻撃されて焦るやろな?
早くこの空気切りたいやろな??
こういう時
豪快な1本決めれたら
スカッとするし味方の士気も上がるやろなあ?
お前らが意地でも決めたいスパイク
俺らは意地でも止めんねん
旭のスパイクはブロックに阻まれる。
「!あぁ~~っ!」
思わず声が出る観戦カップル。
「…なんか」とひろみちゃん。
「崩れる時ってあっと言う間だよねえ」
「お?」と元太が声を出す。
旭をブロックで止めたものの、宮侑がタッチネット。
「力入ってもーたー!スンマセンッ」と宮侑。
「ダサ」と宮治。
「あ ネッチか」
「ラッキーだけど…」
「精神的ダメージを食らったのは烏野の方だな」
「ラッキーラッキー」
「すぐ追い付くぞ!」
気持ちを切り替える為に、みんなに声を掛ける澤村。
だが、響く稲荷崎の応援の音。
(くそ…)
(気にならなくなってた稲荷崎の応援がやたらでかく感じる…)
ここで月島がサーブに下がり、西谷が出て、日向が戻ってくる。
テレビ観戦しながら、金田一は
(…日向…なんか…)
(…なんかやれ!!)と念じる。
田中のインナースパイクはまたしても大耳に阻まれ、
フェイントも赤木に拾われる。
アランのスパイクはブロックするもコートの外に。
「ーー影山」
田中が何かを影山に話す。
影山のサーブを宮治がレシーブ。
ボールはそのまま烏野に返る。
防御に備える稲荷崎。
9番の強烈なサーブ。
前衛には10番を含む攻撃3枚
最も厄介なローテや
…だからこそ
ブレイクさせへん!!
澤村のスパイクを赤木が拾う!
でも、長い…
だからこそ!
ネット際のボールに宮侑が右手で飛び付く!
(ツー!!)
月島と影山、そして日向も旭もそう読んでブロックに飛ぶ!
止める!!
が、瞬時に両手でのセットに変える宮侑。
ビッ
日向がボールを押し込む!
「い良しっっ」と冴子が言いかけた時、
ピッと審判の笛。
得点は稲荷崎に!
オーバーネットを取られた烏野。
何故か。
日向と旭は
「攻撃(ツー)」をブロックしたつもりだけど
実際には宮侑はトスをあげようとしてた
まだ相手コート側にあるボールに手を出せば反則になる
研磨も影山も苦い顔。
(今 オーバーネットを誘ったな)
宮侑の胸の内。
“ネット際”が上手いんは
デカい奴でもMBでもなく
ネット際がなわばりのセッターやろ?
17vs15
澤村は
「フーーーー…」と大きく息を吐く。
【ここでビッグサーバー宮侑にサーブが回ってきます】
【烏野凌ぐことができるか!】
強烈なサーブを澤村がレシーブ!
「くそっ…」
その威力にボールはそのまま大きく稲荷崎コートに!
「!」
大きく弾かれたボールは、稲荷崎コートの角に入る!
【おっーとっこれはダイレクトで稲荷崎コートへ返る!】
【烏野命拾い!】
烏野の得点だが、
「すげー威力!」
「ハハハ吹っ飛ばされすぎだろ」
と笑う稲荷崎応援団。
悔しい思いの澤村。
「ナイスレシィーブ!!」
スガが声を張る!!
「烏野「ギリギリついてってる」感しんどい…」とひろみちゃん。
「あー」と同調する元太。
早くも日向がサーブで後衛に。
西谷が出て月島が入る。
稲荷崎は宮侑が後衛に下がり、「双子速攻」が可能に。
(ブロック頼むぞ…)と祈る嶋田たち。
追い付き追い抜き
突き放せ
梯子を外す
一本を決めろ
アランのレシーブからセッター宮侑へ!
誰を使う!
既に宮治が助走に入っている!
攻撃はレフトから銀島!
だが月島のリードブロックが阻む。
ボールは稲荷崎へ弾き返され、
赤木がボールを拾おうと構えるが、
「治!!」
宮侑がダイレクトでセットに入る!
ス…と邪魔にならないように後退する赤木。
【ーこれは 宮侑】
【またしてもファーストタッチを直接セットしたー!?】
(ムチャツム)
宮治はそう思いながらも
【宮治も】
【待っている!!】
だが、キュキュッ
ブロックに付く月島と旭。
(ツッキーキレキレだな…!)とクロ。
研磨も苦い顔。
が、スパイクの体勢から、宮治はブワッとボールを上げる。
「ーは?」
思わず声を上げた月島。
「ア゛!?」
クロも怒りの表情で声を上げ、
研磨もさらに嫌そうな顔に!
【宮治自分にセットされたボールを再びセット!?】
「いいねえ」と呟くユースの監督。
【後ろから】
【尾白アランーーッ!!】
ドオッ
月島と旭は完全に宮治に振られ、
澤村もブロックに間に合わない!
アランの強烈バックアタック!!
だが、次の瞬間、ボールを迎える揃えられた腕が!!
そこに「居た」のは日向!
低く構えて正面でボールを捕らえ、後ろに転んで勢いを殺す。
遠く地元で見ているライバル達、
そして仲間達も驚きの表情で視線を集めている。
ー稀に
…練習・試合
長く・そして多分苦しい事の方が多い時間の中で
ごく稀にこういう1本がある
思い出すだけで
心が奮い立つような
自信が蘇るような
大きく険しい山を登る途中に
足掛かりとなってくれるような1本
それは 奇蹟などではなく
100本
1000本に1本であれ
掴みに行って掴む1本
稀に掴む そういう1本を紡いで
上へ上へと登って行く
高く上がったボールを見つめながら影山は思う。
(…お前に)
(これを言う日が来るとは)
「ナイスレシーブ」
じんじんとした感覚が日向の腕に刻まれる。
自ら殴り込んだ合宿で得たもの。
みんなが叫ぶ!
「ーカ」
「ウン」
「タアアアァアア」